情熱の密林 (ソフトバンク文庫 シ 5-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797345063

感想・レビュー・書評

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  • ボディガードシリーズ三作目。カテゴリーはシリーズとあわせてボディガードとしたけど、内容的には誘拐・陰謀な感じ。EDENの長兄、元グリーンベレーで沈着冷静でクールな長兄がヒーロー。ヒロインは長兄を語るときにちらほら噂されていた大使館職員の元妻。<br>
    前二作は物語の展開につれて話しが進行していく普通の書き方だったけれど、今作ではヒーローとヒロインの出会いから別れまでの過去と現在が同時進行的に語られていて、手法としては面白い。読みやすいかどうかは別にして。<br>
    シリーズ中で謎だった二人の関係。その謎と、陰謀に巻き込まれて誘拐されたヒロインの奪回およびその陰謀を解決するまでの冒険活劇的な展開が二つ味わえて二度おいしい。前半は誘拐されてしまったヒロインを奪回するためのフィリピンのジャングルでの冒険。ヒロインと同じように誘拐されていたアメリカ人女性の出現やテロリスト集団との銃撃戦、思わぬヒーローの怪我、台風の接近と、けっこう息をもつかせぬ展開で手に汗握る感じ。後半は二人の関係修復と陰謀を解決するまでと、こちらも目一杯詰め込まれていて読みでがある。ただ、そのぶんロマンス色は薄めな感じ。もっともできあがっているカップルで、とくに誤解があったわけでもないので淡々となってしまうのは否めないか。<br>
    ジャングルのシーンなんかは書き込めばいくらでも書き込めるだろうけど、ロマサスっぽく程よく。テロリスト集団のなかにいい人がいるのもお約束、ヒロイン絶体絶命、でも安心みたいな。ヒーローが完全無欠じゃないところも。情けないことに途中で大怪我をしてしまったり、でも偉そうだったり、なところがいかにもEDENの長兄らしくてキャラが生きている。しかも回想シーンでのヒロインとの最初のときなんか、グリーンベレーの大尉がロケットマンなんて、それほど切羽詰まらなくたって。<br>
    基本的にヒーローとヒロインは電光石火で恋に落ちるのが常道。この二人も出会ってすぐに結婚。しかも方や任地で何ヶ月も過ごす軍人、方や大使館職員。会えるのはほんのときどきで、お互いを理解するのが大変なことはわかっていたはず。そして破綻。このあたり第一作のヒーローでもそうだったけれど、過酷な特殊部隊勤務の暗部が肝。タフでマッチョであっても、人殺しは人殺し。でもそれを悔やんでいられないのが戦場。その折りあいをうまくつけられなかったヒーローが、今回の事件でそれにようやく向きあえるようになれて良かった、良かったって感じ。<br>
    それにしても三作ともヒロインが強い。泣きわめいたりすることなくしっかりと自分を持っている。一見、ヒーローのほうがタフに見えるけれど、精神的にはよっぽどヒロインのほうがタフ。<br>
    そしてチェリー味のライフセイバーズを食べてみたい。

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