親の依存症によって傷ついている子どもたち

  • 星和書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791109500

感想・レビュー・書評

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  • 読了するのにだいぶ長いことかかってしまった。
    普段は本を読むのがやたら速いのだけど、こればかりはさっと読み飛ばしてはいけないことばかりだったので。深く味わって読もうと思うと相応の時間がかかる。

    著者は、依存症の家族を持つ子どもを支援する機関でプログラムを運営されている方で、アメリカでは依存症治療の世界でこの名前を知らない人はいないのだそうだ(訳者あとがきより)。

    実際に著者が出会ってきた子どもたちとその家族について、そこで何が起こり著者とスタッフたちがどのように援助してきたのか、たくさんの事例が紹介されている。どれも深く考えさせられるものばかりで、一部の人しかまだ利用できていない実態とのことではあるもののこのようなプログラムが行われ、子どもたちの安心感や自尊心の育ちが援助されているもいう事実が眩しい。著者たちの実践は素晴らしく(もちろん、素晴らしい事例を中心に紹介していることもあるのだろうが)、何より著者の情熱と柔軟性と童心が心に響く。

    さらに巻末には実際にプログラムで用いられるワークが紹介されているという大盤振る舞い。いかにもアメリカっぽい内容なのてそのまま日本で取り入れるには難がありそうだけど、自分の状況や感情に向き合いエンパワーメントされる機会が必要なのはどこの子どもも同じ。依存症に限らず子どもの支援を行う立場の人は心して読むべきだと思う。

    訳文もこなれていて読みやすかった(翻訳が読みにくいと集中できないタチなのでこれはありがたかった)。

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著者プロフィール

アメリカ、カリフォルニア州にあるベティ・フォード・センター子どもプログラムディレクター、NACoA(National Association for Children of Alcoholics)ボードメンバー(理事)。アディクションによって傷ついた子どもたちへの援助の専門家として、全米のみならず世界的に知られ、その業績に対してAckerman/Black賞他多くの賞が授与されている。彼のつくった援助プログラムは全米のニュースやドキュメンタリー番組で紹介され、2011年にエミー賞を受賞。2018年にはHRI(Healing&Recovery Institute)の招きで来日しワークショップを行う。本書の訳者とは20年以上にわたる親交があり、『親の依存症によって傷ついている子どもたち 物語を通して学ぶ家族への援助』(ジェリー・モー著、水澤都加佐訳、星和書店)を2017年に出版した。

「2019年 『こころの力を育てる言葉 366』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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