自然の中に隠された数学 (サイエンス・マスターズ 5)

  • 草思社
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本棚登録 : 88
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794207203

作品紹介・あらすじ

私たちはパターンの織りなす宇宙に住む。惑星はきちんと軌道をめぐり、ヒョウはいつも斑点の模様だ。さらに、でたらめでとらえどころがないと思われていた現象にも、複雑な秘められたパターンが見いだされつつある。この世界には一体、どんな法則が隠されているのか。カオス理論から複雑系の科学まで世界の謎をとく鍵を示し、自然認識の変革をせまる。

感想・レビュー・書評

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  • 1996年刊行。

     自然現象の中に含まれる数学をイメージしやすい叙述で説明していく。
     訳文がいいのか、著者の表現が巧みなのか、門外漢にも非常に読みやすい。特に、対称性、その破れの説明は旨いし、パラレルワールドがありうるかもしれないと感得させられてしまった。

     さて、「潜在的には宇宙はいかような対称的システムの状態をもとりえた…が、現実には…一つを選ばなければならなかった…。残った対称性こそ私たちがパターンとして観測している…もの…。自然界の対称的パターン…は、右に述べた…意味での対称性の破れという…仕組みから生まれる」。という指摘。いわゆるマルチバース仮説そのものであろうが、こういう平易な言い方をしてくれると捉まえ易いなという印象が残るところ。

     なお、スチュアートの他の書籍も読んでみたい。

  • 自然の中には、様々な美しい数学的パターンが隠されているとして、カオス理論、複雑系理論までを説いています。自然が今までとは違った眼で見えるようになる本です。

  • 恐らく、かなり難しい数学の話題を一般人にも分かるように噛み砕いて書かれている、と思われる本。なぜ、こんな歯切れの悪い評価になってしまうかというと、最後まで読んでみたけど著者が言いたいことがイマイチ理解できなかったからです。

    紹介されてるテーマそのものは面白いのです。ただ、それを文章だけで理解しようとしたらかなり難解で、実際に理解できなかった部分もいくつかありました。

    数式や図を使うことで、数学への敷居を高くしてしまうのではないか、という懸念が著者にあったのかもしれません。が、数式や図でこそ理解しやすいテーマもあると思うのです。文章もあるけど数式や図で補足もする(数学の場合は逆なのだと思いますが)、という構成だったらもう少し分かりやすくなったのではなかろうか、と思うと、やや残念なつくりとなっています。

  • タイトルからはわかりにくいが、複雑系科学の本。その中でもカオスについての話題が多かった。かといってガッチガチ専門的な内容ではないので、複雑に関するだいたいの枠組みがわかっていれば読めると思う。その他、細かい法則などでわからない部分があっても、とりあえず白目になってスルーしたらOK。(というか、とりあえず私はそうしました…汗)
    逐一立ち止まるよりも、読み進めた方が面白い本だと思う。意外と爽やかで、楽しめる雰囲気だった。
    読んでみて、著者のファンになってしまったので、新しく本を購入した。(『数学で生命の謎を解く』)
    また、ブルーバックスでも著者による現代数学入門書の翻訳が出ているみたいなので、白目になっちまった部分を補填するのも良いかもしれないなぁ。

  • 思っていたのと少し違ったためパラパラと読んで終りにした

  • たぶんかなり高レベルな現代数学の話を一般にわからせようという名著。この著者は本当に話がうまいし頭がいいなぁ・・

  • カオスから複雑系まで、共通する数学の構造から多様な現象を貫く単純な原理が明かされる。ホタルがいっせいに明滅する現象とムカデの歩行が同じ仕組みのものとわかる。
    ’96年版中古書

  • [ 内容 ]
    私たちはパターンの織りなす宇宙に住む。
    惑星はきちんと軌道をめぐり、ヒョウはいつも斑点の模様だ。
    さらに、でたらめでとらえどころがないと思われていた現象にも、複雑な秘められたパターンが見いだされつつある。
    この世界には一体、どんな法則が隠されているのか。
    カオス理論から複雑系の科学まで世界の謎をとく鍵を示し、自然認識の変革をせまる。

    [ 目次 ]
    プロローグ 数学者の見る夢
    1 パターンの宇宙
    2 自然の謎をとく道具
    3 証明という名の織物
    4 カオスの秘宝
    5 バイオリンからビデオへ
    6 破れた対称の美学
    7 生命のリズム
    8 サイコロは神になれるか?
    9 複雑系の単純さ
    エピローグ 数学者は眠れない

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 自然の中の代数。もっと専門的な題材に深まっても頑張って付いていくのに。

  • ちょっと想像とは違った本だったけど、それなりには楽しめた。複雑系やカオス理論といったとっつきにくい科学を分かりやすく説明してくれる良書だとは思う。数学的な記述に頼らず分かりやすい言葉で説明してくれるので文系の人でも読めるんじゃないかと。ただ、著者が何を言いたかったのかが全く分からなかった。

    それから訳がイマイチ。もう少し分かりやすい訳なら理解が深まっただろうし、この訳のせいで理解できてなかった部分もかなりあるんじゃないかな。

    つーか、この訳って文学的というかちょっと難しい単語や難解な言い回しが多いので、むしろ文系の人の方が取っ付きやすいのかもしれない。。。それって数学啓蒙書としてはアリなのかな???

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著者プロフィール

ロンドンの建築工学設計事務所、デーヴィス・マグワイア・ホィットビーの技術者。これまでの主なプロジェクトに、ロンドン中心部のBBC本社ブロードキャスティング・ハウスとテート・モダンⅡギャラリーがある。また、シエラ・レオーネに図書館や文学センターを支援する目的で設立された産業関連慈善団体CODEPにも参加している。グラスゴーのストラスクライド大学で構造力学の博士号を取得。

「2012年 『橋の形を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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