データサイエンティストの秘密ノート 35の失敗事例と克服法
- SBクリエイティブ (2016年11月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797389623
作品紹介・あらすじ
近年ビジネスにおいて、現状を分析し、意思決定を行ったり、説得力のある提案をするためのツールとして、膨大なデータを介したデータ分析の必要性がますます高まっています。膨大なデータを蓄積し続けてはいるものの、それらを有効活用している企業は非常に少なく、分析ニーズも高まるばかりです。本書は、データ分析の初心者や企業担当者を対象に、データ分析技法の実際を解説するものです。
「人は成功からは学べない、失敗からこそ多くを学ぶのだ」という認識から、SBTが手掛けた事例を元に、データ分析を行う際に起こりやすい失敗点とその克服法を解説します。これにより、読者は、リアリティのある、真に役立つデータ分析の手法をマスターすることができます。
著者は、豊富なデータ分析の経験を持つSBT社データサイエンス部のスタッフであり、ダイナミックかつ具体的な事例を紹介します。
感想・レビュー・書評
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データサイエンティストが自らの失敗談について語った本。データ分析という業務特有のトピックスもあるが、R&D分野の研究者やビジネス全般のアナリスト、コンサルタントに通じる話が多いなという印象。データを収集し、考察し、説明するという業務に関わる人は読んでみてもいいかも。
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データサイエンスのプロジェクトで陥りがちな失敗と対策を準備、分析、報告の3つのフェーズに分けてまとめた本。
実際の分析作業者は、プロジェクトの計画、顧客とのコミュニケーション、チーム内の意思疎通などのビジネス&マネジメント面を意識していないことが多々あり、この本の対策は参考になった。
また、初めの部分の失敗を否定せず次に活かすことが大事というメッセージは分析プロジェクトだけではなく他のことにも通じると感じた。 -
クライアント側(こんなデータサイエンティストを雇えるほどの会社ではないが)だが勉強になった。まず自分でデータサイエンティスト並みの分析をするのは絶対無理ということ(笑)。機械学習とかなんちゃら分析法とか。分析のための計算もすごく時間かけてやっているんだなと思った。データさえきれいに揃っていればぱぱっとできるのかと思ってたがいつも販売管理システムからちまちま数字拾うような作業をプロもやってるようだ。「汚いエクセルデータは宝」という章は笑った。まさに私のデータ。一行目が空いてたり、コメントがはいってたりセルが結合してたり同じシートにグラフが貼ってあったり。でも、そんなデータこそクライアントが何をしたいのか良くわかり、宝なのだと。
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プロジェクトの健康状況把握のための振り返りとして、及び成功失敗ノウハウの蓄積として実用的な本だと思った。
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何も難しい理論を知らずとも顧客の満足には叶うということと、データサイエンスといえどまず大切なのは顧客の要望をしっかり聞き出すという、人文知的な要素なのだということがわかった。
準備、分析、報告というフェーズにおいて、準備のフェーズはあまり経験がないから、ここの経験が欲しいなーと思う。そのためには今の請負ではなく、自社の仕事として分析業務を担う必要があるな。
まだ2年目だけど、わかるー!と思いながら読んだ。 -
データ分析にありがちな失敗事例とその対策をまとめた本。事例自体は新しいものでなく、データ分析の仕事をしていると本当にやりがちなものなのですが、それらをまとめて言語化しているところに価値があると思います。
特に依頼者とのコミュニケーションの部分についての記載が多く(実際そこのすれ違いは失敗に直結するわけですが)、若手向けの研修の題にも使えると思いました。 -
ある(2018/09/26)
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データサイエンティストといっても、データを分析するだけじゃやっていけない
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事実、解釈、延長、対策、解決の5つが、データに取り組むときに必要なことがよくわかりました。
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「データサイエンティスト」とは何か、ということは、まだ社会一般に認知されていないと思う。本書から受け取るイメージでは、「<b><span style='color:#ff0000;'>データを数理的手法を用いて分析し、DM(意志決定者)に対してアクションを提言する専門家あるいは職種</span></b>」というところだろうか。普通のビジネス用語で言えば、「<span style='color:#ff0000;'><b>ICT寄りのコンサル</b></span>」とでも言えそうだ。ただの「統計工学の専門家」とも違うのだろう。
一昔前であれば、「経営工学の専門家」「OR(Operations Research)専門家」と言っていたように思う。彼らも、様々なビジネスイシューに対して課題解決策を検討するという役割は同じだが、<b><span style='color:#0000ff;'>事象のモデル化や、適切な数理工学手法を適用選択するという、いわば上流寄りのコンサルが主流であった</span></b>だろう。
現在では、利用可能なデータが膨大となり、計算処理の制約もほぼ無くなったため、モデリングの繊細な作業は行うとしても中心から退いた。むしろ、<span style='color:#ff0000;'>ソフト依存のデータ処理+統計処理+分析+パッケージソフトのオペレータ+普通のビジネスコンサルという、ITではあるが理系臭さの無い実務者よりの職</span>になっているようだ。
本書は、TQCの考え方(重点思考と科学的思考)のエッセンスを極限まで煮詰め、IT実務家ならではの「失敗集」と合わせることで、実際にこの仕事にあたっている数多の理系出身「データサイエンティスト」にとって、得るところが多い内容になっていると思う。