- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787234773
作品紹介・あらすじ
炭鉱から生まれた「縁」は、ヤマの誕生から閉山、そして現在まで、人々をどう支え続けてきたのか。
1970年に閉山した北海道・尺別炭砿のコミュニティの生活実態を、職場・家族・学校・地域の「縁」をキーワードに掘り起こす。そのうえで、閉山、地域社会の消滅、約4,000人の半強制的な移動という衝撃的なプロセスを活写する。
そして、全国に散った人々が各地に定着していったありよう、同郷団体を結成していまも交流する様子、当時子どもだった者が抱える「故郷喪失」の思いなど、いまに続く「つながり」も照らし出す。
生活者の視点から炭鉱の閉山とその後を捉え直し、戦後史に位置づける社会学の成果。
目次
はじめに 嶋﨑尚子
第1章 「縁」の集積からみる炭鉱コミュニティ――狙い 木村至聖
第2章 尺別炭砿――戦後の歩み 嶋﨑尚子
第1部 炭鉱コミュニティでの「縁」の集積――尺別の戦後史
第3章 炭鉱労働での「職縁」――〈つながり〉と信頼 嶋﨑尚子
第4章 炭鉱家族の「血縁」――〈つながり〉と暮らし 嶋﨑尚子
第5章 炭鉱の学校と「学縁」――子どもたちの〈つながり〉 笠原良太
第6章 炭鉱コミュニティの「地縁」――〈つながり〉の多層性 新藤 慶
第2部 炭鉱閉山と「縁」の離散――1970年2月
第7章 尺別炭砿の閉山と地域崩壊――閉山ドキュメント 笠原良太
第8章 閉山後の再就職――離散からの再出発 畑山直子
第9章 尺別からの転出――「縁」を活用した再就職と移動 嶋﨑尚子
第3部 炭鉱の「縁」の展開――故郷喪失からの50年
第10章 「地縁」のゆくえ――同郷団体にみる新たな〈つながり〉 新藤 慶
第11章 「学縁」の展開――閉山時高校生・中学生の50年 笠原良太
第12章 継承される炭鉱の「縁」と文化 木村至聖
おわりに 新藤 慶
感想・レビュー・書評
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産炭地の消滅してしまった町を対象としたライフヒストリー研究。データ分析とインタビュー、残された文書などによって、かつて存在した炭鉱とそこで生活した人たちの様子が浮かび上がる。
炭鉱という、ある時代を象徴するような場の記憶が三池などの労働運動的な側面が強調されることなく描かれているのは珍しいのではないか。
読み応えのある一冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/569010 -
東2法経図・6F開架:567A/Sh45t//K
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◆1/28オンライン企画「わたしの“モヤモヤ”大解剖―わがまま論・つながり論を切り口に―」で紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=GTaAW7pHRII
本の詳細
https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787234773/