なんとかしなくちゃ (文学のおくりもの 24)

  • 晶文社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794915467

感想・レビュー・書評

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  • 面白おかしく書かれた経験談ですが~小説好きな人が読む本かな。
    イギリスの家政婦や召使い、典型的な料理のことについて知りたい人には、オススメ。

    モニカ・ディケンズは、あの作家ディケンズの曾孫。
    曾祖父に似て?文才もなかなか。
    ディケンズは上流の出ではないと思いますが、彼女は立派なお嬢様。
    学校を出たら、社交界に出て、退屈なパーティに顔を出すのが当たり前の境遇。
    それではつまらない!働きたい!と猛然と思い立ち、花嫁学校で料理を習った経験から、家政婦を志願します。
    次々に色々な家庭に出向き、面接では経験したこともないことを「出来ます」と断言しちゃう~はったりの強い性格にはびっくり。
    お嬢様育ち故なのか??
    あるいは、使う側から見てけっこういい加減な召使いに慣れているせい?
    そのおかげで、スリルとごまかしと大笑いに満ちた~面白い作品にはなっています。
    料理の基本は知ってるのですから、初めてのメニューでもけっこう上手くいく場合もあるけど、段取りに大失敗する場合も。

    上流家庭の人も、同僚の召使いも、コックとして雇われた彼女が、まさか上流の出とは思わず、お嬢様の前ではしないような素顔を見せるということにもなるんですね。
    上流といってもまあ上の下か中ぐらいが多い感じ。急にたいした保証もない女性を雇うぐらいですから。
    一番大きなお屋敷で働いたときには、2年前に別れたBFがお客として来てしまい、大あわてする羽目に。
    様子がおかしいのを執事に見つかり、恐喝されそうになったり。

    コック・ジェネラルという職業名も初めて知りました。
    料理がメインだけど、他の普通の家事も皆こなすという仕事なんですね。
    最後に勤めた家は、奥さんが感じが良かったので長く働いたのですが、下働きの女性が家庭の事情で辞めてしまったために、負担が大きくなり、疲れ切って投げやりになってしまったとか。
    大きな家の床磨きを毎日するのではねえ。
    怠け者の召使いというのも小説ではよくあるけど、給金の割に労働量が多すぎるのかもという気はしました。この時代は特にね。

    モニカ・ディケンズは22歳の時から1年半、コック・ジェネラルを経験。
    1939年に本書を発行。今でも愛されている本だとか。
    後に見習い看護婦と新聞記者をした経験も本にしたそうです。
    その後、小説や子ども向け物語も多数書いています。
    この作品の翻訳発行は1979年。

    仕事は正確にはメイドではないんですが、こういうことに興味ある方もいるかも?とタグにメイドも入れました。

  • ディケンズの曾孫が書いた本作。身分を隠してコックとして働いた様々な経験が書かれていてとにかく楽しい本だった。身分とか階級とか厳しいイギリス社会で全く経験のない彼女がハチャメチャにやり通す姿は笑えてハラハラさせられた。どんどん読めてしまう。

  • お金持ちのお嬢様が
    「ヒマだわー。何かやらなきゃ。」と
    家政婦さん=ジェネラルの仕事をやる話。
    仕事できないくせに引き受けるなよ!!とか
    ろくな経験ないのにハッタリかましすぎだよ!!とか
    主人公のアホタレな女の子っぷりに
    イライラしそうな人にはお勧めできない本です(笑)

    1900年代はじめの家事って本当に大変なこと。
    台所は石炭コンロとかの時代ですから…。
    少しお金のある人ならメイドや家政婦を雇うのは
    当たり前だったのだなぁと思わされます。
    今って本当にいろいろと楽だよ。

    ちなみに作者モニカ・ディケンズは英国文豪の孫。
    つまりお嬢さんで、このお話は自分の経験を
    ネタに書いた物だったりするそうです。

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