- Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791771042
作品紹介・あらすじ
藤井聡太七段が受けていたことで脚光を浴びた
「モンテッソーリ教育」。その教育のエッセンス
がわかりやすく書かれた晩年の著作を復刊!!
モンテッソーリ教育の原理を説きながら、同時に新しい世界と子どもについて語る、モンテッソーリ教育の入門書。
感想・レビュー・書評
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モンテッソーリ本人が考えていたことをよりそのままの形で知りたいと思い、この本を読んだ。
翻訳が丁寧で読みやすく、また注釈も内容が充実している。それぞれの説明の出典・参考図書まで記されており、至れり尽くせりと感じた。
内容については、他のモンテッソーリ教育の本で得た知識と照らし合わせて、同じだと思ったところが多かった。これは予想通りで、他の本に書かれていることの裏付けになり良かった。
同時に、初めて知る単語や考えもいくつかあった。「ムネメ」や「ホルメ」などは中でも特異な概念に感じた。現代のモンテッソーリ教育の本では触れられていないところからすると、科学の進歩により淘汰された概念なのかもしれない。
また、「精神的退行」について説明する箇所では、「こういったタイプの子供は退行の兆候が見られ、生存競争のなかでは他よりも劣っていることは確か」「喜びや勇気や正常な幸福を得ることはできないでしょう」と強い言葉で特定の様子の子どもをネガティヴに表現しており、驚いた。
現代の視点から見ると、この特定の様子の子どもは自閉症や発達障害などの目に見えない障害を持った子どもたちの可能性があると思う。自閉症の発見が1940年代と、モンテッソーリの晩年であるので、おそらくモンテッソーリはこのような障害のことは念頭に無かっただろう。
(モンテッソーリ教育の源流は知的障害児の治療と研究だというので、少しは感じ取っていそうなものではあるが……。)
ともかく、「科学的な教育法である」と自認する通り、全ては当時の科学を基にしたものなのだろう。現代を生きる私たちは、モンテッソーリ教育の思想を受け継ぎつつ、モンテッソーリ本人の「科学的根拠を基にする」信念を引き継いで現代の科学的知識でもってその教育法をアップデートしていくことが必要だと感じた。
全体を通しては大変ためになった。子供の援助者として行動していたつもりだったが、本書を読んだあとでは私はまだまだ介入が多すぎており、また子供に「こうあってほしい、こうしてほしい」という勝手な期待を持ちすぎていると感じた。
子供の悪さ(と、私が勝手に思っていること)をたしなめる前に、悪さを作らないよう環境を整え、何が起こっても自分がカバーしてみせるという意気込みを持って子供と向き合いたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モンテッソーリの根本的な部分を認識することができた。
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話題のモンテッソーリ教育で有名な、モンテッソーリさん本人の書籍。後発のハウツー本が多い中で、基本的な考え方をじっくり語っている大切な本だとは思うんだけど、なにぶん文書がゆったり丁寧に長々としていて、子育ての隙間にササっと読む感じでは、全然ない…。妊娠中にゆっくり時間が取れる人は手にとってみてもいいのかも。
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