現代思想 2021年9月号 特集=<恋愛>の現在 -変わりゆく親密さのかたち-
- 青土社 (2021年8月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791714186
感想・レビュー・書評
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クワロマンティック宣言 中村香住
こちらの文章が読んでみたく、図書館より拝借。次はこの中の参考資料を読んでみることにする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容を詳しく語ろうとすると自分のプライベートな部分に触れることになって、気恥ずかしいのであまりたくさんの感想は書けないのだけど……
今の社会で常識とされている恋愛の要素ひとつひとつのあり方って、古典のようでいて実はとても近代的(というか戦後に作られたとても新しい価値観も多い)。
薄々そうだろうなぁとは感じていたけど、自分が「自明のもの」と思ってた事柄まで実は社会的に方向づけられたものだった……っていうのは新しい発見だった。
おばさんになった今、若い頃の自分の感情を思い起こしながら読んだ部分もありつつ、今現在恋愛のことで悩んでる若人たちに「こうやって真剣に研究してる大人がいて、彼らの行き着く結論はあなたたちのつらさを和らげてくれる道を示してくれるかもしれないよ」って伝えたくもある。 -
自分のイメージする、いわゆる世間で言うところの〈恋愛〉の認識を、ジェンダーや、時代背景を踏まえた文化的な側面からもう一度考え直せた
"或るべき、正しいと思われる"認識のされ方ではなく、しかし世間、メディアによって当然のものとして染み付いてるイメージはそこらじゅうにある -
アンジェラ・チェンのセクシャル本
『ADE』や上野千鶴子と信田さよ子の
対談本『結婚帝国』を読んでいて
何気なく本書を発見し、
図書館でバックナンバーを探してもらった。
谷本奈穂の「ロマンチック・ラブ・
イデオロギーというゾンビ」という言葉は、
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
「戦争は女の顔をしていない」、
信田さよ子「家族と国家は共謀する」
という言葉と並ぶ名言に思う。 -
初現代思想。これがなかなか面白かった!
一番学びを得たのは、自分の価値観だけで決めつけてはいけないということ。世の中にはさまざまな価値観のひとがいるし、それぞれの苦しみがある。正直一番衝撃だったのはポリアモリー(複数愛)について。わからないことだらけなので、もっと当事者の方々の声を聞いてみたい。
そして読んでて思わず泣いてしまったのは、「ゴースティング試論」だ。いわゆる音信不通になって消えてしまう人、状態のこと。自分の苦しみを思い出してしまい、また自分以外にも苦しんでいる人がたくさんいることを知った。こうやって研究されていることにも驚いたが、苦しんでる人は是非読んでみてほしい。 -
『クワロマンティック宣言』が特にすき
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気の置けない友人と話していたら、会話の中で「デミロマンティック」という言葉がでてきて、興味を持った。聞けば、この本を読んだと言うので私も読んでみた。
○これからの恋愛の社会学のために
80年代以降の恋愛の社会学のまとめと、今後について話し合われていた対談。あまり詳しくない自分にとって、ざっくり流れを整理してもらうのにとても分かりやすかった。家族たちと話していて恋愛観の違いに辟易してしまうことがあったけど、この対談を読んで、って言えたらいいな〜って。個人的に救われたのが、永田さんが家族にしか担いえない特別な人間関係はないと考えている、と仰っていたこと(P21)。
○クワロマンティック宣言
「クワロマンティック」という言葉を知らなかったけれど、この概念?説明?に触れられて本当によかった!ぼんやりと目指したかったパートナーシップについて詳しく言語化していただいた気分。関係性の種類って、付き合う人たちの数と同じだけあるよね、みたいなことを思っていたけど、ここで言われていることに近しいかな。
石井ゆかりさん、清田隆之さんのエッセイも合わせて読んで、「恋愛」というものがどんどんぼやけている時代なのかな〜って。周囲の人たちに恋愛についてああだこうだ言われて腑に落ちないことがよくあるけど、少しずつ手助けしてくれるような文章たち。
恋愛とか人を好きになる気持ちに名前をつけて切り分けるってなんの意味があるんだろう、と思っていたけど、学問として研究するなら切り分けないと論じるのは難しいんだろうなーと。あと、これは知識不足ゆえの疑問だろうけど、LGBTみたいな性向とデミロマンティック、クワロマンティックみたいな性向って同列に扱えるのかしら?って思った。後者の方が個人内でも成長とともに変化したりしそうだからかな。 -
【特集】〈恋愛〉の現在
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まだ3分の1くらいしか読んでない(だってちょっと難しいんだもの)んだけど、すんごくおもしろい。
恋愛ってなんだっけ、と、これまでの恋愛観が覆されたり、深掘りされたりしながら、そうか、そういうことだったか、と驚くような発見があったり。恋愛なんて感情爆発の最たるもの。論じられてもねえ、、なんてな感じで読み始めたけれども、だからこそツッコミどころ満載なのかも。
ラランド・ニシダさんもおすすめ、荻上チキさんも昨年の3冊、に選んでいたので、買ってみた。ゆっくり読み進める。 -
巻頭にある高橋さんと永田さんによる討議がめちゃくちゃ良かった。 恋愛とは何なのか、ということを考えるときに頭がぐちゃっとしてしまっていた部分を丁寧に、複雑さを保ったまま整頓してくれた感じ。
一口に「恋愛」といっても切り分けないといけないものがあまりにも多すぎる。