エクラ/ブーレーズ響き合う言葉と音楽

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791762514

感想・レビュー・書評

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  • 作曲家ブーレーズが、時代を問わず作曲家、音楽学者、演奏家、社会学者、文学者、哲学者、振付家などが書いた文章にレスポンスする形で行われたインタヴュー。

    もちろんブーレーズ自身、知性の塊のような作曲家ではあるのだけれど、なにより感銘を受けたのは、これはブーレーズ個人だけの話ではなく、この本のむこうに透かし見えるヨーロッパ文化においては、一時の流行いかんにかかわらず、知性が連綿とつながっているということ。

    つまり、生きていようが死んでいようが、時代が隔たっていようが、ルソー、パウル・クレー、カフカ、ボードレール、マラルメ、ブルデュー、ドゥルーズ、ミシェル・ビュトール、そして生前のブーレーズがともに仕事をしたことのある人たちまでが、同じ土俵に並べられ、生者と同じように参照されているのだ。
    日本なら、まあ昔の人だから、で祭壇にでもまつられて済まされる話を、本書を支える文化は、例えばルソーの文章をを改めてほじくり返してよみがえらせ、批判してみせるのだ。

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著者プロフィール

(Pierre Boulez)
1925年生まれ。フランスの作曲家、指揮者。第2次世界大戦後の西欧前衛音楽界で指導的役割を果たし、また20世紀音楽を中心に傑出した指揮活動を展開。フランス国立音響音楽研究所(IRCAM)創設者、初代所長。日本語訳に『意志と偶然』『魅了されたニューロン』(法政大学出版局)、『ブーレーズ音楽論』(晶文社)、『参照点』(書肆風の薔薇)、『クレーの絵と音楽』『ブーレーズ作曲家論選』(筑摩書房)、『現代音楽を考える』『標柱』『ブーレーズは語る』『エクラ/ブーレーズ』(青土社)、『ブーレーズ-シェフネール書簡集1954-1970』(音楽之友社)、『ブーレーズ/ケージ往復書簡1949-1982』(みすず書房)がある。2016年1月5日逝去。

「2020年 『ブーレーズとの対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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