音で観る歌舞伎-舞台裏からのぞいた伝統芸能 (シリーズアーツマネジメント)
- 新評論 (2009年11月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794808196
作品紹介・あらすじ
「音」を意識すると、歌舞伎がもっと面白くなる!
日本の三大伝統演劇といわれている能楽・人形浄瑠璃文楽・歌舞伎は、数百年も民衆を喜ばせてきた大いなる娯楽である。それらは世界無形文化遺産にもなっていて、日本国民の大切な財産といってよい。本書はその魅力の真髄をバックステージからお伝えするものであり、それも「歌舞伎の音」をテーマに綴っている。
歌舞伎の劇作者である河竹黙阿弥は弟子たちに、「座元(劇場経営者)と役者と観客が喜ぶ作品を書きなさい」と説いたという。この教えは、歌舞伎を支える裏方全体に共通するものであって、大道具、照明、音響などのスタッフたちも、役者を引き立たせ、座元と観客が喜ぶ作品づくりに精を出している。その裏方たちには苦労も多いのだが、一方では幾多の喜びもある。そのように喜びと涙と汗で創造され、進化を続けている歌舞伎の伝統技法は、内外の様々なジャンルへも影響を与えている。
歌舞伎は「能楽」を親とし、「文楽」を兄として育ったようなものなので、本書ではその家系と家柄を紹介する意味で、能楽と文楽についても触れた。能楽に用いられている楽器は三種類の太鼓と笛、文楽の主要楽器は三味線である。歌舞伎は双方の楽器を基に、様々な楽器を取り込んで歌舞伎音楽を成熟させてきた。心の奥に響く三味線の音、劇場空間を清める拍子木の音、波・風・雨などを表現する大太鼓は、日本人の音に対する感性と美意識によって創造された世界に類を見ない「音」と言えよう。それに七五調の心地よいセリフなどが加わった舞台を目にしたとき、感動が生まれる。歌舞伎を観るとき、音を意識するともっと面白くなるしワクワクしてくる。それらの音が舞台裏でどのようにつくられているのかを紹介した本書によって、舞台芸術の創造に携わる人々だけでなく、観客の皆さんにも歌舞伎の音の世界を堪能していただきたい。(著者:八板賢二郎)
好評既刊書
感想・レビュー・書評
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レポートを書くために借りたが、丁寧に書いてあるので分かりやすく、役に立った。
写真もついているので分かりやすい。
http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=242531詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国立劇場の音響担当者。能、文楽、歌舞伎の舞台裏を、音響だけでなく広範に紹介している。SR(サウンド リンフォースメント)で拡声してりうことがあるとはしらなかった。
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どの辺の読者層をターゲットにしているのか判らない本。前半は能・狂言・文楽・歌舞伎の基礎と薀蓄。「音で観る歌舞伎」については全体の1/3か。