映画はおそろしい 新装版

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 57
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791770915

作品紹介・あらすじ

すべての映画はつまり、ホラー映画なのだ。
ホラー映画をこよなく愛し、前人未踏のホラーを撮り上げた現代最高の映画作家が語る、映画のこわさ、映画のふしぎ。「ホラー映画とは何か」にはじまり、ホラー映画ベスト50、生涯映画ベスト10、敬愛する監督たちに捧げるエッセイから映画祭滞在記まで。全作品録を大幅増補し、待望の復刊!

感想・レビュー・書評

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  • 大変に面白い内容でした。

    めちゃくちゃざっくり言うと、映画監督、黒沢清氏のエッセイ集なんですが、映画の話題がメインなんですが、それ以外の話も色々と載ってます。「映画はおそろしい」が、それでもやっぱり「映画はおもしろい」ですし、それこそ黒沢さん、あんた自身が「おそろしい」し「おもしろい」ですよ、って言いたくなった。いやはや、お見事でした。

    黒沢清氏自身が映画監督なんですが、その映画監督が、まあまあ、他の映画監督の作品を「あの作品は全然おもろなかったね」とか「アレはマジで期待外れ」とか、まあまあ辛辣に言ったりしてるんですよ。そこにまずビビった。「え?そこまで言っちゃいますか?」って感じで。よっぽど自分に自信がないと、んなこと言えないでしょ、普通。この、波風立てることを恐れない姿勢。憧れます。

    で、確かに黒沢さん、他の映画に容赦なくダメだししたりしてるんですが、それがねえ、なんか、イヤな言い方じゃないんですよね。そこがお見事だな、ってね、思いましたね。文章が、イヤっぽくないんですよ。堅苦しさとユーモアの絶妙な融合、ってな感じというか。「え?黒沢さん、めっちゃ文章上手くね?スゲエなあ、、、」って、感心しながら読んでました。ホンマ、良い文章なんですよ。大尊敬。

    ちょうど、ファミコンからスーパーファミコンに移行する時期らへんの、ゲーム批評とかゲーム体験記とか、面白かったですねえ~。「ドラクエⅡ」のリアルタイム体験!まさに分かる!って感じ。あと「ポピュラス」とか、「シムシティ」とか笑。ナツい。ナツすぎる。僕もあのあたり、リアルタイムで楽しんでた派なので、これまた気持ちが分かりすぎる笑。

    いやしかし、ホンマに文章が面白い。ココがまず、やっぱ感動。映画監督としてもあんだけ凄いのに、文章家としてもココまで見事なもんかね?というね、その驚きが、とてもグッドでした。黒沢監督の映画、また色々と観たくなったなあ~。いやあ、素晴らしい映画監督ですよね。

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