- Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797438932
感想・レビュー・書評
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弁天台場から始まるのが非常に新鮮でした。が、正直ものすごく読み辛かったです。小説とも考察ともつかない文章構成で、しかも同じ内容の話が何度も繰り返されるのでテンポも悪く読みが進まない進まない。(おかげで作者の言いたい事はよくわかりましたが)本書の相馬さんは終始周囲の人を恨んだり責任逃れしたりしています。おそらく文中の相馬さんを通じて作者の考えが語られるので、そんな人物像になってしまっているのだと…。小説風にせず普通に作者の考察として読ませていただければいくらか面白く読めたのでは…と思います。あとがきでもまだ同じ事が要約して書かれていたので、極端な話「あとがき」を読めば内容はわかります(笑)。引用部分では必ず出典が挙げてあったのが好印象でしたが、全体的に引っかかりの多い一冊でした。消化不良なので、反動で思い切り潔くてかっこいい相馬さんの創作が読みたくなりました。
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怒ったり、泣いたりと人間らしい感情をあからさまに顔に出したりする相馬さんが、苦悩と葛藤の末に弁天台場の単独降伏を決断するお話。
この小説の相馬さんの屈折した性格が笑えました。
もう、なんでもかんでも人のせい。自分はまったく悪くないと思ってるあたりがなんともはや……。
人の話を聞かない、けっこう我が儘で自分勝手な人のイメージ。
土方の命を奪おうとしたりして、しかも『僚友野村を失った相馬は土方に対する怨念をますます膨らませて彼に対する復讐を自らに誓った(本文より抜粋)』とかあり、相馬の暴走は止まることを知りません。
あともう一つ相野ポイントも紹介。
『相馬が悲涙にむせんで見守る野村の遺体〜云々〜』
なんと、この小説の相馬さんは野村の亡骸をお持ち帰りして称名寺に埋葬してます。愛です。そこかしこで野村を思い出したりもしてます。
土方死後はその恨みを榎本&松平にぶつけたりして、牢屋でも、松平太郎ちゃんの悪口をずっと心の中で呟いたりしてます。
本人がすぐ傍にいるんだから直接言いなさい。
でも、大鳥さんとは仲良くしてたね。
こんな相馬さんもありかな、っと思えちゃう小説でした。