- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797369557
作品紹介・あらすじ
日本人の多くは、環境問題とは「自然を守ること」だと考えている。しかし世界では、環境問題とは「開発のこと」というのが常識になっている。国際会議の場でも、おもに話し合われるのは、どう経済開発を進めて、貧困をなくしていくかという視点からの環境問題だ。環境問題を理解し、その解決策を探るためには、「環境」と「開発」の両方を知る必要がある。本書では、国連機関で働く日本人の立場から環境・開発の問題を読み解いていく。
感想・レビュー・書評
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日本で「環境問題」といえば、地球温暖化、自然環境破壊、異常気象、生物多様性、エネルギー危機などであり、それに対する行動として、節電・節水、リサイクル、Co2削減、植林、清掃活動などが主な共通認識となっている。しかし、世界では「環境」といえば「開発」が常識だと筆者は説いている。さらにいえば、経済開発を進めて、いかに貧困をなくしていくかという視点からとらえられているのが「環境問題」であるという。
筆者は現職のUNEP(国連環境計画)の職員である。やはり現場の声はリアルだ。国際会議の裏側にある駆け引きや、アフリカのリアルな現状など改めて認識することができる。が、お薦めは「世界が環境問題に取り組んだ四〇年の歩み」と題された第2章だ。まさにここ40年の環境に対する地球的取り組みを、駆け足で一望することができる。ぜひご一読を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(特集:「ゴミ問題から環境問題を考える」)
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https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00520923 -
ピーターの話でグッと引き込まれた。自分ごとと思わないと、行動は変えられないから。環境のこと、もっと学びたくなった。
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所在:展示架
請求番号:519/O21
資料ID:11401632
私たちの思う環境問題!とは別の環境問題に気づかせてくれます。
担当者:原口翔 -
率直に申し上げると,ちょっとタイトル負けしちゃったかな?
どちらかと言えば,環境庁(省),国連環境計画の奮闘ぶりがよく分かります.国際交渉の進め方など,勉強になる部分もたくさんあるのでおススメです. -
国際的な環境問題の議論の様子と、その論点について述べられています。
日本国内の環境問題は、あくまで「環境」を中心に語られることが多いですが、世界の環境問題の認識は「貧困」と複雑に絡み合った課題としてあるようです。
また、国際的な議論の様子についても、まさに現地からの生々しいレポートが織り込まれています。日本は1990年ごろまでは、リーダーシップを発揮していた一方で、今のリーダーシップ欠如が露呈するような論調にあります。
世界的な議論を踏まえつつ、日本が一体何をすべきなのかを見つめなおすきっかけが得られる一冊です。 -
(2012/07/15読了)久々に・・・「これは外した」という読後感・・・。いや内容自体はそんなに悪くない・・・と思うけど、タイトルから期待される内容は全く書かれていない。国連の組織というものがどういう風に仕事をしているかが分かる書であって(だから国連などの国際機関で働いてみたい人には良書)、「環境問題」の本だと思って読んではいけない。