作品紹介・あらすじ
自分が読字障害と知って「居場所を得た」南雲明彦、自傷行為や自殺未遂を繰り返した日々と支え続けてくれた母、そして家族の絆を語る。
感想・レビュー・書評
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耳が聞こえないとか、歩けないとか、目に見える障害は一般的にわかりやすい。
ところが、医学の進んだ現在でも、なかなか判別ができない、だけど本人は苦しんでいる、そんな障害が多数存在する。いや、存在すら知られていない障害もあるはず。
この本、ディスレシア、読字障害と、長年戦ってきた南雲明彦さんの発言集だ。小菅宏さんというジャーナリストが編集している。
テレビでは、音、光、など皆が何気なくすぎてしまう現象を過敏に反応し生活ができなくなっレベルになってしまう人が存在することを特集する番組もある。
それと同じように、字が歪んで読めない、頭に入ってこない。それが読字障害。
大人になってから初めて本人が知るところになるのだが、それまで、自分には生きている価値がないと散々悩み苦しみ自殺行為に、家庭内暴力に、引きこもりになって苦しんだ南雲さん。
先天的に脳がその機能不全を起こしてしまったのだが、知るまでの苦悩は計り知れない。
今は、自分の体験を広く知らしめて、同じような苦しみを持つ人のために動いている。
その障害が完全に理解していないから言えることなのだが、本人の言葉での本なら、もっと良かった気がする。
小菅宏の作品