図解入門最新音楽の科学がよくわかる本 (How-nual図解入門Visual Guide Book)
- 秀和システム (2012年3月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798032764
作品紹介・あらすじ
暮らしをいろどる音楽の物理、生理、心理、アート、テクノロジィわかりやすくビジュアルに解説。
感想・レビュー・書評
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感覚ではなく分析して科学で音楽を紐解いてゆく、理系の本。こういう解説本も有り!ですね。
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音楽の楽典等の知識をより科学的な視点で図解・解説している本。
導入部の1章で概観し、音楽とは、メロディ、ハーモニー、リズムで作られていること、音は高さ、大きさ、音色でできているなどを紹介し、2~4章までは、メロディ、ハーモニー、リズムを詳しく解説している。5章からは、楽器、BGM等の音楽の活用、コンサート会場やレコーディングスタジオなどの空間、CD等のオーディオメディア、生理学・心理学、情報科学等についても述べている。
音楽を波などの科学的な視点で見直すには、良い本だと思う。 -
「音楽」に関連する科学を網羅的に浅くまとめた本。
・音の3要素 大きさ、ピッチ、音色
・聴覚の仕組み
・メロディ、音律、テンペラメント、協和・不協和
・リズム
・楽器の科学
・聴覚心理、音楽療法
・コンサートホール
・音楽メディア
・音楽の生理学、心理学
・音楽の情報科学
自分の興味ある分野を知り、掘り下げるきっかけにはなるか。
しかし紹介は浅すぎて、興味がわくレベルに至れない。
p.57
・メロディは脳の中で構成される。音のまとまりを再構成することでメロディーとして認識。認知との関連が深いことを再認識。
p.69
協和・不協和について。
協和感を決めるのは音と音の干渉。
耳の臨界帯域幅の 1/4 の周波数差の音が同時に入力されると協和感が低下する。
臨界帯域幅は音域によって異なるため、C4付近では、1.5半音程度が最も不協和、C3付近では3半音、C2付近では、6半音が最も不協和になる。
(出典: Robert Frances and W.Jay Dowling, Music Cognition, Academic Press, 1985, 図3.11, p.83)
p.93
リズムのゲシタルト
人間のリズムの認識課程「リズム・スキーマ」
脳の中でまとまりを作り出し、「リズム」として認識する
p.206
音楽の展開を読むスキーマ
スキーマによって予測された展開に適度に沿い、適度に裏切ることが快感につながる
p.218
メロディーでの音の推移確率 (マルコフ・チェイン)
民謡や子守歌では、
「ド」の後は1/3の確率で休符が来る、「ファ」の後は1/3の確率で「ミ」が来る、「シ」の後は1/3の確率で「ド」が来る。
同様に和音の推移についても確率モデルが作成できる。
モデルとなるマルコフチェインを用意し、自動作曲させる試みが1950懇ろ行われた。イリノイ大学で自動作曲された「イリアック組曲」。
(最近の自動作曲に関する研究: 幸田拓也, 三浦雅展, 柳田益造, バス課題の自然さを考慮したバス課題の自動生成, 日本音響学会春季研究発表会講演論文集, 867-868, 2003)