文庫 ファストフードが世界を食いつくす (草思社文庫 シ 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219800

作品紹介・あらすじ

マクドナルド方式が蔓延し、われわれが失ったものは何か?経済、社会、国家、文化、すべてを侵食し、拡大と成長をつづける巨大産業の戦略とその実像に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 一言でこの本は、とてもショッキングだった。
    詳細な取材と詳しく記された内容で、業界の闇であったり、そもそも我々が口にしている食べ物について、とても考えさせられる1冊だった。
    もう少し早くこの本を読みたかったとも思う。
    これから子供たちや孫たちには、本当に食生活に気をつけなければいけないと思うし、これら食品関連の労働環境であったり、我々が見えてない部分の食肉加工業であったり、それらの環境改善を考えていかなければならないと思った。

  • 少し前にジョン・ウィリアムズ著『ストーナー』のあとがきで東江一紀〈あがりえ・かずき/ノンフィクションでは楡井浩一名義〉の逝去を知った。私は大体30~50冊ほどの本を併読するため、つまらない本が続くと楡井浩一、阪本芳久、水谷淳、林大〈はやし・まさる〉、太田直子らの翻訳本を探す羽目になる。
    https://sessendo.blogspot.com/2018/11/blog-post_9.html

  • 本書を読むきっかけとなったのは、何度目かに見たモーガン・スパーロック監督のドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」の得点映像で筆者とスパーロック監督との対談映像を見直したことがきっかけでした。

    本書を読むきっかけとなったのは、モーガン・スパーロック監督のドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」の得点映像で筆者とスパーロック監督との対談映像を見直したことがきっかけでした。映像で語られていることの詳細が本書に記録されており、読んだ後にはかなりショックを受けました。

    内容はというと、筆者がファストフードに関する調査報道をまとめた書籍。雑誌ローリング・ストーン」に 掲載された記事を発展させたものでございます。最初のほうではマクドナルド兄弟などの黎明期の人物を取り上げ、ドライブインなどの発明によって社会が変遷するのをきっかけとして、フランチャイズ形式の普及や子供を主なターゲットとしたマーケティング戦略を駆使する場面が描かれ、さらにはファストフードにおける低賃金などの労働問題、フランチャイズ展開による店舗間競争の激化と店舗主の破産などを取り上げたうえで、ファストフード業界によるロビイスト等の政治への働き影があるとしているという衝撃的な展開が続きます。

    そしてもっとも僕がショックを受けたのは第7~9章に関する箇所で、ここでは移民労働者や読み書きのできない人間が最低限の賃金で怪我や労働災害の多い危険な職場で働かなければならないという生肉・食肉業界の内幕が描かれ、さらにはO-157やBSEなどの危険な感染症がどのようにして爆発的に広がっていったのか?それに関してはあえて詳しく書きませんが、『そりゃ当然だよ』といいたくなる記述のオンパレードで読みながらかなり気分が悪くなるほどでございました。

    本書の最後で筆者はは私たち消費者の行動で企業は変わるとしてこの本を結んでおり、選ぶ権利はわれわれにある、しております。ただ本書が世に問われた10年後の2012年にいたっても、ここで提示された問題はほぼそのままになっていることが下記URLの記事でわかります。興味をもたれた方はぜひご参照ください。

    http://www.lifener.net/e3770264.html

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著者プロフィール

アメリカのジャーナリスト。既刊にベストセラーとなった『ファストフードが世界を食いつくす』『ファストフードと狂牛病』『おいしいハンバーガーのこわい話』『巨大化するアメリカの地下経済』。

「2018年 『核は暴走する 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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