- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788518216
作品紹介・あらすじ
人身御供の祭や伝承は私たちの先祖の生活と心性について何を語るか。世界各地に存在した食人風習とどう関わるか。民俗学や考古学が封印してきた人身御供譚の始源にひそむ暴力=「血なまぐさいもの」を私たちの歴史のリアルとして読み直す。第25回サントリー学芸賞受賞
感想・レビュー・書評
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「生贄と人身御供」の研究書です。
この分野の日本の研究は「日本人はそんなことはしない」と民族を美化して否定するか、文化人類学のように論理的に「これは内なる暴力を封じる手立てなのだ」と生々しさを排除してしまう。
そうした「毒抜き」をせず、学者でさえ目をそらすショッキングな行為を見つめようという試みをしていきます。
他の方法を否定するのではなく、それもまた「生け贄と人身御供」にたいする姿勢、現代の姿勢として受け入れ、「毒」を見つめる。
じつをいえばこの本自体読んでいっても生々しさはありません。
その理由は、検討する祭り、人間の生け贄を捧げていたとされる神事が本当にはそんなことをしていないだろうとわかるからなのが大きいと思います。
恐ろしい事実はそこには無かった、となるからです。
でも研究としては、そんなことはしてこなかったのにしていたと言うのはなぜかがわかるので失敗では無く成功なのです。
それが無くても有用であるというのは研究方法としておもpしろいと思いました。
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タイトルに惹かれて。
人身御供と人柱は、似ているようで異なるそう。
人身御供は、犠牲になる者が「神の食べ物」となる。
人柱はそうではない。
参考文献もとても興味深かった。 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50339782