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- Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787585707
感想・レビュー・書評
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つねに腰が引けてるという点で、この『クロエへの挽歌』に登場する探偵キャンピオン氏はかなり風変わりな存在といえる。
劇場と劇場をめぐる人々による群衆劇。『クロエへの挽歌』はそうした体裁をとっている。生気には乏しいが、誰よりも人間観察に長けた探偵は、彼らが発する膨大な情報をひたすらインプットしてゆくことで、事件の背景にあるみえない相関関係をゆっくりゆっくりと可視化してゆく。登場人物が多く、探偵に目を見張るような闊達さがなく、おそらくそれゆえにドラマに起伏が乏しいという点で、あるいはこの小説は読者を選ぶかもしれない。けれども、人間を描くことで事件の本質を描くという作者の手法にハマりさえすれば、淡々とした筆致のむこうに、ロバート・アルトマンの映画にも匹敵する〝コク〟を感じることもできるにちがいない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キャンピオン氏シリーズ、私は4冊目。時系列では前に読んだ2冊の長編の間に入るのか。傍観者であるべき探偵役が事件関係者に恋して苦悩するんだけど、とっっても奥ゆかしいので好感。出てくるキャラ達が今回もウザ面倒くさくて面白いです。
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