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- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791762514
感想・レビュー・書評
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作曲家ブーレーズが、時代を問わず作曲家、音楽学者、演奏家、社会学者、文学者、哲学者、振付家などが書いた文章にレスポンスする形で行われたインタヴュー。
もちろんブーレーズ自身、知性の塊のような作曲家ではあるのだけれど、なにより感銘を受けたのは、これはブーレーズ個人だけの話ではなく、この本のむこうに透かし見えるヨーロッパ文化においては、一時の流行いかんにかかわらず、知性が連綿とつながっているということ。
つまり、生きていようが死んでいようが、時代が隔たっていようが、ルソー、パウル・クレー、カフカ、ボードレール、マラルメ、ブルデュー、ドゥルーズ、ミシェル・ビュトール、そして生前のブーレーズがともに仕事をしたことのある人たちまでが、同じ土俵に並べられ、生者と同じように参照されているのだ。
日本なら、まあ昔の人だから、で祭壇にでもまつられて済まされる話を、本書を支える文化は、例えばルソーの文章をを改めてほじくり返してよみがえらせ、批判してみせるのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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