「記憶」を科学的に分析してわかった小学生の子の成績に最短で直結する勉強法
- 実務教育出版 (2020年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788919624
作品紹介・あらすじ
頑張っているのに結果が出ない、最短距離で成績アップしたい、とお悩みの親御さん必読!科学的に分析してわかった学習法を伝授!
感想・レビュー・書評
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個人的に、最近読んだ学習系の本の中で一番良かったです。著者の自論ではなく、きちんと研究論文の裏付けを基に構成されていたので好印象でした。
マンガ形式の説明もあり、小学生でも理解しやすそうな内容でした。親から「こうしなさい」と言われるよりも、子どもが自ら本書を読んだ方が素直に受け入れやすそうと感じました。
また、『人に教えるつもりで読むと記憶に残りやすい。』という文言に共感。(私の経験ですが)ブクログ活用以前に読んだ本は内容の記憶が曖昧ですが、ブクログでレビューを残すようになってから覚えられるようになった気がします。『頭を使って覚える。』ことをきちんとしていたのだと、納得しました。
以下、参考になった箇所の抜粋です。
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・インプットよりもアウトプットを繰り返すこと。アウトプットをすることで、記憶が定着しやすくなる。間違えた問題/わからなかった問題だけを復習すること。(例:漢字の宿題で、『各漢字をすべて10回書く』というのは非効率。テストで間違えたところだけ練習するのが良い。)
・子どもが勉強した内容をわかっているか確認するため、子どもに解説をさせてみる。説明をさせることで、理解を深めやすい。
× 説明が間違っていても、尋問しない。
◯「もう一度説明するね」と明るく言う。
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【読書メモ】
タイトルから小学生向けのように思うかも知れないが、大人の学習にも十分活用できる勉強法の本
それどころか時間がない大人こそ活用できるのでは、という点もあって着眼点としてなかなかよかった
今後の学習に活かすとすると、
・ランダム学習効果を考えると総合問題を解く?
・眠る前の読書をやめて、まちがいノートや理論集の確認をする
・休憩を取って最初と最後をやる(ポモドーロも併用?)
【参考になった点】
どうすれば子どもにその勉強法をさせられるか?
1 記憶のメカニズム
・何度も復習することが必要
・エピソードとして覚えやすいように工夫
・手続記憶=経験により習得
2 効率的学習法
・王道は解き直し
・覚え直すより解き直す
→時間があれば両方がベスト?
・覚えたいものは最初か最後にやる
例)30分ずつ6回に分ける
・分散学習 翌日・1週後・1月後、1週後・2週後・1月後、など2~3回
・ブロック学習よりランダム学習
・場所を変えると思い出しやすく
・睡眠は効率の良い学習手段
・寝る前は振り返りの時間
・1日の最後は勉強
→読書はダメみたい……
3 科目別
・算数は土台となる「能力」、解法の「知識」のバランス
4 親の役割
・説明する=理解を深め、記憶を定着させる
【内容:アマゾンから転記】
・漢字の書き取りを10回も20回もする
・蛍光ペンで色を塗ったり、アンダーラインを引いたりしながらテキストを読む
・テストの直前1週間くらいで集中的に勉強する
・一夜漬けする
これらはすべて、科学的に「非効率」とわかっている勉強法です。
せっかく頑張っているのに、なかなか成績アップにつながりません!
