すべて忘れてしまえるように: 少女監禁レイプ殺人犯と暮らした80日間
- ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2005年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789726399
作品紹介・あらすじ
男は6人の少女を誘拐し、性的虐待のすえ4人を殺害した。地獄を生き延びた女性による、渾身の告白。
感想・レビュー・書評
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これは酷い。
一言で言い表せないから、箇条書きする。
監禁された女性による、その生活の一部始終について証言された本。女性と言っても12歳だ。誘拐、脅迫、洗脳、虐待。暗い穴蔵への監禁。この本を読むと気持ちが悪くなる。体調が悪い人は避けた方が良い。リアルな劇物だ。こうした犯罪者は抹殺すべきだが、優生思想なのだろうか。犯罪は、人間の営為としては明らかに劣っていて、それを犯した犯罪者の社会復帰は可能か、必要か、望ましいか、欲望の暴力から隔絶した平和な社会を望むためには、重要な思考テーマだ。
せめてもの救いは被害者が生き残っている事。殺された少女も複数いた。支配欲を弱者に向け、子供を虐げる人間は悪だ。二元論は稚拙かも知れないが、これは断言できる。すべて忘れてしまえるように、被害者の回復と悪の根絶を願う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1983年ベルギー生まれ、サビーヌ・ダルディンヌは、12歳の時、誘拐・監禁(1mx2.3mの穴蔵)され、80日後救出された。(2人救出、4人は遺体で)「すべて忘れてしまえるように」、2005.9発行、松本百合子訳。被害者本人が再犯防止のため勇気を出して綴った書。淡々と抑制の効いたトーンで語られています。
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淡々と書かれれば
余計な事を思ってしまう -
サビーヌの精神力の強さに驚愕した。家庭できちんと愛されて育ったんだろうなと思っていたけど後半の方で書かれていた母親との確執のような記述を見てさらに驚いた。この人が生まれ持った力なのだろうか?
同時に、親に捨てられたと信じ込まされても、恨み言を抑え込んで「みんなに会いたい、愛していると伝えたい。」といじらしく手紙に綴っていた描写を読んで、人を物理的に支配下に置いた上で精神までコントロールするのは本当に簡単なことなのだろうと思った。これはなにも被虐待児や年端もいかない子供に対してだけのことではなくて、大人に対しても同じこと。今ニュースになっている、誘拐・監禁された人達、DVを受けている人達に対して「そんなひどいことされていたなら、なんで逃げないの?」という言葉がどれだけ見当違いで無意味で人を傷付けるか、ということを改めて強く思った。
桐野夏生の残虐記はこの本をかなり参考にしたんじゃないかと随所で感じた。 -
再読。
私はサビーヌではないから、彼女の恐怖や痛みを、完全に理解することはできない。
ただ、推察することしかできない。
そして、推察するだけでも、十分恐ろしく、辛く、おぞましい。
彼女たちが、今、平穏であることを祈るばかりだ。 -
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「めちゃめちゃ怖そうです」
山岸凉子ネタで引っ張ってしまいますが、「キルケー」「わたしの人形は良い人形」も再読出来ません。。。「めちゃめちゃ怖そうです」
山岸凉子ネタで引っ張ってしまいますが、「キルケー」「わたしの人形は良い人形」も再読出来ません。。。2014/07/23 -
「わたしの人形は良い人形」~!
実は 紹介して下さった「白眼子」が
わたしの人形は良い人形スペシャルに収録
されているので・・・それと...「わたしの人形は良い人形」~!
実は 紹介して下さった「白眼子」が
わたしの人形は良い人形スペシャルに収録
されているので・・・それと
「汐の声」を欲しいものリストに入れていました
うちの近所の図書館には漫画がほとんどないので 中古で、そのうち手に入れようと。
私は山岸凉子作品をあまり読んだことがない
ので レビューを読みながら
さらに収録されている作品が本によって違うみたいなので調べて・・・
「わたしの人形は良い人形」ってレビューでは よく出てくるから。
「キルケ―」という作品もあるんですね
チェックしてみますね
ありがとうございます。
2014/07/24 -
「さらに収録されている作品が本によって」
文庫化の時に同系列の話で纏めたりしているようですね。。。「さらに収録されている作品が本によって」
文庫化の時に同系列の話で纏めたりしているようですね。。。2014/07/24
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6人の少女が監禁・暴行され、
そのうち4人までもが殺された
ベルギー至上最悪の凶悪犯罪事件。
その生き残りの少女が、殺人犯と過ごした
80日間の記録を「自ら」綴った衝撃のルポ。
文章はお世辞にもうまいとは言えないし深みもないが、
犯人に脅され、犯され、傷つけられたその体験は
衝撃という言葉で表すにはあまりにも軽すぎる。
ちなみにこの犯人は本犯行の前に強姦で服役しており、
「模範囚」ということで罪を軽減されてシャバに出ていた。
本犯行後、死刑のないベルギーでは「終身刑」になったが、
一度脱獄に成功している。
最近自分の思想もマイルドになって死刑制度廃止にも
理解を感じ始めていたけど、こういう事例を知ってしまうと
何が正しいかなんてまたわからなくなってきますな…
成人した少女はいま、
犯人に何を思っているだろう。
「すべて忘れてしまえるように」
その願いはあまりにも重く、切ない。 -
これは酷い…
生きて帰れたのを喜ぶべきなのか、忌まわしい体験を悲しむべきなのか。 -
12歳の朝。通学中の私は、見知らぬ男に誘拐された
監禁生活の実態とその後の人生真実の告白
男は6人の少女を誘拐し、性的虐待のすえ4人を殺害した。地獄を生き延びた女性による、渾身の告白!
「メディアと政界を巻きこみ、世の中を震撼させた少女誘拐事件の渦中に、私はいた。奇跡的に生き延び解放されたあの夏からこれまでずっと、私はかたく口を閉ざしてきた。子供時代を乱暴に奪われた私が望んだのは、普通の女の子に戻ること、それだけだった。しかし世間はそれを許してはくれない」
淡々をした文章なので、あまり悲壮感とかが伝わらなかったのは訳がよくないのかな。 -
淡々とかかれているのが、余計に辛さを感じさせる。忘れたいけど、忘れられない、世間が忘れさせてくれないからこそ、このタイトルがついているのだと思った。
監禁事件そのものより、セカンドレイプとも言える、その後の生活を過ごしてきた戦いの日々を思って、涙が出た。