文庫 新釈 猫の妙術: 武道哲学が教える「人生の達人」への道 (草思社文庫 い 6-1)

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224750

作品紹介・あらすじ

『猫の妙術』は江戸中期に書かれた剣術指南本です。
その内容は「ネズミ獲りの名人である古猫が教えを説く」という設定ですが、
そこで語られる教えはきわめて深淵。
その奥深い教えを現代風の「新釈+解説」でわかりやすく紹介するのがこの本です。
私たちは人生のさまざまな場面で「勝負」に直面します。
そんなときに、緊張せず、ドーンと構えるためのメンタルの作り方を教えてくれる一冊です。


◎『猫の妙術』

第一章 猫、大鼠の退治に臨む 

勝軒、剣の道に惑う
大鼠、現る
機に応ずる「技」あらば仕損じることなし
黒猫、「技」を披露す
豪壮の「気」を以て臨めば負けることなし
虎猫、「気」を滾らせる
和する「心」で矛を止める
灰猫、「心」に寄り添う
「強さ」のみならずして強き者
「武神」の噂
古猫の鼠退治

第二章 古猫、「勝負」と「上達」を語る 

古猫、「道理」を説く
技の見かけは妄想と知れ
「浩然の気」を身につけよ
不自然な「念」、道理をもたらす「感」
「道理」の純粋さを高めよ
「道理」の極致

第三章 勝軒、「世界」を我がものにす

勝軒、剣術の奥義を問う
剣術に奥義なし
勝ち負けは「妄想」と心得る
眼裏に塵あれば三界窄く
道理の姿を見つけ、妄想の夢から覚めよ

◎『猫の妙術』解説

『猫の妙術』と「老荘思想」
新釈『猫の妙術』ガイド
・三匹の猫はなぜ負けたのか
・「無限」に対応できる「技」でなければ勝つことはできない
・「浩然の気」とは何か?
・「作為」をなくす二つの段階
・「道理」は、「技」と一貫している
・すべてが一貫した先にある境地
・「勝ちたがる自分」を殺す
・物事の「とらえ方」の枠組みを外す
・「一」で物事をとらえれば人生の苦しみもなくなる
・「言葉」から「道理」を会得する

生き方としての『猫の妙術』―文庫版あとがきにかえて

感想・レビュー・書評

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  • 般若心経やお釈迦様の言葉と相通ずるものを感じた。
    これを武道の上達にどう繋げていくか…。
    著者の解説が役に立つかも。
    「物事の捉え方の枠組みを外す」などなど。

  • <あらずじ>
    ある剣士が部屋の中にいる大鼠を追い出すために、猫に依頼をした。
    1匹目の猫は技で相手を圧倒しようと思ったかがかなわず
    2匹目の猫は気迫で相手を圧倒しようとしたがかなわず
    3匹目の猫は相手の戦意を消させて対応しようとしたがかなわなかった。
    そんな中最後の猫がひょろっと鼠をつかんで外に出してしまう。
    1~3匹目の猫に4匹目の猫が教えを請いながら、

    <書評>
    斬り合いの場にいかに立つのか、その心の持ち方について書かれた剣術書である。
    山岡鉄舟をはじめ多くの武術化を魅了し愛読されてきた。
    剣道やっているので、相手と対峙した時にこう感じるという部分に非常に共感できた。「道理」、「公然の気」
    格闘技のみならず、日常生活でも使える知恵だと思う。

  • 自分には難しかったかな。深いみたいだが自分の行動変容には至ってない。なるようになるしかない。

  • 老荘思想を下敷きに人間がどうあるべきかを説いた本、「浩然の気」をもっと考えてみたい。

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著者プロフィール

佚斎 樗山(いっさい・ちょざん)
万治二年(1659)〜寛保元年(1741)。下総国関塾藩の久世家に仕えた。当時の啓蒙書「談義本」を多く書き、人気を博す。本名、丹波十郎右衛門忠明。

「2020年 『文庫 新釈 猫の妙術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佚斎樗山の作品

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