トラウマが99%消える本

著者 :
  • すばる舎
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799104606

感想・レビュー・書評

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  • 筆者は臨床経験者数6000名以上の心理カウンセラー。
    自身も数種類の精神疾患を乗り越えた経験がある。

    自身の経験、自分語りに紐づいた説明が多い。
    自伝小説に近い構成。

    過去の実例紹介が主体。
    答えがズバッと提示してあるハウツー本に慣れていると分かりづらいかもしれない。

    著者と同じ境遇、著者が受け持った患者さんと同じ境遇の人なら、共感や学ぶことが出来るのではと思う。

    第1章は著者の半生。
    大好きな里親の夜逃げ。
    小学4年生からの統合失調症
    様々な精神疾患を患っていく過程が書かれている。

    私見)
    文章を解釈する作業の必要度が高い。
    他のメンタルヘルス関係の本と共通することは書かれている。
    正直、自分的には内容がぼやけているように感じた。
    具体的な解決策が書かれていないところは精神論に思えてくる。
    筆者のクセなのか、ところどころ一足飛びで結論付けられる。
    読んでいて非常にモヤモヤして相性の悪さを感じた。
    自分にとっては「必要な本」ではなかったのかもしれない。

    <第1章 絶望の淵から這い上がった私の半生>

    私見)
     ここまで精神を病んで、ここまで「死にたい」と思って、それでなんで生き残れたのだろうか?
     子供のころから「いらない人間」と感じていて、一体何が生きることに引き止めていたんだろうか?
     思い留まれたたのは、「恩人、支えてくれた人がいたから」とのこと。なのだが、そこまでの人がいてくれたのに症状は続くとは?
     
     結局のところ、著者の苦痛は他人、親に期待しすぎたことなだと思う。
     子供のころは仕方ないとしても、中学くらいで他人を見限ればもっとラクに生きられたんだろうなと。
     自分も小学校卒業くらいには親に期待することをやめていたので、著者もそう考えられたらよかったのに。

    「親は利用するもの。体の良い金づる」
    「親が子を養うのは法律で決まっている義務」
    「子供は親に養われて当然」

     このぐらいに思っておくのがちょうどいい。

     小説なりの物語でもよく目にするが、何故にそれほどまで親、家族に必要とされたいのだろうか?
     血がつながっていようと他人であることには変わりないのだから、反りが合わなければさっさと見限るなり、離れるなりすればいいと思うのだが・・・。養われている子供の時期でも「適当に合わせて受け流す」ぐらいはできるだろうに。
     
     親子とは執着するほどのものなのか?

     著者の半生はたしかに凄まじい苦悩の日々だと思う。
     同時にひどく「言動のミスマッチ」を感じてしまう。
     
     自分はズレているのだろうか?
     何かを読み間違え、読み逃しているのだろうか?

    余談)
     自分はサンタクロースを信じていた記憶がない。
     保育園の頃には「クリスマスとはサンタクロースがプレゼントを配ってくれる」という設定のイベントと認識していた。
     
     自分は根本的に他人に期待や信用をしない人間なのかもしれない。

    <第2章 心の奥の叫び声をちゃんと聞いてあげよう>
    「トラウマ」
    不安、恐怖、心配が記憶の中に鮮明に残る。
    そのときの状況、心境に近い状態になると思い出す。
    自分にとって大事なことほどトラウマになりやすい。
    →大切にしているもののバロメーター。

    ※トラウマは大事だったことの証拠。
    忘れる必要はない。

    トラウマを克服するためのステップ。
    ①感情を見る。
    ②自分が物事をどう見ているかを知る。
    ③手放す。
    ④新しい解釈を手に入れる。
    ⑤自分をコントロールする術を身につける。

    トラウマ=危険を避けるため。
    人間の本能。
    生き残るため。
    恐怖感、不安感は必要。

    ①感情を見る。
    「解釈と因果関係」

    トラウマへの「解釈」
    記憶、出来事に対して勝手に因果関係をつくってしまう。
    例)
    海に入った日の夜に熱が出た。
    →海のせいで病気になった。
    =海なんて大嫌い!

    海=危険。海=嫌い。
    →一方的な解釈。
    思い込みでこじつけてしまう。

    正しい記憶の処理。
    海に入って熱を出した。
    真夏の海は日差しが強い。
    →帽子を被っていけば大丈夫。

    体調を崩したことの因果関係を正しく理解。

    トラウマに向き合う。
    辛い、怖い、苦しい。
    →「自分にとってそれだけ大切なことだった」

    冷静に受け止め、因果関係を見直す。

    「コンプレックス」
    同じ状況でトラウマになる人、ならない人。
    例)
    大学受験
    Aさん;受験失敗→学歴コンプレックス(トラウマ)
    Bさん;受験失敗→「なんてことはない。1つの経験!」

