こころの整理学: 自分でできる心の手当て

著者 :
  • 星和書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791106400

感想・レビュー・書評

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  • 講談社現代新書の『迷う心の「整理学」』の改訂版であった。それを知らずに注文してしまった。出版社も違っていたし…。

    本書には、河合隼雄の推薦文も掲載されている。こちらのほうが決定版であり、読むなら本書だけでよい。

    あらためて読み直してみたけど、良書である。患者さん(俺も含む)がセルフヘルプとして十分に活用できる。

    さりげない記述の中に、著者の叡智が込められている。
    ガチガチの理論派、頭デッカチのセラピスト(俺も含む)に読んでほしい。

  • また読み返そう。心がモヤモヤざわざわギューッとしたとき、いっぱいいっぱいな時。1人でも読みながらワークできるし、これをやりたい人と一緒にやってみたいなぁ。

  • 悩みは必ずどこかに収まりたがっている

    人間には理解されたいし、理解してすっきりしたいという社会的な基本的欲求があり、しっかり理解されると心がやすまり心が膨らみほかの問題や気掛かりなことは小さくなっていく。心がやすまると人間が本来持っている自然によくなろうとする自然治癒力が発動しやすくなる。

    固い理屈や理論より詩や散文のほうが言葉や理屈よりはるかに患者さんの心に直接訴えかけることができるようです。詩には言語にするための頭の働きや言語と言語を結合させる論理や理屈や理論という心を疲れさせる要素が少ない。心と心のふれあいを増幅する。

    心の傷に包帯を巻くのは体に巻くより難しい

    多くの引き出しのある収納箱にひとつひとつ苦しい気持ちを入れてその上にラベルを貼って心の横にそっと置いておく

    因果モデル・・原因
    自分の欠点ばかり見えてしまう
    頭で考えてもだめ
    自分を責めてしまう
    なぜの鼠算
    相手のせいにしてしまう

    意味モデル
    治療者と患者の間に溝がある

    関係モデル
    問題との距離が保てない
    心・・自然、考え・観念・思想・・人工物

    忙しい・・心を亡くす

    よくなるイメージの敷居を低くする

    心が整理できないと不眠になる

    回復の大まかな順序としては気分の悪さや不眠や食欲という大脳の発達から見れば低次元のものから回復しやすく6ヶ月ぐらいで50%くらいの回復があれば順調すぎ、その次は半年から一年かかるプラトー状態に

    治療的関係において大切なことは小さくてもよいから達成可能な希望の光を患者さん治療者双方が持ち続けることである

    兎コンプレックス・・戦後民主主義教育、個人の自主、独立、自立、自由、自己決定が許されているにもかかわらず日本人はそれらを体質的に使いこなせるまでの自分が育っていない。どう自立的に自由に生活すればいいのかわからない。自主自由を歌われるほど内的に進行しているのは自己決定ができない弱さからくる驚くほどの価値の均一化。「兎になれ兎になれ、よい子になってよい学校に入れ。亀はいけない」

    スーパーマンコンプレクス・・何もかもできなければ人でない。やがてぷつんと切れる。

    普通の人はある程度兎と亀の両方を持っている顔だけ兎、忙しそうな顔をしていて服の下は全部亀だったりする。それでバランスが取れるものだが中には兎でぷつんと切れあわてて心の中に亀を探してみてもどこにも亀がいない人や亀を無意識に拒否し続ける傾向を持ってる人もとても多い。

    滅私奉公、不眠不休、精神は無限・・不合理盲目的精神主義的な旧態依然とした考えが人を殺す!

    延長上に落ちこぼれ、勝ち組負け組み。それで患者は涙を飲む

    自己への復帰なくして社会復帰を考えるのは底のない容器に水を入れるようなもの


          実践

       1、心の点検

    1、気掛かりの点検

     1

    楽な姿勢、目をつぶり、できるだけゆっくり指折り数える
    深呼吸もはさんでみる、リラックス
    最初は60&。慣れたら7,80%へ80%以上はだめ
    問題同士の関係は考えない、理屈、評価はしない
    小さなことでも大切にする

