エリートの反逆―現代民主主義の病い

  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788506053

作品紹介・あらすじ

国境を超えて流動する経済に酔いしれ、グローバルなネットワークに棲みつき、ノーブレス・オブリージュを放棄して、民主主義・市民社会を腐食しつつある知識人・経営エリートへの痛烈な批判。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカを追うように、貧富の差を拡大するような
    政治・社会的情勢にとりかこまれた日本の現状を考察するのに
    役立ちます。
    自分がどんな社会に暮らしているのかよくわかります。
    中産階級的な豊かさを追求していたアメリカが、
    一部の人たちのエゴイズムによって、いかに歪められてしまうのかを感じてショッキングでした。
    『いまや、民主主義の危機は大衆ではなく、エリートたちによってもたらされる』
    民意を無視してグローバル資本主義を推し進める輩たちのことを想像すれば、まさに当を得ていると考えて良さそう。
    「アメリカン・ドリーム」なる成功譚を夢見て、日々汗水たらす、サラリーマン。しかし、その夢がエリートの権力維持に一役買っているなんて、皮肉ですね。
    しかも、すでにそんなチャンスは摘み取られているとしたら、そんな社会でどう生きればいいのでしょうか。
    本書に一貫するのは、偽善・欺瞞にみちたエリートや特権階級に対するラッシュの怒り。
    批判の矛先は、子どもを恥から遠ざける、でっち上げの幻想を見せる教育・薬や行動療法にたよる精神分析にもむけられます。


    経営者や政治家の煽る一辺倒な価値観に疑念をもったことがある人は、一読の価値アリ。

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