- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794970527
感想・レビュー・書評
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読了。興味深かった。
書中に出てくる自殺防止の看板、個人的にはぜんぜんピンとこない内容だったな。人によってはむしろ絶望を深めるんじゃないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
樹海ナイト
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樹海探索の経験豊富なライターによる樹海案内。
観光地もいろいろあるよ、とは一応書かれているが、ほとんどは自殺の名所としての話。
それをメインに取材しているから仕方ないんだろうけど。
海外メディアの取材に適当に答えたり、初心者に必要な装備を教えてあげなかったりと、なんだかなぁと思う部分もあるが、いろいろなマニアの人たちがいることがわかったのは興味深かった。
樹海で自殺をする人はさらし者になったり愛好家に観察される可能性も考慮に入れた方がいい。
ラストの方にあった、何故自殺の名所となったのか、という推察はよかったが、そこに至るまでに何度も同じ話が出てきたり繰り返しが多かったりするのが気になった。
装備について、初めて樹海探索をする人に「軽めでいい」と言ったら言ったら街中ファッションで来たとあった。そらそうだろう。
実際の装備はトレッキング並みだった。特に靴は足首をカバーするものがいいと書いてある。それくらいは同行者言っといてあげなよ、と思ってしまった。
著者は本格的な登山よりは軽いもの、というつもりだったのかもしれないが、アウトドアに縁のない者からしてみれば「軽めの装備」がどんなものかわからないのだから。
まぁプロのガイドでもないのだからそんなものかもしれないが。
マニアな探索はしたくないが、遊歩道や風穴もあるし緑豊かな場所なので、観光に行くときは靴だけは気を付けようと思った。 -
知らない情報が満載だった。
イラストや写真が少なくイメージしづらい部分が多いため☆3つにしました。 -
あまり考察はなく淡白な筆致で本当に樹海に特別な愛情はないのだと思う。その分フェアな視点からの評価が読めるとも言える。でもそれだけで100回も行くものだろうか。
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この著者の本は、前に『ゴミ屋敷奮闘記』というのを読んだことがある。ゴミ屋敷専門の清掃業者「孫の手」で2年間(取材を兼ねて)働いた体験をまとめた、異様な迫力のルポであった。
村田らむは、ホームレスやゴミ屋敷など、エグいテーマをおもに扱ってきたライター。樹海取材歴も、足かけ20年・100回超にのぼるという。
その樹海取材の総まとめともいうべき本書は、20年間の蓄積が活かされた濃い内容になっている。まさに、「最前線から伝える、樹海ノンフィクション決定版」(版元の惹句)である。
ただし本書は、版元が上品な晶文社であるせいか、エグい話ばかり取り上げたような本にはなっていない。むしろ、バランスのよい「樹海入門」を目指したものなのである。
そのため、全4章立てのうちの第1章「樹海に入る」は、樹海の歴史がどうとか観光地としての樹海とか、わりとぬるい内容になっている。ここだけ読んで、「なんだ、つまらない」と読むのをやめてしまう人もいるだろう。
だが、第2章以降、樹海の中に存在した謎のカルト宗教団体(いまはもうないらしい)との接近遭遇が紹介されるあたりから、俄然盛り上がり始める。
そして、本書の圧巻は、何度か登場する「樹海で一番怖い人」――樹海遺体マニアの「Kさん」についてのパートである。
白骨化した遺体は「好み」ではなく、「やっぱり肉があって、腐乱している死体のほうが好きですね」とほほえむKさんは、まさに鬼畜。Kさんと比べれば、樹海は好きだがべつに遺体マニアではない著者はフツーの人である。
もう一人の濃ゆいキャラとして、かつて樹海の中で人を殺したことがあるという元殺人犯「Mさん」が登場する。著者がこの「Mさん」と一緒に樹海に行き、殺人現場を再訪する記事の取材模様を綴った一編は、怖くて面白い。
今後、樹海について知りたい人が一冊目に読むべき〝樹海本のスタンダード〟になるだろう。 -
樹海に対する固定観念が覆った。実際に樹海の地を踏みしめに行きたい。