お笑い芸人就職読本

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 35
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794214188

感想・レビュー・書評

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  • ネタのつくり方

    テーマは、僕とお客さんが共通して体験したこと。つまり卒業式や身体検査といったシチュエーションから選びます。そこに映像や音響によるボケと僕のツッコミを組み込んでいくんです(陣内智則)

    リアリティの持たせ方が大切。しかしホントのことだけを並べても笑いは絶対に成立せず、必ず誇張や演出、つまりウソが必要になる。ところが、客は作り過ぎのうそを敏感に感じ取ってしまう。虚実のさじ加減をどうするかが芸人の評価に直結して行く

    テレビでは視聴者の笑い声は返ってこない。
    さんまはゲストの言葉にいちいちリアクションを返す。それはツッコミとしてだけでなく、彼は客にもなって「みんなこんなに反応してますよ」とテレビの中に劇場のような空間を作り出している

    さんま、紳助、タモリ、鶴瓶、みのは、つまらないボケを十数倍にパワーアップさせるツッコミ力、おいしさを引き出す秘術をマスターしている
    テレビは孤独なメディアだ。実はテレビを見ている側もすごく孤独ではないか。それを打ち破るのが、巧妙なツッコミ芸なのだ

    流行に乗り遅れるとカッコ悪いという意識が重なってヴィトン認知へと矯正していく。本能で笑うんじゃなくて、流行だから笑う。流行を学習して人格を変化させてしまう。テレビはそういう学習する場として、かなり強力な媒体(五味一男)

著者プロフィール

増田 晶文(ますだ・まさふみ)
作家。1960年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。人間の「果てなき渇望」を通底テーマに、さまざまなモチーフの作品を発表している。文芸作品に『稀代の本屋 蔦屋重三郎』(草思社文庫)、『S.O.P.大阪遷都プロジェクト――七人のけったいな仲間たち』(ヨシモトブックス)、『ジョーの夢』(講談社)、『エデュケーション』(新潮社)など。デビュー作『果てなき渇望』で文藝春秋ナンバー・スポーツノンフィクション新人賞および文春ベスト・スポーツノンフィクション第1位を獲得、『フィリピデスの懊悩』(『速すぎたランナー』に改題)で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。日本酒の神髄を描いた『うまい日本酒はどこにある?』『増補版・うまい日本酒をつくる人たち』(ともに草思社文庫)も話題に。

「2021年 『文庫 絵師の魂 渓斎英泉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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