「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?: 世界を魅了する〈意味〉の戦略的デザイン
- 晶文社 (2020年2月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794971722
作品紹介・あらすじ
革新的(イノベーティブ)な成功を収めるイタリア経済をデザイン戦略から読み解く。
「好き」「美しい」「美味しい」といった感覚を可視化し、モノに意味を与え、
作り込み、世界に売り込むその手法とは。
[推薦]
「好き」「美しい」「美味しい」を可視化する。
モノに意味を与える。作り込むだけでなく、
意味を世界に売り込む。
デジタル過剰時代における「狭く深い」
商売の競争優位を解き明かす。
楠木健(経営学者/一橋大学教授)
狭く深く攻めるためのアイディアとは。
カギは「意味のイノベーション」と「アルティジャナーレ」。
これまでの高級車、ファッション、食に限らず、生活用品(文具、バッグ、セラミック)、
それから教育に至るまで、世界を魅了し続けるイタリア製品のデザイン思想。
そこにメイド・イン・ジャパンが覚醒するためのヒントが潜んでいる。
日本の「職人」とイタリアの「アルティジャナーレ」はどこが違うのか。
イタリア製品はどこに「価値」を生み出しているのか。
イタリア企業は経営において戦略的デザインをどのように描いているのか。
本書では、イタリアのデザイン経営学者ロベルト・ベルガンティ教授の紹介者でもあり、
盟友である、ヨーロッパで長くコンサルタントをおこない、
30年にわたりイタリアに住んでいる著者が、イタリアの文化的文脈・背景をベースに
彼らのチャレンジについて深掘りすることで、これからの商品開発・経営・人材教育に欠かせない
「意味のイノベーション」を日本の読者に向けて紹介する。
【意味のイノベーションとは】
ロウソクが「灯りをとるため」のものから「心を和ますため」のものになり、
写真が「ものごとを記録するため」から「アイデンティティを確立する手段」
(たとえば、SNSにおけるセルフィー)に変わってきている。
このような「意味の文脈の変化による新しい価値の創出」を
ベルガンティ氏は「意味のイノベーション」と呼んでいる。
感想・レビュー・書評
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タイトルを見て、スルーしていたのですが安西洋之さんとTakram 渡邊さんのラジオを聴いて読んでみました。
デザインというと、欧米、とくに北欧あたりが例に挙がるけど、いずれも大企業なことが多い。この本は中小企業がデザイン思考を取り入れるための良い指南書だと思います。
中小企業はビジョンやブランドを設定するときにトポス、つまりは場所ならではの意味づけを持たないと、言われがち。決してそればかりはない、と示してくれています。日本人は真面目過ぎるのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「意味のイノベーション」×職人的プロセス「アルティジャナーレ」の解説本。地方アトツギ文脈やD2Cとの関連を考えていくと面白い。
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立場が何であれ、感性に自信のある人たちが集まり、お互いに審美眼を理性的にぶつけ合うことで意味のあるものづくりをしていく=アルティジャナーレと解釈した。それがブランドの意味と同義であるんだけど、小手先のコミュニケーションでは伝わらない=恋には落ちないのは、小さなデザイン(製品など)と大きなデザイン(会社の経営方針、ビジョン)に乖離があるため。中規模量産は日本の中小企業にとっても現実味のありそうなスタイルで、技術磨きへの真面目さは申し分ないのに、謙虚すぎるのかなぁ。多様性<全ての人に受け入れられ求められること、っていう国民性の影響が大きい気もする。ブランドをデザインしていこうという貪欲さがないというか、謙虚なのかなぁ。
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・意味のイノベーションとは、進むべき方向の変化、判断のものさしの変化である。
・アルティジャーノの範囲は、「物理的な材料に直接手で触り、モノを作る人」
・人々はあなたが愛していない製品を愛することは出来ない。 -
図書館に頼んで買ってもらいました。折しもイタリアがコロナで大変になっている期間、図書館が閉まってしまいずっと家に置いていた本。メモを取りながら大切に拝読。安西さんは今後もフォローさせてもらおうと思います。
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気づきある部分もあるが、著者の仮説を証明するためにかき集められた事例がどれも具体性があと一歩欠け、引き込まれそうで引き込まれない内容になっていると感じた。