    1,2分眺めてみる
    その問題を適当な距離から眺める
    実際に体を動かす、自分は第三者になって単純な感想を浮かべる
    三回くらい繰り返す


    2、心の収まり場

     2

    まず深呼吸
    問題はどこに収まるか聞く、問題が動くまで待つ
    知的な分析は加えない
    自分から何センチくらいかを思い浮かべる
    ぼーっとしとく
    5,60%くらい収まったら深呼吸
    体を動かし、重いうかべたほうの自分に、返事をする
    繰り返す、多くて三回


    3、問題が動く感覚をつかむのに

     3

    二人の人A、B
    AがBに対して落ち着けるとこに
    Bが・・
    Aが・・
    を繰り返す

     4

    2や3のような感覚を紙に書いてみて、その整理図に対して気が済むように処分する。
    たとえば焼いたりすてたりここは切ったりとか
    B4,A4の紙の中央に自分をマーク
    深呼吸してリラックス、収まり場を見つけてしるしを。見つかるたびに深呼吸
    60%くらいで処置をきめる。その場でできないなら、メモをしといて跡で行う。
    2,3回続けるとわからなかった収まり場が見つかるよ
    自分の位置が変わるかもしれないよ


    4、空想

     5

    深呼吸、リラックス
    思い浮かぶ問題を包み込んで心の隅のほうに置けるような容器を空想してそれに包み込み、心の隅のほうにそっと置いておく。
    一つだけ包んだり4,50%ほどくらい包めたらいいよ。
    気掛かりなことを丁寧に包み込み、置いていく事を繰り返す。時々深呼吸
    横から眺めてうなづいてあげる
    ・容器は視覚的なほうがリラックスしてる証拠
    ・包んだ中身は空けずにそっとしておく。生々しくても時がたてば風化するからだよ。
    ・はみ出したら新しい入れ物を発見してね。
    ・ちょっとでも包めればそれで十分だよ。
    ・問題にまつわる感じまで包み込めたらぐっどだよ。



    収まる場面を想像する。空の上、森の木のようなところ、など
    その場面に容器を入れる。場面が自然に出てくるのを待って、次に容器を想像して問題を収める。
    たとえば対人であがってしまうのはイメージの混乱、障害。気掛かりなことの多くは内的イメージの障害。治療的なイメージで修正できる。気持ちの不安は空想。収まり場所はなかなかうまくいかないよ。ひとつの問題で終わってもよし。
    特にリラックスしたほうがよいワーク。
    気になることを思い浮かべ、おき場所を想像。包み込めれば包み込み、おく。
    深呼吸。
    横から眺めてうなずく。
    気が向いたら絵にしてみる
    処理する


    パート2
    自分本来の生き方を邪魔する虫がいる、その病気は自分の性格などとは無関係にする
    とんでもないやつだとする、一枚の絵にしてみていいたいだけのクレームをつける
    すると問題を抱える主体が回復する
    〜病、〜虫とつけてみる。焦り病、寂しがり病

    ワーク7
    感じている問題に対し、言葉でなく音を思い浮かべる
    親しくなるほど音色の部分が拡大、意味の部分が低下
    女子高生がぴーぴーしてるのはそのせい

    深呼吸、音を思い浮かべる、メモをとる、体を動かしOKサイン
    メモはお好きに


    ワーク8
    今感じてる音を声に出す・・それはそれとして、自分は・・・を繰り返す。


    ワーク9
    嫌な自分は悪いと思うと、気持ちについての免疫力が低下し、不安定に
    自分の不の気持ちに通路をつけて、心の底辺を広げると同時に、不の気持ちに免疫力をつっける

    負の気持ちを音にする手順は8と同じ




    意味を考えると頭の作用が強くなって心が動きにくくなる
    やさしいうたをうたうか!

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著者プロフィール

1945年生まれ。
九州大学大学院博士課程修了。
同大学教育学部助手を経て、産業医科大学医学部医学心理学教室准教授。教育学博士(九州大学)。
同大学病院精神・神経科および産業医実務研修センターを併任。

日本心理臨床学会常任理事、同学会倫理委員長、編集委員などを歴任。
日本臨床心理士会全国区代議員などを務める。

産業医科大学退職後、九州産業大学国際文化学部教授を経て、
現在、東亜大学大学院客員教授。

「2022年 『精神療法でわたしは変わった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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