落語と小説の近代: 文学で「人情」を描く

著者 :
  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787292728

作品紹介・あらすじ

江戸期から明治期にかけて、大衆芸能である落語は小説にどのような影響を与えたのか。落語は西洋近代とどのように出会い、どのように向き合ったのか。

三遊亭円朝の「怪談 牡丹灯籠」「怪談乳房榎」「真景累ヶ淵」「錦の舞衣」のほか、三遊亭円遊、快楽亭ブラック、談洲楼燕枝など、同時代に活躍した噺家による落語も議論の俎上に載せて、明治期の物語の様相や「人情」の語られ方を丁寧に読み解いていく。

これらの議論を通じて、言文一致をめぐる問題、坪内逍遥の「人情」論を再考するとともに、小説が落語に翻案されるプロセス、物語が小説・落語・講談などのメディアを越境する諸相を分析し、日本近代文学研究、アダプテーション研究の新たな地平を示す。

目次

序章

第1部 人情噺と怪談噺のあいだ

第1章 「人情」を語る怪談――三遊亭円朝「怪談 牡丹灯籠」

第2章 「幽霊」と「神経病」――三遊亭円朝「真景累ヶ淵」

第3章 「見えがたきもの」を見えしむる――三遊亭円朝「怪談乳房榎」

第2部 落語と小説のあいだ

第4章 メロドラマの翻案――三遊亭円朝「錦の舞衣」

第5章 小説を落語にする――三遊亭円遊「素人洋食」

第6章 講談・落語・小説の境界――快楽亭ブラック「英国実話 孤児」

第7章 落語を「小説」化する――談洲楼燕枝「西海屋騒動」

第3部 「人情」と言文一致

第8章 翻訳と言文一致との接点

第9章 『源氏物語』と坪内逍遥の「人情」論

第10章 キャラクターからの離脱――坪内逍遥『小説神髄』「小説の裨益」「主人公の設置」

おわりに

著者プロフィール

1978年、新潟県生まれ。作家、成蹊大学文学部准教授。専攻は日本近代文学。小説に『遥かに届くきみの聲』(双葉社)、『小説 牡丹灯籠』(二見書房)、著書に『言語と思想の言説――近代文学成立期における山田美妙とその周辺』(笠間書院)、『中高生のための本の読み方――読書案内・ブックトーク・PISA型読解』(ひつじ書房)、共編著に『ライトノベル・フロントライン』全3巻、『小説の生存戦略――ライトノベル・メディア・ジェンダー』(いずれも青弓社)など。

「2023年 『落語と小説の近代 文学で「人情」を描く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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