日本から犬がいなくなる日

著者 :
  • 時事通信社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788718753

作品紹介・あらすじ

この本は、多くの方々に、私たち人間が犬からいかに多大な影響を得てきたかをあらためて感じていただき、そのうえで日本における犬の飼育頭数が減っているという現状と、その原因を知っていただこうとするものです。そして、犬にとっての幸せとはどのようなものであり、人間が犬に対して、また私たち自身に対してできるのはどのようなことかをみなさんと考えようとするものです。(本書「はじめに」より)

人間と犬との付き合いは2万年以上にもわたるとされ、猫や馬、牛など他のどの動物よりも長い時間を共に過ごしてきました。
大切なパートナーとして、心を許せる友達や家族として、さまざまな形で人間との絆を築いてきた犬たちが、そう遠くない未来に私たちのそばから姿を消そうとしています。
そして、多くの人はまだその事実に気づいていません。
「おおげさな話だ」と思う人もいるかもしれません。
けれど、「日本から犬がいなくなる日」へのカウントダウンはすでに始まっているのです。

「ヒトと動物の関係学」の研究者として犬という動物を、そして人間と犬の関係を長きにわたって見つめてきた筆者が、国内の犬の飼育頭数が減少しているという危機的な現状をあきらかにするとともに、「犬の幸せ」、さらには「犬と共に在れる人の幸せ」について考えました。
長い年月をかけて築きあげてきた犬との豊かな共生を続けていくために大切なことを見つめ直す一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 2040年の犬の飼育頭数は2021年の46%減になる予測がありますが、日本だけの現象だそうです。その理由は、動物愛護管理法の改正によりファミリーブリーダーが減少したことにあるため、法適用を受ける業者の要件緩和が必要だということです。一方、悪徳ブリーダーを無くす方法として自浄作用を挙げています。
    筆者はこの本で犬の十戒の逐条解説もしていますが、全体的に犬への愛情は感じられませんでした。
    なお、筆者は、東京大学副学長や国立科学博物館館長を歴任された方でした。

  • ・犬と飼い主のことを思っての提言本ではなく、生体販売によって利益を出している側の主張本。
    ・「犬が幸せに暮らせる居場所がなくなってきている」という本かと思っていたので、社会としてできることの提言を期待していたため、サブタイトルにある「そんな日本にならないために、いま私たちにできること」の提言が意味不明だった。
    ・作者の主張は、「日本で繁殖がなされないと、輸入に頼ることになり、高級化し、一般人が犬を飼えなくなる、日本から犬がいなくなる」という主張。
    ・作者の危機感は、「日本から犬がいなくなる日」ではなく、「日本から犬を販売するペットショップがなくなる日」だと感じた。犬を販売する側の利益確保のために、ファミリーブリーダーを許容する法改正の提言をしている。

    ・「犬との10の約束」は、良かった。ただ、作者のオリジナルではなく、ネットで広まっていたもの。(海外に住んでいた頃、英語で読んだことがある。2000年代初頭には既に広まっていたから、もっと前からあったと思う。)

    ・「充分に、自然の理から外れる純血腫が既にあるのだから、更に体格が違うミックス犬を人工的に更に増やさなくても良いのではないか」という問題提起には同意。
    ・他のペット業界の歪みについては、特に論じていない。
    ・母親犬から早期分離していることの問題も論じていなかった。
    ・飼い主とブリーダーが、心身ともに健やかな犬を育てるためにできること、という視点からは書かれていなかった。
    ・当然、ブリーダーの元での健全な繁殖と育成についての議論は特になかった。
    ・法改正によってファミリーブリーダーがいなくなったことを問題視しているが、それによってペットショップの利益に影響があるからだけではと思ってしまった。

    最初、問題視されていることの何が問題なのかよくわからずモヤモヤしたが、書かれていない数々の事実に気が付いてからは、非常に胸糞悪い本になった。
    主義・主張を横に置いておいたとしても、話がとっ散らかっている時点で本として致命的。

  • 小説と思って借りたら研究まとめ本。癒し効果や責任感、認知症予防など医療費削減につながる犬の飼育。ブリーダーの減少で犬を扱う人が減り、そして高齢者の増加。日本の法律改正により厳しくなり…
    の件には犬だけじゃなく働き方も含まれる!がんじからめにすればいいってもんじゃないといいたい。この話になると興奮してどんどん書いてしまうのでこの辺で終了。

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著者プロフィール

国立科学博物館長、東京大学名誉教授。1946年7月広島県生まれ、富山県育ち。東京大学・農学部卒業後、同大学大学院・獣医学専攻に進学。1975年「日本産イノシシの頭蓋に関する形態学的研究」で博士号取得。同大学医科学研究所・奄美病害動物研究施設に助手として採用され、5年間ハブの駆除研究に従事。その後、同研究所寄生虫研究部でフィラリア症のワクチン開発研究に従事。1990年、同大学農学部教授に昇任。その後、同大学農学部長、総合研究博物館長、理事・副学長を歴任。山階鳥類研究所長を経て、兵庫県森林動物研究センター名誉所長。

「2020年 『矢野誠人の写真絵本 うりぼうと母さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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