21世紀の論語: 孔子が教えるリーダーの条件

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  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968357

作品紹介・あらすじ

古くから日本人の精神と道徳を支え、福沢諭吉、渋沢栄一など知識人にも大きな影響を与えてきた『論語』。近代以降においても黒船来航、敗戦といった国難を乗り切ってきたのは孔子の教えだった。
 バブル崩壊、リーマンショック、3.11……政財界は迷走し、人々は閉塞感から抜け出せずにいる。ニッポン再生のためには、今こそ孔子の知恵が必要なのだ。『論語』には人間教育のエッセンスが充ち満ちている!
 ベストセラー『高校生が感動した「論語」』の著者による21世紀的『論語』再考。

感想・レビュー・書評

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  • 論語は私にとっては数十年前の古典の授業で一部を習ったきりです。この本では論語を7つのステップにわけて、各ステップ毎に強調されているポイント(3つの主義、1つの願望、4つの心、5つの力、3つの養、3つの論、2つの観)を解説しています。

    多くの内容をこの1冊に纏めているので、論語を学ぶ入門書としては良かったです。人生の成長段階において、7つのステップのどの部分に力点を置くかが異なっています。

    今年(2013)の誕生日で50歳という節目を迎える私にとって、そろそろギアを最終段に入れる時期が違づいています。その時の心構えとして、今までと同じ方が良い点、変えた方が良い点のヒントをこの本から学べたように思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・本書は、誰もができる自己管理や自己啓発方法を具体的に提示した本、組織人としての出発から引退までの全スパンを一冊で間に合うように段階を踏んで提示している、その教えの大半は論語の中で孔子が述べている(p12)

    ・人類が実現できそうに見えてできないことが書かれているのは、極めて限定された状況下でした成り立たない真理が、あたかもいかなる状況下でも成り立つかのごとく説かれているから(p15)

    ・孔子の現実主義とは、1)緩い道徳観、2)緩い宗教観、3)俗世間の容認である(p24)

    ・リーダーを目指す者が歩むべき道を、1)格物、2)到知、3)誠意、4)正心、5)修身、6)斉家、7)治国、8)平天下の段階に分けて整理している、中でも、3と4のステップに力を注いでいる(p33、37)

    ・3つの「たい病=金持ち、出世、有名」を認めているが、その目的が大事(p57)

    ・自分の欲望とその理由を明確に記すことができれば、自分が今何をすべきかを逆算できるようになる、欲望と貪欲の違いも見える(p60)

    ・孔子が提唱する4つの向上すべき心、好奇心=乗り気(興味をかきたて)・向上心=やる気(ファイトを燃やし)・自立心=負けん気(自分を信じ)・持続=根気(根気よく推し進める)(p67,95)

    ・命令されて取る資格でなく、自分で望む資格を取るのがポイント、それを考えるだけでも自立への道への第一歩となる(p85)

    ・持続心を維持するのに有効な方法は、自分の生活に関する数値化をする(p93)

    ・成果は突然あらわれる、諦める前にもう一日だけ続ける、自分の一生の設計図を作り、自分自身に関する数値を持とう(p94)

    ・修身における必要な5つの力は、行動力・公正力・思考力・交渉力・統率力である(p98)

    ・成功する前の一区切りごとの終了時間の設定は不可欠、そうしないと、時間・労力・資金・資材を垂れ流すことになる(p108)

    ・部下使いの3原則、1)部下の長所を生かす、2)部下の都合を考えて使う、3)特定の部下に集中しないで幅広く使う(p116)

    ・起きてしまったことは、愚痴るまい・問い詰めまい・責めたてまい(p117)

    ・部下と一緒に失敗の原因を見つけ、ともに解決方法を考えるのが、叱り方の秘策中の秘策(p119)

    ・過ちを改めないようとしないのを、本当の過ちという(p125)

    ・福沢諭吉のアレンジは、学生全員から月々同一額の授業料を取ること、払ったものは、身分・幕府派、反幕派に関係なく塾生とした(p136)

    ・自分を原点に見立てて、Y軸に存在論的な人間の捉え方、X軸は空間論的、Z軸に時間的な捉え方をする、上を全肯定、下を全否定とする(p142,145)

    ・正確な正論に説得力を持たせるのは、体の使い方、1)態度、2)表情、3)発声の3つを伴うことが大事(p155)

    ・ほんの一行でも一語でも何かを毎日書き残しておくと、読み返すことでその日の出来事や心持ちを鮮やかに思い起こせるようになる(p189)

    ・成功の方程式は、成功=能力x時間、2つ目は、成功=金銭x時間がある(p189)

    ・仕事や責任が重くなってきた頃にこそ習い事を始める、私生活と社会生活の双方をバランスさせられる(p205)

    ・真のトップダウン方式は、1)部下とよく相談し、2)決定事項を周知、3)最終決定と結果責任をトップが負うシステム(p213)

    2014年1月5日作成

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著者プロフィール

1944 年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学院で中国文学・国文科を専攻。大学院修了後、慶應義塾高校で教職に就き、国語・漢文・中国語などを教える。在職中は生徒の人気ナンバーワン教師にも選ばれた。退職後、『高校生が感動した「論語」』(祥伝社)がベストセラーとなる。またNHK でも『論語』の講座を担当。他に『ビジネスマンが泣いた「唐詩」』、『「孟子」は人を強くする』、『文系も知って得する理系の法則』(共に祥伝社)、『世界一やさしい「論語」の授業』、『論語の教え』(共にKK ベストセラーズ)、『21世紀の論語』(晶文社)、『あなたの悩みを晴らす論語』(池田書店)など著書は多数。現在、米国・シアトル在住。
担当者 志村

「2018年 『看護師のための論語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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