「ひかりごけ」事件―難破船長食人犯罪の真相 (新風舎文庫 こ 115)

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  • 新風舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797498233

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  • 武田泰淳の『ひかりごけ』のモデルとなった事件の真相を15年の歳月をかけて取材したノンフィクション。

    第一部の『裂けた岬』での鬼気迫る船長の告白に何もかも忘れて、文字を追い掛ける自分が居た。人間として犯してはいけない禁忌を犯してしまった船長の背負った十字架…

    第二部では『ひかりごけ』の背景と事件が歪められて伝聞された謎に迫る。

    『裂けた岬 難破船長食人事件の真相』と『知床に いまも吹く風』を合本し、加筆・修正。

  • 戦時中の日本で実際に起きた食人行為を扱った本です。2部構成で、第1部は食人という禁忌を犯してまで生き延びた男性が戸惑いながらも事のあらましを語っていく展開で、そこには『ヒト』としての本能、『人間』としての苦悩、『臣民』としての悔恨が入り乱れ、生半可な気持ちではとても読むことはできません。第2部は、この出来事を外から見たもので、特に真実が埋もれたまま創作が一人歩きし、それが事実となっていき、男性を苦しめる事になる過程は、当時の状況を差し引いたとしても、現在に共通するところが多いのではないかと感じました。

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著者プロフィール

一九三四年(昭和九年)、北海道空知郡上砂川町生まれ。北海道新聞社に入社し、事件を担当。在職中からノンフィクション作品を発表。退職後は札幌大学講師など。主な作品は『日本史の現場検証』(扶桑社)、『松浦武四郎 北の大地に立つ』(北海道出版企画センター)、『北の墓 歴史と人物を訪ねて』(柏艪舎)、『生還』(柏艪舎)など。1994年より道新文化センターでノンフィクション作家の養成塾、一道塾を主宰。札幌市在住。

「2022年 『小説を旅する 北海道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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