文庫 自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理 (草思社文庫 に 3-2)

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  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794223654

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  • まさに精神科臨床現場の声。
    ドクターも人間だもの。
    やっぱり手のかかる患者は手のかかる相手だし、苦労もひとしおなのだと思った。
    「病識のない」=自分が病気だと気づいていない
    というのがキーワードだが、心理学にまるで興味がない人にとっては予測もつかない事態なわけで、精神的に病んでいるという結論に達するまでは、周囲の助言がどれだけ大事かが分かった。
    「あなたちょっとおかしいよ」って気づかせてあげることは勇気がいるが、それが本人の助けとなる場合もあるのだからそこはさらりと助言する思いやりも必要なんだなと感じた。
    あと、環境と誰かの支えがどれだけ大事か。
    薬以上の特効薬だと感じた。

  • この著者もどうだろうと思ったけれど、異常と正常を分けるのは難しいと思う
    あと、題名には少々騙されたかも

  • 途中まで

  • 精神医療の難しさを、臨床の現場から描いたストリー仕立てで描かれていてわかりやすかった。正常とは何か、異常とは何かという命題は果たして決めるべきなのか。でも、他害的で自害的な行動は、はたから見てやっぱりおかしいと思ってしまう。アスペルガーの認知が広がったけど、彼らの異常性は環境によって、迫害されるし、受容されるし、異常と受け取るかも、一部他社の評価に依存するなと。
    そして、テーマの中に繰り返しでてくる「病識」。精神病患者にとって、その認識を持つ難しさを病気が内包してしまっているなと。
    何より精神科医をしている人の苦労がよくわかり、某精神科医のマンガにでてくるような「少しズレている」人の方が、適性があるのかもしれない。

  • 医師である著者が言うように、異常性とは何なのか、自分は異常ではなく正常と言い切れるのか、その境界は難しい。
    大学病院に勤める著者が実際に診た患者の例をもとに、様々な問題や治療の難しさなどがわかる。
    医学の道に進みたい人には参考になる内容だと思う。
    小説のような文体で、途中、小説を読んでいるような感覚になった。

  • 精神病(障害)なのか個性なのか、精神科はなかなかに繊細で慎重な判断と対処を求められるところだが、実際の患者とのやりとりを具体的に書いており、あっという間に読み終えた。精神科への受診は一昔前に比べれば随分ハードルが下がったが、それでも何かしら抵抗感を持つ人が多いのもまた事実。だが、精神の病気と思わず脳の病気と思えばより早く受診でき、回復も容易になるだろう。早めの受診や薬の服用の重要性も分かりやすかった。

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著者プロフィール

西多 昌規(にしだ・まさき)
精神科医・医学博士。早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。東京医科歯科大学医学部卒業。国立精神・神経医療研究センター病院、ハーバード大学医学部研究員、スタンフォード大学医学部客員講師などを経て現職。日本精神神経学会専門医、睡眠医療認定医など資格多数。専門は臨床精神医学全般と睡眠医学、身体運動とメンタルヘルス。著書に『「器が小さい人」をやめる50の行動』(草思社文庫)、『「テンパらない」技術』(PHP文庫)、『休む技術』(だいわ文庫)、ほか多数。

「2018年 『文庫 自分の「異常性」に気づかない人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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