- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790715139
作品紹介・あらすじ
嘘や騙しをふくむ熾烈な駆け引きを展開するマチンガ。彼らのアナーキーな仲間関係や商売はどのように成りたっているのか。みずから古着を売り歩き、500人以上の常連客をもった著者が、ストリートで培われる狡知(ウジャンジャ)に着目して解き明かす。
感想・レビュー・書評
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著者が実際にタンザニアで古着を売る商人と一緒になって古着を売りながら調べたものである。マチンガについて知るために飲み会の費用を全額持ったが結局わからなかったという事例も書かれている。それぞれの商人からの聞き書きの部分はポイントを小さくしているが、字下げで引用してくれた方がよかったと思う。写真や表や図がある。
様々な本で一部が紹介されていて、博士論文の一部も入っている個人露店商売の集大成の本である。
タンザニアだけでなく、ほかの国の露天商を研究する上でも役立つと思われる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アフリカタンザニアで商人になった著者のフィールドワーク。
なんでこの本に興味を持ったのかわからなかったけれど内容は面白かった。
コミュニケーションがものすごく大事で、信用取引がなんかもう本当に大丈夫?って言いたくなるけれど回ってるんだからいいのかな。
これでやってけるんだなぁって思いつつ昔の日本もこんなところあったよなぁって。 -
誠実さ真面目さに重きが置かれず、
お互いに交渉(コミュニケーション)できるかが
大切な価値観ぎ面白かった。
でも、難しかったので腰を据えて再読したい。 -
図書館の返却期限の関係で、社会情勢の解説に重心を置いた中盤は飛ばし飛ばしになっちゃったけど、それでもなんだか凄まじいものを読まされておなかいっぱい、ていう気分。世界の広さ・複雑さと、人間のわかりあえなさが心底怖くなったのと同時に、自分が生きていける隙間もどこかにあるのかもしれないと思えてちょっとだけ気が楽になった。
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成程、中に入っての知見とはという感じで非常に面白かった。見えてくるのは都市部の路上にいる物売りに対するこちらのステレオタイプな見方以上に内部は多層であるのと同様、ステレオタイプな見方を衣装化してる現実。著者が書いている通り観測による変質があるし再現性の面で限界があるけれど、時事面の点も含めて興味深い。
個人的な感想。各人のエピソード読むと何故か巷説百物語思い出した。
ところでアフリカだとウサギが狡知の象徴なのに、ビックリ。 -
■ 内容
グローバル資本主義システムの末端で、零細商人マチンガが日々織りなしている商世界の実態を開示し、その商世界を維持・再生産している独自の人間・社会関係と商慣行を、彼らのミクロな商実践に注目して明らかにしている。〔P312より〕
■ 感想
一見、非合理で倫理に反する様に写る、マチンガの様子(マリ・カウリ取引/ウジャンジャ)にも、合理性や倫理的なつながりがある事がよくわかった。
日本、アメリカなど先進国と言われる国では、資本主義やそれに紐付く商慣行が行き渡っている。それは、とても合理的で恵まれている一方で、それにより人々の想像力や生き抜く知恵(本書で言うウジャンジャ的なもの)を身に付ける機会を失っているとも言える。
先の読めない現代、本書を通じて、タンザニアのマチンガとウジャンジャの実践を観て行く事で、我々は多様性を持って様々な課題に取り組める、キッカケになる様な気がした。
■ 更に
特に、タンザニアの若者がストリート教育の中で、ウジャンジャを身に付ける様子が印象的だった。我々も、仕事をする上で様々な知識やスキルを身につけていく。それらのうち、体型立てて学べるものはごく一部であり、その多くは実践と体感で身に付けていくものだと思う。ある意味、それは本書で書かれる「ストリート教育」と「ウジャンジャ」の関係に近いと感じた。 -
◆10/18オンライン企画「なぜ人はあいまいさを嫌うのか〜コントロールしたい欲望を解き放つ〜」で紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=t2KA8IjVT9U&feature=youtu.be
本の詳細
https://sekaishisosha.jp/book/b353879.html -
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