静かなリーダーシップ

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798102610

作品紹介・あらすじ

モラルと現実を忘れぬアンチ・ヒーロー型リーダーシップ。組織と個人の狭間の意思決定法。

感想・レビュー・書評

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  • 既存のリーダーシップに対して、問題を提起している本書。

    本書は言い回しはやや固く平易ではないが、現実の問題を解決していく静かなリーダシップを発揮する人たちの具体例を追いながら、現実のリーダーとはなにかを見せてくれる。

    この書籍で語られる静かなリーダシップは、従来の、ヒーロー的な、崇高な旗印を掲げ、自己の犠牲も厭わず、勇猛果敢に目的に向かって障害を乗り越えるリーダー像ではなく、慎重に静かに思慮深く粘り強く問題に向かい解決する。華やかさはなく、誰もが憧れるヒーローでもない。だが、現実の問題を現実的に回避し、現実的な範囲で解決する現実のリーダーである。

    理想化されたリーダー像を追い求めるのではなく、現実的なリーダー像を見せている。日常の問題に対して、実践的で責任ある手段を考えさせてくれる。

    この書籍はフレームワーク的ななにかを与えてくれるわけではないが、現実の問題への現実的な向き合い方を今一度考えさせてくれる。

  • こういうタイプのリーダーは日本には多いのではないかと思う。ヒーロー型リーダーの方が破滅的なのかもしれないが、見たり読んだりする分には面白い。

  •  ジョセフ・L・バダラッコ(Joseph L. Badaracco, Jr.)の『静かなリーダーシップ(原題 "Leading Quietly")』を買ったのは、恐らく15年位前になるだろうか。非常に印象に残った本で、未だに時折再読する本の一つだ。 
     仕事を進めていくにあたってトラブルは常に起こる。特に社内でのトラブルは厄介である。解決できない、と思える事さえある。そういう時に、この本を落ち着いて読むことで、多くの示唆を得る事が出来ると(私は)思っている。
     外部の人間が関与せねばならない程の問題ではないにせよ、内部のトラブルというのは逃げ出したくなる程厄介な事になるのが殆どだ。つまり、「ヒーローは要らないが、平凡であるつつ厄介な問題」に、多くの「名もない人々」は日々頭を悩ませているのだ。
     よくあるMBA系の本にあるような「リーダーシップ云々」の本には、そういう「瑣末な」問題への対処はあまり書いていない。しかし、「メジャー級のトラブル」の数百倍もの「瑣末で厄介なトラブル」の為に、多くの時間が浪費されているのが実情ではないだろうか。少なくとも、私はそう思う。
     この本の目次を転記してみる。
    ---
    序章
    第一章 現実を直視する
    第二章 行動はさまざまな動機に基づく
    第三章 時間を稼ぐ*
    第四章 賢く影響力を活用する*
    第五章 具体的に考える
    第六章 規則を曲げる*
    第七章 少しずつ徐々に行動範囲を広げる*
    第八章 妥協策を考える
    第九章 三つの静かな特徴
    付録:出典に関する注記
    解説
    ---
     特に*を付けた三章、四章、六章、七章は、共感できる人が多い言葉ではないだろうか?
     「放っておいても、少なくとも収益に重大な影響を与えることは無いが、コンプライアンス等に問題がある」とか、「慣習的に継続されてきた作業に、重大な問題点を発見したとき」等、『見て見ないフリをすれば、やり過ごせる』類の問題に直面したとき、どのように取り組めばいいのだろうか?と頭を抱えてしまうのが殆どだと思う。
     しかし、それに対して「粘り強く」、「自制心」をもって対処していく事が、いかに重要で、数多ある『ビジネスヒーロー/サクセスストーリー』よりも遥かに現実的に対処できるか、を、この本は説いている。
     日々、瑣末な作業の処理を繰り返しながら、中長期的なリスクや問題・課題を解決していく時に、ヒロイック(英雄的)な働きやドラマティックな展開など鬱陶しいだけである。それよりも、毎日1mmづつ机をずらすが如き地道な変革による改善が、もっと評価されても良いのではないだろうか。

  • ビジネス選書サマリー。今まできたらできたりした画像すなわちカリスマ性があり決断力があり自己犠牲を押し圧倒的成果をたたき出す誰もが憧れる存在そんなリーダー像と対比をなす静かなリーダー像を提唱する。

    リーダーシップを取り上げた方は無数にあるが、このような視点で書かれた本が珍しい。しかしほとんどの人間は偉大になれない人間。そう考えると一般人が到達しやすいリーダー像を示していると言える。

