- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794209313
感想・レビュー・書評
-
・もはやメッセージを伝えるスタンスには意味が無い。それどころか、伝えるべきメッセージなどなく、大事なのは情報を分かち合い、質問すること。「学ぼうとする会話」をすること。
・わたしたちは人の意図がよくわからないにも関わらず、それを悪いものだと決めつける。
・責めでも何も生まれない。問題の本当の原因を明らかにし修正するための妨げになってしまうから。攻めは往々にして的外れでアンフェアだ。
・自分の結論は偏ったもので、自分自身の利益を反映している。
・いうまでもないことだが、私たちは知らないことは知りようがない。だが必要なことはもう全て知っていると思い込むよりも、私たちが接することの出来ない重要な情報があると考えるべきだ。そのほうがより事実に近い。
・相手のストーリーを理解するには、好奇心を持つこと。
・誰が正しいか?ではなく、互いに理解し合った上で、この問題にどう対処すべきか?
・「なおかつ」のスタンスは、この世界は複雑なものだという前提にもとづいている。自分と相手の2つのストーリーを手放してはならない。両方取り入れること。それが「なおかつ」のスタンスだ。
・ただ正しいだけではあまり意味が無い。自分への影響について話し、相手のストーリーを聞く。
・わたしたちの思考はあまりに自動的なので、自分の結論がただの想定であることにすら気づかない。
・行為と影響と意図(想定)を切り離す。
・「わたしたちはそれぞれ何をしたせいで、いまの状況をもたらすのにどのように加担したのか?」「私たちはどうすればそれを変えられるか?前に進んでいく時、私達はそのシステムをどうすることが出来るか?」
・私達はしばしば1番重要でないことを伝える。自分自身に「1番重要なことの確信にあるものを伝えているか?危うい状態にあるものを伝えているか?」と尋ねよう。もしそうでなければ、なぜかと自分に尋ね、そうするだけの勇気を見つけられるかやってみよう。
・よくありがちな、むりもない幻想(理想的な夫や妻、完璧な同僚というものはら何も言われなくてもこちらの心を読み取って、要望に答えるべきだ)がある。残念ながらそんな人は存在しない。誰かがこちらの心を読み取ってくれないことに失望するのも、問題に対する私たちの加担のひとつである。
・相手に責めをおわせたい時、口には出されない強い感情に刺激されていることが多い。そういう時は、自分にとって「私はどんな感情を伝えていないか」「相手は私の感情を認めているのか」を探る。こうすることで、攻めから加担の枠組みへ移行する。
・相手の加担は変えられないが、自分の加担は変えられる。
・個人史から生じた態度の違いを正しいか誤りかの問題として扱うことは、多くの素晴らしい関係の終わりにつながりかねない
・上手くいく関係というものは、人生に対する態度がすれ違ってるときには誰も責められないと知ることから始まる。人と人は違っているのだ。一緒にいたいと思うなら、時には自分の好みを抑えて妥協しお互いの中間をとることも必要である。
・誰を責めるべきかという問題から離れたい時は、自分自身のかたんを早いうちに認めると良い。「もっと早いうちに、私にとってこれほど大きな問題になる前に、この話を持ち出さなかったのは申し訳なく思ってる」
・あなたのストーリーを単純化しすぎてはいけない。「なおかつ」を使い、感情の両側面(ポジティブ、ネガティブ)を観測する。
・感情は人と人との関係をより豊かに、また確かなものにする。生きているという実感を味わうわせてくれる。
・伝えられずにいる感情は、耳を傾けることを妨げる。
・人は誰でも腹を立てるし、誰でも泣きわめきたいという衝動にかられる。だれでもしくじるし、誰でもほかの人を必要とする。
・葛藤は誰もが感じるもので、私たちがいい人かそう出ないかということとは関係がない。
・あなたは自分自身の感情や利益を過小評価している。その論点を持ち出さないことによって関係性を徐々に蝕んでいく。
・感情がフェアかどうかは重要ではない。そういった感情が存在するということが重要なのだ。
・「あなたは思いやりにかけ、自分のことしか頭にない」と「私は傷つき、戸惑いを感じている」では、天と地の開きがある。
・
・相手を責めたいという衝動は、感情が抑えられている時に生じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・相手が自分に悪い意図をもっていると考えれば、それはわたしたちの態度に影響をおよぼす
・相手の意図にまつわるあなたの想定は、ただの推測であり、仮説なのだ