その結果、お子さんは「自分はアタマが悪い」と誤解してしまいます。
「学習」は、脳のしくみに基づいて行うかどうかで効率が大きく変わります。
お子さんを、ゴールまでの最短ルートに導いてあげてください。 -
シリーズ全て読みましたが、この本が一番良かったです。我が子も復習が大の苦手。おまけに塾の宿題が多くて復習に手が回らないのがつらいところです。
でも、この本でうたっている復習は大人なら誰でも大事なのは良く分かっていると思うけど、再確認させてもらえる本。 -
曲がりなりにも教育に携わっている人間としては、目新しい情報は特にないものの、コンパクトにまとまっていて分かりやすい。国語の勉強法のところなどは、国語単体でもっと詳しくまとめて欲しくなった。
人の記憶は、「生きるために必要なこと」は定着するが、それ以外のものは消えていってしまう。この大前提をもとに、勉強したことを記憶に定着させるには、「自分の脳に、この情報は「生きるために大切だ」と誤認させ」る必要があると説く。
では、その「誤認」をさせるためには、どうしたらよいのか? そもそも「生きるために必要な情報」というのは、「感情が大きく動かされた記憶」と「よく使う記憶」である。危ない! 楽しい! 嬉しい! 悲しい! こういった大きな感情の動きは、その体験を「大切なこと」として記憶に残す。しかし、いちいち教科書で学ぶことにそんな感動をすることはできない。
こうしたわけで、結局のところ、「誤認」させるためには、「よく使う記憶」にすること、つまり、学習の王道「繰り返すこと」であるという結論に至る。
要するに、「反復学習」と「解き直し」が大切、と言ってしまうと、元も子もないない気もするが、逆にいえば、その王道は、それだけ基本中の基本なのである。そのため、この本では、より効率的に記憶を定着させる「反復」のやり方を教えてくれる。
それにしても、どうして僕たちは、受験や学校の勉強を定着させるために、自分の脳に「誤認」をさせなくてはいけないのだろうか? それは、教科書で学んでいることが、本質的には、「生きるために必要なこと」ではないからである。
はじめから、子どもたちに教えるべきとされていることが、子どもたちの今と将来を「生きるために必要なこと」であれば、そうだと「誤認」させるための方法などいらないはずである。
「それって、勉強して何の意味があるの?」
この子どもの素朴な疑問に、応えられるような教えるべきことは何なのだろうか。なんだかんだ、学歴は大切である。たとえ無意味であったとしても、受験に必要だからという理由で何かを教えることは必要だと思う。
ただ、その素朴な疑問に対する答えは、常に考えながら、大人として、何かを教えてあげたいと考えた一冊。 -
題名につられて購入し読んでみました。
子どもの勉強方法について悩みながら過ごしていました。こちらの本を読んで、勉強の向き合い方や普段の生活の中での何気ない声掛けでも、子どもの記憶に残らせて学習につながることがわかり大変為になりました。 -
今年の春くらいに買って積読になってしまっていたものをようやく読みました。
私はエビデンスに基づいて書かれたものが好きなので、とても楽しみながら読めました。
とにかく丁寧に、論理的に書いてあります。
脳の仕組みや記憶の種類の説明にはじまり、記憶に残りやすい暗記の仕方など非常に実践的で試してみやすいものが並んでいます。
ブロック学習とランダム学習では、文章で読めば当たり前の事だと気がつくのですが、ではいざランダム学習をどう取り入れるのかなどはわかりやすくて良いなと思いました。
また、睡眠は大事である、ということを多くの方は認識されていると思いますが、では何故「睡眠を取ることが重要あるのか」「睡眠時間を削ってまで勉強をするべきではないのか」ということの根拠が丁寧に書かれています。
あとは、4教科の具体的な勉強法なども書かれていますが、根底には親を始めとする大人の、子供への声がけや態度がいかに大事かがあります。
どれだけ方法や知識をわかっていたとしても、子供の気持ちをのせたり、高めてあげられるのは親(や周りの大人)の腕にかかっているのだなと思いました。
大人の私が読んでも自分の勉強に活かせそうな所があったので、もう一冊の方も楽しみに読みたいと思います。 -
記憶の方法と、最後は教科ごとの勉強の仕方が書かれている。
・記憶は「保存」と「検索」のメカニズム。
・生きるために大切な記憶、「よく使う記憶」「感情を動かされた記憶」、勉強もそうだと誤認させる。
・記憶に残すためには「楽しくやる」、「何度もやる」こと。できる限りやらなきゃならない回数を減らし、ぢょいやり方をしる。
・知識を定借されるにはエピソードとして覚える。
長期記憶 宣言記憶 言葉で表現できる記憶
意味記憶 一般知識
エピソード記憶 個人的な思い出
手続き記憶 運動技能や段取り
行動レベル 泳ぎ方、自転車の乗り方 認知レベル 文章題の解き方、九九など
・アウトプットと繰り返すと記憶は定着し、忘れにくくなる。インプットはわからなかったときに必要な範囲ですれば十分。
・覚えたいものは最初か、最後にやる。朝いち、寝る前。
・勉強はまとめてやらずに分散。基本は一日後、一週間後、一か月後。一週間後、二週間後、一か月後でもいい。やり忘れないように予定を管理することが大切。
・ランダム学習 さいころ、くじ。
・どんなことが書いてあったかあとで教えてね。
・イメージ化、言語より画像。
・勉強場所は変える。背景情報がヒントになる。可能なら試験本番までに、志望校で勉強する機会を作る。
・勉強したあとは余計なことはせず、寝る。
・算数ができるようになるためには、土台となる「能力」と公式や図形の解き方といった解法の「知識」のバランス
・「能力」を鍛えるトレーニング。「学校の授業、塾の授業、公文式、アルゴクラブ、パズル道場、図形の極み
は「知識」と「能力」のどちらを鍛えているのか考える。未就学児だと、タングラム、レゴ、百玉そろばん、分数パズルなど。
・好奇心を育てる。図鑑。
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学習のノウハウ満載。子供の勉強だけではなく、自分の学習にも役立てられそう。ホームラン本。