    一言で言えばいろんながんばり方があるんだよと言うことになる。

  • ヒーロー型ではないリーダーシップ論の本。保身を肯定的にとらえ、普通の人が、個人の利益と組織の利益の間で、倫理観を持ちながら、1番良い意思決定と行動をどうとっていくべきかを述べている。ミドルマネジメントへのメッセージ。
    ブレーキとして自制と謙遜を保ちながら、アクセルとしての粘り強さを保つ。自制、謙遜、粘り強さの3つ全てが欠かせず、その3つを保ちながら静かなリーダーシップを発揮させることを紹介している。

  • 自制のリーダーシップ。
    途中までおもしろい事例並ぶ。
    たくさんの矛盾を抱えつつも逸脱しない範囲で行動する。
    目立たないがいて欲しいリーダーシップ。
    上手な妥協。

  • via fkino blog

    私は前から、アジャイルやプロジェクトファシリテーションに関する取り組みについて「自分のまわりを良くしたいし、それだけでいい。俺、ジコチューだし」と公言しています。

    そんな私はこの本を読んでかなり勇気づけられました。「それでいいよねー」と。

    「風向きを読む」というメタファーは、気球乗りの私にとって、とてもイメージし易かったのが印象的。

    他にもたくさん付箋をつけました。結びの一文がステキ。

    「これらの努力は、歴史の本に記載されることも、見出しになることもないが、すべて重要なのである。このように来る日も来る日も、無数の目に見えない小さな努力を続け、今日も静かなリーダーは世界を向上させている」

  • 従来のリーダーシップ論は、偉大で強いヒーロー型のリーダー像を強調してきたが、本書はそれとは異なる「静かなリーダー」について書いてある。組織内の日常的な問題解決に有効。

  • 読了

  • 「静かなリーダーシップ」
    ヒーロー型ではない、支援型、サーバント型のリーダーシップみたいなものかと思って読んだら、かなり違った。自分の価値観と組織の現実との間で、擦り合わせ(妥協)を行いながら、自分のキャリアを危険にさらすことなく、地味に粘り強く努力を続ける人のこと。
    という意味では、これまでのリーダーシップ論とは、かなり違う観点ですね。
    日本型の調整型のマネジャーとどうちがうのか?など、いろいろ考えながら、読んだ。
    中間管理職にとって、自分の価値観を守りつつ、危機的ななかでも、組織の現実を冷静に踏まえながら、着実に変革を行っていく方法論かな?

  • 真のリーダーは組織における自分の影響力を考えず、道徳的基準をガイドラインとしたビジョンで動く。一方、静かなリーダーは打算的で了見が狭いように見え、高尚さも感じられない。さらには、人の心を鼓舞することも無い。

    相手と自分の最大公約数的利益を得る為の処世術。特に中間管理職向け。自分が持ちえる可能な限りの影響力の使い方。倫理的に正しい事をすることは、時に虫歯治療の為に歯医者に嫌々行くような気持ちと似ている。痛みを極力減らす為に最善の努力をする。

    冷笑主義ではない現実主義。時には必要な牛歩戦術。勉強になった。

  • Leading Quietly ― An Unorthodox Guid to Doing the Right Thing, http://www.seshop.com/detail.asp?pid=3130

  • 大きく目立つリーダーでなくても、静かにリーダーシップを持っているリーダーもいるのだ。むしろ、静かなほうが好ましいことも多々あるということを学んだ。

  • こういうリーダーシップの在り方の方が、好みに合うなあ…(`_´)ゞ

  • 「静かなリーダーシップ」についてケース例を紹介している。
    静かなリーダーシップというのは定義付けが難解で、明確な定義は紹介されていない。

    組織にいながらジレンマに直面した時に、どのように振る舞うか。
    忍耐力高い現実主義者が大きな組織運営上の問題にぶつかったとき、己のリターンを確保しつつリスクコントロールして妥協点を確保する、という振る舞い方がロールモデルになっている。

    2002年に出版された本なのだが、静かなリーダーシップという言葉はこの本を読むまで聞いたことがなかった。
    ちょっと「静かなリーダーシップ」という単語がイマイチだったのかもしれない。静かなリーダーがなしている行動は、チーム内役割でいうとコーディネーター(調整者)の役割だと思うがどうなんだろうか。

