風よ。龍に届いているか〈下〉

著者 :
  • 創土社
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本棚登録 : 117
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789301213

感想・レビュー・書評

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  • 再読
    いわずとしれた『ウィザードリィ』の「2」にして「シナリオ3」からの
    著者得意の伏線を創造して作り上げた
    ノベルゲームでいうところの「トゥルーエンド」のようなエクストラシナリオ
    外伝2の祖形なのかどうかは知らない
    「ファンタジー」舞台の「冒険」小説ではあるが
    出来上がりとしては「ライトノベル」というにふさわしい
    最近だと『戦う司書』が現在書いているシリーズのような(名前忘れた)お話
    伏線の回収はやや強引ながらもバトルに燃えを感じられるところは評価高い

    例によって再読なのにおおよそきれいさっぱり忘れていてむしろすがすがしい
    何しろアドリアンの正体すら覚えていない
    まったく泣けるほど有用な忘却ぢからである
    「ウィザードリィのすべて」「ウィザードリィ3のすべて」も併せて読んで
    思い返していたが
    ヒッポン系ゲーム本といえばの「友の会」が目にまぶしい
    これに投稿しているひとたちのいまやいかばかりか

    TRPGから続くテレビゲーム作品を素材にライトノベル文で書かれた冒険小説であり
    つまりゲームの「ノベライズ」なのだが
    作者がさほど小説家として有名でないのにこの作品が(一部では)名高いのは
    ノベライズ手法の「古典」であることもあるだろうし
    ライトノベルとしての出来よさもあるだろうし
    題材が今に到っても愛されていることもある
    STGの東方シリーズがなぜたかがSTGなのにあれほど人気あるのかと同じく
    ウィザードリィが未だに愛されているのかは(最近では初音ミクもそうか)
    素材看板の「きれいさ」や二次的な創作の余地など様々に理由あるだろうけれど
    この本の作者がそれらそういう活動の偉大な先駆者であるのを
    この本は確かな事実と証明する作品である

  • Wizardry2と3(ゲーム)の世界観をベースにして、そこに独自の解釈を加え、独自の設定やキャラも加えている物語なんだけど、久しぶりに読み直しても滅茶苦茶面白くてビックリした。
    ご都合主義的な展開がいくつかあるのも事実なんだけど、そんな事は重箱の隅の話であり、ストーリー全体の面白さにグイグイと引き込まれ、あっという間に読了してしまった。原作にはない大幅な設定追加も気にならなかったし、ベニ松さんの物語をもっとたくさん読みたいなぁ、とそんな事を感じた。また、忘れた頃に読み返したい。

  • 2014/2/1

  • 「隣り合わせの灰と青春」の後の世界が舞台。
    「隣り合わせ」がシナリオ「狂王の試練場」を描いた小説であるのに対し、この作品はWizardryという世界その物を描いた小説。
    例えWizというゲームを知らなくても、冒険ファンタジーとして純粋に楽しめる傑作。

  • 本書と、前作「隣り合わせの灰と青春」は日本におけるウィザードリィを語る上で決して外せない存在であろう。私はウィザードリィシリーズは何一つプレイしたことがないが、楽しんで読んだ。前作の登場人物が密に絡んでくるのがとても嬉しかった。前作のタイトルはどちらかといえば物語よりもプレイヤーが想起するものを意図してのネーミングだったように思うが、本書のタイトルはシナリオに基づいたもので綺麗にまとまっている。SFっぽくなった部分と、「不死王」の挿入箇所に若干不満あり。

  • ウィザードリィというタイトルに心トキめく世代として、この小説版のタイトルも同じく心に残るタイトルな訳で…

    でもいまだ読んだ事はないんだけど。

    何か言葉に出したくなる、詩的なタイトルだよね。

  • 聞いたことのない作家だ、どうせコンピューター・ゲームを基にした三文小説、などと努々侮ることなかれ。
    確かにRPG「ウィザードリィ」の世界を多少なりとも知らなければ理解し難い箇所や表現もあるだろうが、それを抜きにしても一級品の小説である。
    小説という様式を何も外すことなく踏襲しつつ、それでいて幸か不幸か(この本のケースでは明らかに幸の方だろうが)魅力的で伝統的な原典を持っているところが、何より物語の生命力をより強化している。
    語彙の選び方、章の積み上げ方、随所随所の盛り上げ方なんかに表れている筆力はともすれば名の通ったミステリー作家たちに遜色がないどころか凌駕している。
    デビュー作「隣り合わせの灰と青春」のカラーそのままに、さらに戦闘力が上がっている。

  • 間違いないです。

  • 読ませる魅力。褪せることなきこの世界。

  • 「風よ。龍に届いているか」の下巻
    終末の訪れるリルガミンにはたして
    奇跡は起こるのか?

    ハイファンタジーの傑作ここに完結

    サイドストーリーでもある不死王も
    同書に掲載。

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