- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794607331
作品紹介・あらすじ
欧米では、さまざまな分野のポスターが競って収集され続け、ポスター美術館まで設立されていますが、日本の
商業ポスターは、そのほとんどが使用されたあとは破棄されてきました。しかし近年、日本でもポスターの収集、保存に力を入れはじめた教育機関や美術館も増えています。
本書は、明治から昭和二十年にかけて制作された日本の商業ポスター集です。掲載されているポスターは、どれ
もその時代性を鋭く映し出しており、見応えのあるものばかりです。
感想・レビュー・書評
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日本のポスター集ですね。
この本に収録されているのは、明治から昭和20年にかけて製作されたポスターです。
著者の三好一(1935ー)さんがさまざまな生活文化を研究された一環の成果ですね。
今では、美術館なのでしか観られない手合いの作品ですが、近代史を意識するには格好の資材だと言えるのではないでしょうか。
古くさいと言えば、そうなのですが、ほぼ同じ頃に活躍した作家たちが目にした風俗として捉えれば、興味はわきます。
オールカラーなのが嬉しいですね。
なかには、メディアや美術館、博物館、歴史資料館なので観たことが作品もありました。ポスターの作家の中には著名方もおられます。
収集に偏らない工夫もされているようですが、なかなか調査も大変だったと思われます。三好さんのご努力に敬服いたしました。
歴史的資料もこうした方々の努力があればこそですね。
一度、目に通しておけば、読書の参考にもなり、貴重な資料ですね。
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明治から終戦あたりまでのポスターがフルカラーで掲載されている。世相が表れていて楽しめる。力士や和装姿の美人画が目立つ。
横書きが右書きだったり左書きだったりと両方使われていたのが分かる。112ページの竹久夢二展覧会ポスターが分かりやすい。
私は155ページの日本トラホーム予防協会のポスターが印象に残った。10行に及ぶ赤字のトラホーム。関係のなさそうな躍動的な自動車と汽車と飛行機。トラホーム予防は躍進する国のためだと示したいのかもしれない。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060257
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デザイナーという職業は1964年の東京オリンピックあたりから社会の前面に出てきてそれ以前の広告の作家は図案家とか意匠作家と呼ばれていたという話を聞いたことがあります。この本はデザイナー以前、図案家、意匠作家の仕事のアーカイブです。しかし歴史は断絶している訳でなく、今日のシティボードで女性タレント、モデルが街に微笑みかけている源流が日本画家、橋口五葉や北野恒富の描く超絶美人画であることはわかります。今も昔も企業も社会も美人が好きってこと…かも。美人資本主義とか言ったりして。また明らかにカッサンドルの影響バリバリなポスターもあって、デザインって言葉の有る無しに関わらずポスター作家は模索していたことがわかります。もうひとつ発見は百貨店の戦争をテーマにした展覧会を告知するポスター群。戦争って日本の消費社会の欲望から生まれている、ということを示す事例に思えました。先日「戦争とデザイン」という本を読みましたが、その続きにも思えました。小さな本ですがいろいろ揺さぶってくれました。
めちゃくちゃマニアな感じですね。
ポスター集なんてものがあるんですね、しかも、昭和初期までのポスターな...
めちゃくちゃマニアな感じですね。
ポスター集なんてものがあるんですね、しかも、昭和初期までのポスターなんて、よくおさめることができたなと…すごいなと、感じてます。
いつもありがとうございます。
昔のポスターは手書き感がありますね。
この著者の方は、かなりなマニアックな...
いつもありがとうございます。
昔のポスターは手書き感がありますね。
この著者の方は、かなりなマニアックな収集家だと思います。
美術関係の仕事の傍らで手に入れているとか。頭がさがりますね。
絵本もそうですが、絵で物語を感じさせる手法は興味がつきませんね。