奇跡を呼んだ猫たちのおとぎ話

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794208774

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  • 「それでも一人で歩く猫」(イングランド)
      ルドヤード・キプリング 『本当らしい物語』 1929

    あんたはぼくを3回ほめた。沈黙の魔法も無意味だった。だからぼくは安全な洞窟の中で、暖かな火のそばで、一日三回のミルクをもらって暮らすんだ。いつまでもいつまでも。

    でもね、それでも僕は一人で歩く猫だ。どんな場所でも、一人で歩くんだ。覚えておいて。

  • 物語の中での猫を“たましいの顕現”としてさえ捉えていたのは、河合隼雄氏であったが、古代エジプトで猫神として崇められていた歴史をふりかえるまでもなく、その神秘性ゆえか、確かに猫の登場するお話というか物語は少なくないですね。
    という私も、本でいわゆる“猫もの”までも意識するようになったのは、猫が家にやって来てからなわけですが(笑)

    さて、本書は、アメリカのジャーナリストであるジョン.R.スティーブンスが集めて編集した猫のおとぎ話の主だったものを池田雅之氏が訳出した、猫にまつわる世界の童話をいろいろ楽しめる一冊。

    猫の登場する童話といえば、フランスのペローによる『長靴を履いた猫』であろうが、この本ではまず“長靴をはいていなかった頃”のお話も紹介されている。どうやら、ペロー以前にはイタリアのお話にあり、原型はかの古典『デカメロン』あたり、話の起源となると、ジャッカルを主人公にしたインドのお話にまで遡るようだ。
    まあ、こういう説明は小さい文字で記され、本文では、以下様々な国のおとぎ話が、内容によって分類されて、語られていくのだが、類型的な面は性質上まぬがれられないものの、おとぎ話というのは、やはり面白いですね。
    もっと更にまた、猫の出てくる伝承話を知りたくなる一冊でもあります。

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