- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788717107
作品紹介・あらすじ
誰しも、加齢に抗うことはできません。どれほど健康に気をつけている人でも、歳を経るほどに身体のさまざまな部分に不調をきたしはじめ、医療を利用する機会は増え続けるのです。
毎日のように医療機関に通い、お腹いっぱいになるほど薬を飲み、それでも安心できずに悶々とした日々を過ごす。そんな高齢者は少なくありません。高齢であるほど、医療をうまく利用し、自らの身体とうまく付き合い、日々の生活を豊かにする術を身につけておく必要があると感じます。
加えて、高齢者が医療機関に通院・入院する際は、家族の協力が欠かせません。送り迎えをしたり、受診に付き添って治療の説明を一緒に聞いたり、入院中の生活のサポートをしたりしていただく機会が多いからです。
そのため、患者さん本人以上にご家族の方が疲弊し、精神的・身体的なストレスで参ってしまう、というケースも少なからずあります。本人だけでなく、ご家族の方も高齢者医療の実態を知っておき、うまく立ち回る必要があるのです。
また、高齢者にとって医療は必ずしも「長生きするためのツール」ではありません。自分の趣味に熱中したり、お友達と遊びに行ったり、家族と楽しく美味しいものを食べたりして豊かな人生を送れるようにする。高齢者にとっての医療の価値はそこにあります。
そのためには、早いうちから医療に関する知識を身につけ、来るべき「不調」に備えておかねばなりません。
本書では、高齢者の病気に対する考え方や、高齢者特有の問題にスポットを当てながら医療の知識を紹介します。
感想・レビュー・書評
-
外科医けいゆう先生の著書。
副題は「高齢者とその家族が病院に行く前に知っておくこと」。
医者と患者のコミュニケーションのすれ違いを減らすために、医者だけではなく、患者側も知っておくべきことがたくさんある。それを、優しくわかりやすく書いてくれています。
病気になってからでは、この本を読む余裕はない。
だから、病気になる前に、高齢の親の調子が悪くなる前に、読んでおくといいと思う。
最近、高齢の母に付き添って病院に行くことが多くなったのだけれど、高齢者の考え方には驚かされることが多いです。高齢の友達同士で薬を融通し合ったり、薬はもらえるだけもらっておこうとして症状が収まってもお医者さんには言わないで薬を出してもらったり…。先生もこれじゃ大変だなぁと思いました。
高齢者たち(あ、高齢者に限らないかもしれない)の考え方を完全に軌道修正することはできなくても、この本に書かれているようなことを知っている人が近くにいることで、少しずつ意識を変えていければ、と思いました。
こういう本を、もっとたくさんの人が読んで欲しいものです。どうやったら届くんでしょうね。ワイドショーとかでやってくれればいいのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示