  • 一般的に、「成功しているリーダー」と聞くと、
    カリスマ的、あるいはヒーロー的な
    イメージを持つのではないでしょうか。


    本日ご紹介する本は、

    それらとは逆のイメージを持つタイプの
    リーダーについて論じられた本です。

    ポイントは

    「じみなリーダー」
    です。

    ”じみ”ってどんな感じでしょうか。

    犠牲を出さずに、周りの人々や自分に取って正しいと思うことを、
    目立たず、忍耐強く、慎重に、段階を経て実行する。


    ”じみ”なイメージができたでしょうか。


    「自分でやろうとしない」

    複雑な問題に直面すると、自分でやろうとするのではなく、
    「何を学ぶ必要があるか」「だれの支援が必要か」
    をまず、理解しようとする。

    そして、状況を深く掘り下げて考え、
    情報を収集して、他の人々に相談する。

    問題が大きければ大きいほど、
    自分一人でやろうとすると失敗します。


    「少しずつ広げる」

    大問題を連続性のある小さな段階や課題に分け、
    1つずつ取り組む。

    そして、探りを入れながら、
    徐々に少しずつうまく言っている部分を確認し、
    行動範囲を拡大していくのが、最も速い改善方法。

    ルールだけ決めても、うまくいくものでは
    ありません。


    「妥協する」

    妥協というと、いいイメージがありませんが、
    ここでは、「白黒のような二者択一の発想をしない」
    ということです。

    やりたいことを実現するには、
    関係者にも納得してもらわなければいけません。

    しかし、たいていの場合、人それぞれ価値観が異なります。

    関係者の要望とやりたいことの妥協点をみつけて
    最善の方法を見いだし、少しずつ実効していく。


    妥協を考えることが、目的を達成する最善の方法になる
    場合もあります。



    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    平々凡々とした日常の努力を忍耐強く積み重ねると、ほぼ全てのことが達成できる
    大問題を連続性のある小さな段階や課題に分け、1つずつ取り組む
    「信頼しても切り札は残しておく」=信頼しすぎるのは、信頼しすぎないのと同様に危険である
    影響力には「評判」と「人間関係」という無形の要素が2つある
    探りを入れながら、徐々に少しずつ行動範囲を拡大していくのが、最も速い改善方法
    妥協を考えることが、目的を達成する最善の方法である
    静かなリーダーは二者択一の発想をしない。作戦を実行できる余地は数多くある
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 現実を直視する
    第2章 行動はさまざまな動機に基づく
    第3章 時間を稼ぐ
    第4章 賢く影響力を活用する
    第5章 具体的に考える
    第6章 規則を曲げる
    第7章 少しずつ徐々に行動範囲を広げる
    第8章 妥協策を考える
    第9章 三つの静かな特徴
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/309834978e1d5707.png
     

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-11170675670.html

  • 生きていく中で、人それぞれ何らかの問題に直面する事があると思います。それは、どんな規模でもグループを管理する責任ある立場にいる人には比較的多く訪れる事だと思います。問題が発生したその時、いかにリーダーシップを発揮しリスクヘッジを行なえるかが円滑な組織運営の鍵になってくると思います。この本には様々なケースによって、そしてその人の立場や人脈によって解決策が描かれています。責任ある立場にいる人には疑似体験でき、様々な視点から行動分析がなされていますので、おすすめの本です!
    かなり勉強になります。

  • リーダシップって

    前面に立って

    なんか

    引っ張る

    アニメで言うと

    ドラゴンボールのごくうとか

    ろくでなしブルースの前田とか

    ワンピースのルフィとか

    なんか

    少年アニメばっかりだなぁ。。。

    そんな絵を

    想像すると思います

    リーダーって

    そういうもんなんだよっていう風に

    洗脳されているからね

    んで

    この本は

    その

    洗脳を一気に覆してくれます

    冒頭の文章にしびれます

    これ


    人間の理想を貫こうとする人のうち、大衆の目に留まる行動を起こせる人はごくわずかしかいない。

    その他の人は全て、人目につかない小さな行いに甘んじている。

    しかし、そうした小さな行いの積み重ねは、大衆に広く認められる行動よりも、何千倍も強いのだ。

    小さな行いの積み重ねが深い海洋なら、大衆に認められる行動は、その海洋に浮かぶ波の泡のようなものである。 だってさ人に認められるために生きるわけじゃないし人から称賛されるために生きるわけじゃないのになんか人から認められたり、賞賛されたりすることって素晴らしいそういう人間は価値があるそういう人間になりなさいよって教わったりそういう人間に憧れたりっていう印象がありますよねでも、そうじゃないんだなぁって別に目立たなくったって人から称賛されなくたって認められなくたって価値のある一歩一歩が小さな行動の積み重ねがすごく大切なんだって改めて思いました。まぁ当たり前っちゃ当たり前なんですけどねーあと良かった文章は
    複雑な問題に直面すると、忍耐強さと粘り強さをもって、自分が何を知っているのか?

