匠たちの名旅館

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  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797672534

作品紹介・あらすじ

吉村順三、村野藤吾、平田雅哉──戦後を代表する建築家たちが丹精込めて作り上げた名旅館の見どころ、そしてこれまで封印されてきた感動の秘話の数々を紹介する。世界よ、これが日本の宿だ!

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  • ■平田雅哉(1900〜
    ・棟梁、建築士の資格はないが数寄屋建築家
    ・村野藤吾が自邸の離れの設計施工を依頼
    ・万亭(京都の一力茶屋の別荘を南紀白浜に移築した旅館)
    ・大観荘(熱海)

    ■吉田五十八(1894〜
    ・東京美術学校出身、後の同校教授
    ・小林古径、川合玉堂邸を設計
    ・大阪文楽座、大融寺正門、料亭岡崎つる家、日本万国博覧会松下館、大阪ロイヤルホテル新館、大和文華館
    ・玉堂美術館、新橋演舞場増築、吉兆改築、吉田茂邸

    ■中村外二(1906〜
    ・数寄屋、裏千家茶室の大工
    ・村野藤吾設計の叡山ホテル、
    ・吉村順三設計のNYロックフェラー三世邸とその茶室、同設計の東山魁夷邸
    ・磯崎新設計のロンドンジョンレノン邸

    ■笛吹(うすい)嘉一郎
    ・数寄屋設計施工
    ・大河内山荘
    ・阪急電鉄創始者小林一三邸茶室
    ・岸信介総理邸茶室

    ■吉村順三(
    ・アントニンレーモンド事務所
    ・東京芸術大学名誉教授
    ・奈良国立博物館で日本芸術院賞
    ・八ヶ岳高原音楽堂で毎日芸術賞
    ・愛知県立芸術大学
    ・国際文化会館(前川國男、坂倉準三との共同設計)
    ・箱根屋、ホテル小涌園、仙石芙蓉荘(箱根)
    ・俵屋増築、新館、京都国際ホテル、ホテルフジタ*
    ・文殊荘新館(天橋立)
     →俵屋に感動した先代が何度も事務所に足を運び依頼
    ・大正屋新館、別館(嬉野温泉)
     →俵屋、文殊荘に泊まり感動した女社長が吉村に依頼
     →椎葉山荘(1995)は、吉村のもと大正屋を一任されてきた板垣弥也が担当。その2年後に吉村死去。
     大正屋は2004年に更なる飛躍を目指して近隣の老舗旅館を買収し、板垣に相談したが、買収契約を終えた月に膵臓がんで死去。享年59歳。
    ・宮内庁との確執で、3年半かけた新宮殿の設計を辞退
    ・大規模建築が多くなっても住宅設計にこだわり続けた
    ・ローコスト、設備へのこだわり、低い天井
    ・内井昭蔵「吉村先生の気持ちがいい空間の秘密は、少ない材料で豊かな空間をつくること、これに尽きるのではないかと思います。」

    ■村野藤吾(
    ・早稲田大学
    ・渡辺節(二代目京都駅設計)の配慮で視察のため渡米して、客として有名ホテルを泊まり歩いた経験が、ホテルスペシャリストとしての経験に生かされている
    ・高輪プリンスホテル貴賓館(現グランドPH高輪)
    ・新高輪プリンスホテル
     →同窓の堤義明が依頼。「建築が芸術であること、そして人に任せることの大切さも初めて知った」と言った。
    ・叡山ホテル*
    ・帝国ホテル茶室・東光庵
    ・志摩観光ホテル東館、西館、都ホテル(京都、名古屋*、大阪)近鉄グループ
     →辰野金吾と共同で設計事務所を設立し、都ホテルの取締役でもあった建築家兼実業家の片岡安からの依頼
    →志摩観光ホテルのオーナーが会社、近鉄社長であり都ホテルの会長でもあった佐伯勇、都ホテル取締役兼支配人でドイツ文化研究所の理事でもあった西彦太郎、志摩観光ホテル初代社長の川口四郎吉ら実業家から絶大な信頼を得た
    ・奈良ホテル*
    ・箱根プリンスホテル、横浜プリンスホテル*、京都宝ケ池プリンスホテル
    ・三養荘新館
    ・宇部全日空ホテル
    ・ドイツ文化研究所

    ■堀口捨己(1895〜
    ・東京帝国大学建築学科出身、東京美術学校教授
    ・料理旅館八勝館(名古屋)

    ■浦辺慎太郎(1909〜1991)
    ・倉敷レイヨンの営繕技師から独立
     →大原孫三郎、總一郎父子がその才能を支援
     →孫三郎は日本民芸館設立に資金提供、洋画家・児島虎次郎に大原美術館のコレクション収集を託す
     →總一郎と浦辺は同じ歳で中学・高校の同窓生
    ・倉敷国際ホテル、倉敷アイビースクエアで建築学会賞を受賞
     →倉敷国際ホテルロビーは棟方志功の版画が壁を囲む
    ・倉敷市民会館、ユースホステル、文化センター、市庁舎
    ・大原美術館分館
    ・倉敷市美術館(丹下が設計した市庁舎を改修)
    ・旅館くらしき(倉敷レイヨン時代)
     →牡蠣料理専門の料理舟、かき増の経営がはじまり
     →總一郎社長が浦辺を伴い突然訪問。「焼杉の板塀が痛んでいるので近所よしみでとりかえさせてもらえないか」と申し出た。その後、總一郎の好意でかき増を大原美術館に売却し、その資金を土地建物購入と改築工事の一部にあて、売却したかき増で引き続き商売をしながら工事した。

     →ワルターグロピウスが丹下健三の案内で訪れた

  • 愛媛新聞読書欄。

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著者プロフィール

東京工業大学建築学科卒業。一級建築士。建築家を経て98年、旅行記『まだ見ぬホテルへ』で作家・写真家としてデビュー。長編旅行記『遠い宮殿』でJTB紀行文学大賞奨励賞受賞。500軒以上の名建築といわれる宿に宿泊取材し、写真集、小説、児童小説を刊行するなど活動領域を広げ、日本建築学会文化賞受賞。取材開始から15年を経て刊行された本書『ホシノカケラ』は、児童小説『サクラの川とミライの道』、写真集『津山 美しい建築の街』と共に、著者ゆかりの街・岡山県津山市を題材にしている。他にノンフィクション『夢のホテルのつくりかた』など著書多数。

「2023年 『ホシノカケラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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