不完全な司書

著者 :
  • 晶文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794973986

作品紹介・あらすじ

本は違う世界の光を届ける窓図書館は人と人の出会いの場所司書の仕事はケアにつながる奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。人と接するのが苦手で、本という「窓」から外の世界と接してきた。そんな著者が自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。精神疾患を抱える「支えられる立場」から、司書という「人を支える立場」になりえた体験を通じて、司書の仕事の豊かさ、奥深さ、そして本という「窓」の持つ力が伝わってくる。読むと訪れてみたくなる、ある個性的な図書館の物語。"私の来し方には、いつもそこに「本」と「生きづらさ」が座しています。自分自身の読んできたものと、読書の周辺を紐解くだけで、「この人、よく生きていたなあ」と何やら放心してしまいます。ルチャ・リブロはそんな私自身の読んできたものを開いたような場所で、だからこそ、少ししんどい状況にある人が、ふとこの場所を見つけて遠い道のりをやってきてくれるのではないかと考えています。"(「まえがき」より)【目次】■1 司書席から見える風景不完全な司書本という窓古い家で、いとなむこと蔵書を開くことは、問題意識を開くことルチャ・リブロの一日公と私が寄せては返す窓を眼差した人時間がかかること、時間をかけること諦めた先の諦めなさペンケースを開け放つ森から来た人達知の森に分け入る葛根湯司書図書館への道ルールとのつきあい方偶然性と私設図書館夜の海の灯り■2 クローゼットを開いてクローゼットの番人が、私設図書館を開くまで幽霊の側から世界を見る当事者であること、伴走者であること絶対あると思って探しに行かないと見つからない探求のお手伝いが好き、レファレンスブックが好きカーテンに映る影本と暴力と光の方へ駆ける窓外に見えるもの旅路の一里塚明るい開けた場所に出られるような言葉■3 ケアする読書デコボコと富士正晴書くことのケア性について「分からない」という希望生きるためのファンタジーの会木炭で歯をみがくことと、オムライスラヂオ私の影とのたたかい背後の窓が開く「土着への処方箋」のこと「本について語り合う夕べ」のこと■4 東吉野村歳時記峠をのぼるひと、のぼる道屋根からの手紙とんどと未来馬頭観音祭と、往来と

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  • 地面に近いところでゆっくりと。『Lucha Libro』が考える、「土着人類学」とは。 | sotokoto online(2019.10.01)
    https://sotokoto-online.jp/diversity/547

    本のある場所にできること 青木海青子×黒田杏子①|夕書房(2022年6月21日)
    https://note.com/sekishobo/n/nb69ccfa84809

    Lucha Libro
    https://lucha-libro.net/

    不完全な司書 青木海青子(著・文・その他) - 晶文社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794973986

  • 奈良の山奥に佇む人文系私設図書館ルチャ・リブロの司書を務められている著者の思索。
    豊かな自然の中で深め、広げられている思い、考えに考えさせられる。
    こんな風に営まれる本のある空間、とてもあこがれる。

  • 著者は人と接するのが苦手な奈良の田舎の私設図書館司書。そんな内気な人が、そんな人が少ない所で、そんな小さな図書館運営で生活していけるの?、という疑問を解明したい

    #不完全な司書
    #青木海青子
    23/12/12出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/472smiQ

  • 感想
    別の世界への往復切符。僕らはドキドキしながら道へ歩みを進める。水先人の語りに耳を傾けながら。欠けたピースは互いに補えば良い。

  • 今の私にとっては、滋養のあるエッセイだった。
    じわじわ私の中に染み入り、血となり肉となるだろうエッセイ。

  • 心に残った言葉

    『公と私が寄せては返すような場所で、エンドユーザーとしてではなく、手の届くところにある公を共に作っていく。そんな経験が積み重なることによって、公に対する無力感が砕かれ、社会を一緒に形作る一歩になれば』

  • 山奥に佇む私設図書館。あこがれますね。
    あこがれだけでは、なかなかやっていけないだろうけど、いろんな縁で繋がっているのだと思われます

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/803446

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1450849

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00651467

    本は違う世界の光を届ける窓
    図書館は人と人の出会いの場所
    司書の仕事はケアにつながる

    奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。
    人と接するのが苦手で、本という「窓」から外の世界と接してきた。そんな著者が自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。精神疾患を抱える「支えられる立場」から、司書という「人を支える立場」になりえた体験を通じて、司書の仕事の豊かさ、奥深さ、そして本という「窓」の持つ力が伝わってくる。
    読むと訪れてみたくなる、ある個性的な図書館の物語。(出版社HPより)

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著者プロフィール

青木海青子
1985年兵庫県生まれ。七年間、大学図書館司書として勤務後、東吉野へ。現在は私設図書館を営みながら、陶と刺繍で制作を行う。著書に『本が語ること、語らせること』(夕書房)、夫・青木真兵との共著『彼岸の図書館』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(H.A.B)がある。夕書房noteにて「土着への処方箋 ルチャ・リブロの司書席から」が好評連載中。

「2023年 『山學ノオト4(二〇二二)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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