    何を学ぶ必要があるのか?

    誰からの支援が必要なのか?

    を理解しよう。



    ってとこですかね、

    外国人のたとえ話が多い本は嫌いなので

    ほとんどはしょって読みましたが

    それだけでも

    価値のある本でした。

    忍耐と粘り強さを持って

    困難なことが来ても

    できる

    って先ず声に出して

    可能性を探っていく

    糸はなかなか見つからないかもしれないけど

    焦ることなく

    コツコツと

    やり続けてれば

    きっと

    解決できる

    そう思います。

    それにしても冒頭の文章は良かったなぁ

    ほんと

    最高傑作ですね

  • 松下幸之助は、非常に優秀な人は、
    会社を立ち上げるような大きな仕事をする可能性を持っているが、
    その半面、会社をつぶすような失敗をする可能性も持っている、
    と言っていました。

    つまり、優秀な人は優秀なゆえに、
    独断で判断するために、
    時に大きな失敗をするということです。

    この本は、大胆な決断をする優秀な人(リーダー)
    も必要であるが、静かなリーダーも
    組織には必要である、と考える一冊です。


    ・実践的なリーダーは、難問に直面してもすぐに
    「答え」を出すのではなく、従来のリーダーシップとは
    まったく違ったことをする。すなわち、問題に突進するのではなく、
    何とかして時間を稼ぐ方法を考えるのだ。(p69)



    ■静かなリーダーというものは、
    大胆不敵なリーダーとは違い、
    非常に慎重です。

    考える時間を稼ぎ、
    環境を調査し、
    妥当な判断と配慮をします。


    ・これらの人々には、自制、謙遜、粘り強さという
    三つの平凡な特徴がある。(p198)



    ■大きな組織においては、
    調整型のリーダーが必要となるようです。

    急激な変化は起こさないが、
    組織内の対立を調整し、
    正しい方向に導くリーダーも必要なのでしょう。

    静かなリーダーは、上司が不正を行っている時に、
    部下がその上司に不正の事実を付きつけて批判して
    会社を飛び出しても、影響力を行使できはしないと考える。・・・
    飛び込む前に周りを見回すだけではなく、熟考して計算する(p109)


    ・なすすべがないときには、一歩下がってみることである。
    時には、問題が複雑すぎる・・・このような場合、道徳的に
    責任ある行動とは、時間を稼ぎ、適切な人間に問題を対処させる
    ことである。(p129)

    ■何の仕事でもそうですが、

     間違いのない判断をするということは、

     なかなか難しいものです。



     自分がよく知っていることであれば、

     自分だけで判断しても問題ありません。



     しかし、すべての仕事を深く知ることは、

     なかなか難しいのが実際です。



     ですから、仕事に責任を持っている人は、

     いかに正しい判断をするか、衆知を集めるには

     どうすればいいか、常に考えているのです。




    ■私は、特に重い責任を負っている人は、

     この正しい判断をする技術というものを

     大いに考えなければならないと思います。



     つまり、一つの判断をするにあたって、

     自分の考えをどの程度重視するのか、

     自分の考えに間違いがないかどう確認するのか、

     ということです。



     いいかえれば、自分の深く考えた結論を持ちながらも、

     そのマイナス面も知る努力をして、

     総合的に良い方向で決断ができる仕事の進め方、

     これが責任者としての大切な一つの技術といえるのでしょう。




    ■もし、そのような技術に関心をもたず、

     自分の考えに固執し、これは間違いない、

     これをやればいい、と強制するとすれば、

     組織にとっても大きなマイナスでしょう。



     物事の判断には100%正しいものは

     ありません。プラスとマイナスがあり、

     プラスを生かして、マイナスを最小限にする

     配慮が必要なのです。



     日々の判断において、

     常に正しい判断ができるように努力することは

     いうまでもありませんが、自分の実力を上げつつ、

     衆知を集める工夫をしていくことが

     とても大切だと思います。

  • タイトルを見ると”目立たないが立派な人”の話かと思うがそうではなく、内容は処世術に近い。
    現実的な形で、事を荒立てることなく問題の対処をするには・・というビジネス倫理の本。
    基本的には、他人の反応は予想外のものなので慎重になるべきだ、複雑なものを複雑なものとして受け止めよ、というもの。

