生のための授業: 自信に満ちた子どもを育てるデンマーク最高の教師たち

  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794812032

作品紹介・あらすじ

自由の国・デンマークから詰め込み教育で苦しむ日本の教員と子どもたちに届くメッセージ。
素晴らしい授業のヒント満載!

 北欧の教育がすばらしいことは人口に膾炙している。日本でも各国の「自由な教育」や、日本人が大好きな「成績」の良いフィンランドの教育を紹介する本が出ている。しかしいずれも制度分析、体験談、視察報告などに偏り、現場の教員のノウハウや工夫に迫った本は少ない。日本の教員で北欧の教育に関心のある人は、現場で使えるような実践的な内容を求めているのではないかと思う。先生たちは本業の授業研究よりも、報告書や成績付けなど事務仕事に追われており、自分で工夫する余裕がないからだ。
本書はそんなニーズに応える本である。デンマークの著名なジャーナリストが、国内で優れた教育実践をしている小・中・高校の教員十人にインタビューしたもので、各教科の指導内容のみならず、生徒の悩み相談、不登校気味の生徒へのフォローなどについても触れられている。本書を読めば、なぜ北欧の教育がすばらしいのか、その理由が現場レベルでわかるはずだ。授業に役立つヒントもたくさん出てくる。
 本書はもともとデンマーク国内ではなく、詰め込み教育の中心地である東アジア(中国、台湾、韓国、日本)での出版を意図して書かれた。この国際プロジェクトの仕掛人は、著者ベルンセンと韓国のジャーナリスト・教育者オ・ヨンホである。二人はこの書物によって東アジアの教員たちに刺激を与え、詰め込み教育で苦しむ当地の子どもたちを救おうと考えたのである。すでに韓国ではベストセラーとなり、台湾でも出版された。この日本語訳が三番目ということになる。
 子どもたちを成績と試験のプレッシャーから救おうとする彼らの意図が実るよう、まずは日本の読者、とくに教員、教育行政関係者にぜひ読んでいただきたいと思う。(しみず・みつる)

感想・レビュー・書評

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  • 【冬の3冊目】

    圧巻の1冊だった。多くの教師がこの本を読みながら、いろんなアイディアを得ることができるのではないだろうか。ボクは月に1回、全国の学校を回っているのだが、その数回分にも当たるインスピレーションが生まれる経験をさせてもらた。こんな本はなかなかない。

    個人の印象としてだが、デンマークの先生にゆとりがあるのではなくて、「先に取りに行くコスト」によって享受されるものがあることを、日本の先生より知っているんじゃないだろうか。激務じゃないけれど、それを楽しむためには、同僚との対話や子どもたちとの関わりを減らさないことが、いかに多くのものをもたらすかを理解しているのだろう。

    素敵な一冊でした。新評論さんありがとうございます。

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著者プロフィール

Markus BERNSEN 1980年生まれ、デンマークのジャーナリスト、著述家。『ウィークエンドエイビス』紙の中国、カンボジア、韓国特派員を経て現在はワシントン特派員。日本にも訪問経験がある。

「2022年 『生のための授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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