・責めの枠組みを使うと会話はさらに困難になり、いっぽう加担のシステムを理解すると、会話はよりかんたんに、生産的なものになる可能性が高い
・単純な感情のかげにある本音を見つけよう
・決めつけ、判断、避難ではなく、感情を伝える。感情についてうまく話すには、細心の注意をはらって、あなたの言う内容から判断と責めと決めつけを取り去り、感情を取り入れなくてはならない。あなたが使っている実際の言葉に留意して、その言葉がほんとうにあなたの伝えたいことを伝えているかどうかチェックするのだ
・もしあなたが強い感情を抱いているなら、まず十中八九、相手も同じである
・感情を表現し、両方の側がおたがいの感情を認めあって、はじめていっしょに道を歩きだせ、事態の収拾を図ることができる
・これから三十年後にいまのこの時期を振り返ったらどんな感じがするだろうと考えてみる
・助けを求める勇気をもとう
・相手を変えようとする試みは、めったに変化をもたらなさない。その一方で、相互の理解を目的とする会話に相手をひきこむことは、結果として変化をもたらす
・共同で問題を処理しようとするとき、相手に初心者の役を割り振ると、元も子もなくしてしまう
・よい聞き手であることの核心は、心から耳を傾けることだ
・相手の話に集中できないときには、そのことを伝える。「またあらためて時間をとって話し合いたい」
・質問がないのなら、質問してはいけない
・追及のために質問をしてはいけない。質問するのではなく質問にふくまれた考えを建設的に伝える
・自分にとっていちばん大事なことを伝えられずにいると、わたしたちは相手から自分自身をきりはなし、関係をそこなってしまう。本当に言いたいことを言おう。相手に推測させない
・あなたのストーリーを単純化しすぎない。単純化しすぎるのを避けるには『なおかつ』のスタンスをとればいい
・相手の挑発にのらない。枠をはめなおす
・『二者択一』から『なおかつ』へ。「わたしはあなたの言い分に耳を傾け、理解することができる。なおかつ、あなたもわたしの言い分に耳を傾け、理解することができる
・必ずしも同意する必要はない。「あなたがどうしても今週のうちに自分の作品の批評をのせたいことはわかりますが、わたしが休暇をつぶしてその仕事をするということにはやはり納得がいきません」
・「むずかしい話し合いは人生につきもの」であって、けっして避け続けることはできない -
サーチインサイドヨアセルフ推薦図書1。人と人との会話に関してここまで細分化し、それぞれ分析している本はなかなかないだろう。よく会話術や交渉術を書いたビジネス書はある、しかし書かれたことはそれはわかるんだけど、、、なかなか現実とは乖離があると思うことが多い。本書はその現実とのギャップを埋め、なおかつどう考え対応すればよいかが入念に書かれている。ぜひ一読してほしい。最後にアイデンティティを巡る会話では、自分の問題と他人の問題を切り離して考えることの大切さが書かれている。これはアドラー心理学や、7つの習慣の第2の習慣と似ている考え方だ。会話術でも取り入れるべき考え方として、また抽斗が1つ増えた。
-
Harvard Negotiation Project の Difficult Conversations の邦訳.
自分の仕事の半分はネゴシエーションなんじゃないかと本書を読みながら思った.いや仕事に限らず人生が一般に.
ウォートンスクールのネゴシエーション本も面白かったけど,本書もさすがという内容.緻密で丁寧な論説.翻訳もすばらしい. -
SIY著者 オススメ
-
同じ出来事を語っていても、自分と相手で経験したことは違う。
相手の視点での経験を知ることが出来れば、相手の判断が理にかなっていることを理解できる。
自分の見方を押し付けるのではなく、相手の見方を知ろうと努力することが大事
一方的に相手を変えることはできない。お互いの見方を共有して、協力して問題を解決することを目指す
言いにくいことは、どれだけ頑張っても言いにくい。言う必要があるのか考える。それでも言う必要があるとしたら、それはとても重要なことだから難しくてもやる価値がある -
素晴らしく学びの多い書籍だった。
感情の行き違う、こじれた関係性を改善するためにどう状況を認知すべきか、会話を進めればいいかをわかりやすく指南してくれる。
こじれた状態の時、十中八九双方に感情的な言い分があること。相手のそれを、好奇心を持って学習すること。相手を変えようとしてはダメで、相手のことを知るに徹するべきこと。それが却って前向きなネクストステップに進みやすいこと。
ああ、すこしでもそれが出来ていればどれだけ気楽に乗り切れたトラブルがあっただろうか…。
と思った。