    そこまで目新しい内容ではないと思うが、事例を読みながら気をつけるべきことを再確認できる。

    34頁、「多くの場合、人はきまぐれで、自己の利益を追い求めるにも、間接的になったり、後手になったりする」などは、他人が予想外の反応をすることに対しての現実的な見方。

    さほど練られた内容ではない。

  • 開始:20070310、完了:20070310

    一般的なヒーロー型のリーダーシップ論とは一線を画している。
    焦点を目立たない普通の人が直面する問題に焦点を当てている。
    そうした中で、倫理観を持つ普通の人がどう行動するのか、
    というところから静かなるリーダーシップを定義している。
    静かなるリーダーシップとは、ヒーロー型リーダーシップとは
    異なり、リスクをとらずに(保身をとりながら)、それでも自分の
    価値観、倫理観に従って問題に対することである。
    たしかに、世の中を動かしているのは実際にはこうした無名の
    人たちなので、ここに焦点をあてるというのは面白い試みだと
    思う。しかし、事例に際しても、「答え」が書いているわけで
    はないので、いまいち捉えどころがないともいえる。
    全体的にはそれほど面白みのある内容ではなかった。
    以下メモ。
    無数の無名の人が世界を毎日動かしている。
    真のリーダーとは、忍耐強くて慎重で、
    段階を経て行動する人、犠牲を出さずに、自分の組織、周りの人々、
    自分自身に正しいと思われることを、目立たずに実践している人。
    タイレノール事件、1982年。7人なくなる。J&Jはただちに
    大胆な対策。
    世界を動かして変革するのはこうした静かなリーダーシップ。
    本書の目的は、自分の価値感に基づいて生きながら、
    自分のキャリアや評判を危険にさらすことなく、困難で
    深刻な問題を引き受けたい人々に有益で実践的な発想を提供すること。
    現実主義者。
    (例)オルソン医院長、副医院長のリチャード・ミラーがセクハラをした。
    ミラーに辞任をせまったが翌朝の新聞で不当な解雇と記事がでた。
    人生とは、後ろを振り返れば理解できるが、前向きに生きなければならない。
    「計画に頼るが、計画は信頼しない」byアイゼンハワー大統領。
    (例)大手製薬会社の営業マン
    新しい営業キャンペーンは違法行為すれすれ。
    給料や昇進の機会は逃したくないが法律違反もしたくない。
    会社は自分を助けてくれない。
    「いちゃもんゲーム」
    誰かがジョン・F・ケネディやマーティン・ルーサー・キング牧師をほめたら、
    ゲームの参加者はこの2人は浮気をしたといえばいい。
    コルテスは世界全体を変えようとはしなかったが変える術もなかった。
    会社の事業方法を大々的に変更できる立場ではなかった。根本的な事実。
    (例)2人の子供をもつシングルマザーを解雇することに。
    解雇の決定は倫理問題でもある。救命ボートに乗れる人数は限られている。
    ある人は仕事を確保してある人は失うのだ。
    静かなリーダーは会社を辞めずに戦う道を選ぶ。しかし無謀な戦いはしない。
    飛び込む前に周りを見回すだけでなく、熟考して計算する影響力を
    必死で賢く使おうとする。
    静かなリーダーは、簡単に規則を曲げはしない。
    少しずつ徐々に行動範囲を広げる。
    2人のうちどちらが本当の母親であるうかを判断するために、ソロモン王
    は子供を半分に切ることを提案した。赤ん坊の本当の母親はその恐ろしい
    考えに泣き出し、子供をあきらめると言った。
    これこそソロモン王が待っていた反応だった。強烈な価値感、
    倫理観、深い信念を持つ人々は、これらが危機に瀕している際に
    策を弄さないものだと王にはわかっていた。
    静かなるリーダーは二者択一の発想をしない。
    静かなるリーダーは感情を抑える気はないが、できる限り効果的に感情を
    コントロールしながら周りにつたえる。
    目的は自分の役割を果たすだけ。
    自制、謙遜、粘り強さの3つがかかせない。
    リーダーシップに保身と倫理を組み込んでいる。

  • 普通のリーダーシップ論に飽きたらおススメです!!

  • 分類=仕事術。02年9月。

  • タイトルが文字化けしてしまっていますが、『静かなリーダーシップ Harvard business school press』と言う本です。<br>
    女性起業塾ベーシックコースの課題図書で、前田義子さんの本に並び、ためになる本だと思いました!!<br><br>
    ☆★☆<a href="http://blog.livedoor.jp/osana_book/archives/28347353.html" target="_blank">私の感想はコチラ</a>☆★☆

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