    Aさん;親の期待→「合格して認めてもらわなければ」
    Bさん;努力目標→「合格できたら最高だよなぁ」

    Bさんの親は勉強を強要していなかった。

    プラス感情、自己肯定力、希望
    →トラウマにならない。

    マイナス感情、自己肯定力不足。
    →トラウマになりやすい。

    自己肯定感、自信の強弱。
    →トラウマの刻まれやすさが変わる。

    トラウマ後の心身の状態
    →トラウマの強度や出現率も変わる。

    ネガティブ状態→強度(大)出現率(増)
    =「嫌だ!逃げ出したい!自分に価値はない」

    ポジティブ状態→強度(小)出現率(減)
    =「あ、嫌だな!っま、いっかー。ネタの一つ」

    トラウマ=自身の状態が出来事に意味づけられている。

    ②自分が物事をどう見ているかを知る。
    「過去の亡霊」

    トラウマ=過去の亡霊。過去の傷。
    自分で勝手に創り出した妄想。
    →実体のないもの。
    =誇張、増幅される。

    トラウマは自分で創り出したものと認める。

    認める。
    →過去は過去として残る。
    =トラウマとして誇張されなくなる。

    ※過去の嫌なことは自身を縛るようなものではない。
    亡霊は自分が創り出さなければ存在しない。

    過去を認める。
    「自分も同じ立場だったら、同じことをしていたかも」
    違った見方ができるようになる。

    ③手放す。
    「目に見える形にする」
    心の傷の消し方。

    過去の辛い出来事。
    一つ一つの事実について感情を見直す。

    人を突き動かすものは思考ではなく感情。
    「その時どう思ったのか」が重要。

    感情を見る。
    →自身を客観視できる。
    =ありのままの自己認識。

    感情を可視化する。
    なぜその感情に至ったのか書き出す。
    →自分を「個」として見る。
    =自分を外側から客観視できる。

    感情を言語化。
    感情を言葉として書き出す。
    →感情が内面から外に出ていく。
    =思ったほど感情が大きくないことに気づける。

    内面にとどめたマイナス感情
    →大きく膨らんでいく。

    外に出したマイナス感情
    →小さくなっていく。

    「ありのまま」を受け入れる。
    プラス面、マイナス面。
    「あるもの」として受け入れる。

    ※人間はもともとマイナス面を記憶にとどめるように出来ている。
    マイナスの記憶が多くて当然。
    記憶していてもいい。

    逃げ出したい感情。
    そのままに思う。
    「逃げ出したい」感情なんだと思う。

    1つひとつ解決より、1つひとつを現状把握。
    現状把握し、受け入れる。
    大きな解決への一歩。

    ④新しい解釈を手に入れる。
    自己肯定感が低い。
    →自分を受容することが出来ない。

    思考を変えるために。
    「ありがとう」と思ったことを毎日ノートに書く。

    感謝の気持ちを思い出す。
    「ありがとう」と言えることをしてもらえた。
    →自分も価値のある人間なんだと思える。
    =自分を認められる。

    自分を認める。
    ありのままの自分を受け入れる。
    無理に変わろうとする意味を感じなくなる。
    →変わらなくてもいいんだと思える。
    =自己肯定感。

    「トラウマ」という執着。
    トラウマ=大事なものに関係。
    大事なものを失う。手に入れられない。
    →心の傷になる。
    →執着する。

    トラウマに執着。
    →トラウマ=自分

    トラウマと自分を一体化してしまう。

    自分の一部になったトラウマ。
    →手放せなくなる。
    =苦しみになる。

    トラウマは個性と考える。
    認識方法の違い。
    人それぞれにトラウマがある。
    →個性につながっている。
    →トラウマへの認識を変える。

    トラウマ=個性
    自分を傷つけるだけのものではないと感じられる。

    <第3章 「解釈」を変えれば過去が変わる>
    「楽になる考え方」

  • 私は特にトラウマがないので(←なぜ読んだのだ)、本書を読んで本当にトラウマが消えるのかどうかは良くわからない。ただ、『負の感情を捨てる方法』に比べると自分語りが多くて、ちょっと鬱陶しかった。あと、後半部分になると『負の感情~』と書かれている内容がかなりダブっているので、どちらかを読めば十分なようにも思う。なぜかAmazonでは酷評されているが、そんなにひどい内容だとは思わない。けど、さしてよくもない。

  • トラウマをほぼ消えるようにするための本。
    筆者の幼いころからカウンセラーになるまで人生経験も書かれています。

  • トラウマ克服
    感情を見るー55頁のやり方

    1.感情を知る
    トラウマはどんな時に起こるのか
    大事なことだから残る
    身の危険を守るためにある
    人は解釈で世界を理解するー解釈のズレによるーだから、その出来事にしっかり向き合う事!
    完璧主義
    マイナス感情(プラス感情、希望に溢れてる時は起こらない)
    自分の心が全て作り出した。トラウマを私が作り出し心に残した。ーだから誰かをうらむ必要はない。これ以上傷を抉らない。そしてそれと決別し闘い本当の私を勝ち取る時!
    ⭐︎いかに客観視し、言語化するか。そしてその現状を把握し受け入れる。
    トラウマは個性。でも辛いなら手放す決意!

    2.解釈を変えるー楽になれる考え方
    事実だと思っていることは事実ではない
    解釈ー事実ーイコールではない
    →この解釈がマイナス感情を作っている!
    解釈=思考に過ぎない

    うまくいかない自分を大切に扱う
    →あるがままの自分(プラマイ両方あり、完璧な私などありえない)を受け入れる
    →人のために行うー逆シャンパンタワーの法則
    →命は決して裏切らない
    ーつまり、変わらなくていい変えなくていい

    愛は人を無防備にさせる。だから、相手の一言で傷ついたり失望したりする。
    相手を許す、自分を好きになる、心に余裕が生まれる
    色眼鏡を外す!125頁
    問題ー物の見方を変えるチャンスー自分の悩みは自分で変えるしかない

    自立の三要素ー自己肯定感(100点も0点もオッケー、自己認識力(ありのままの自分を受けとめ、しっかりみている、自己決定力

    3.フラバの対処
    傷として残るから、プラバが起きる=重りのようなもの。なくそうとせず取り出してみる。

    過去に縛られる必要はない、辛さを認めないと他者を妬んだり自分を傷つけることに。。

    感情の起伏ー生きているから当たり前
    気をそらすって大切ー感情に飲み込まれないために!ー違うことをする、場所を変える、視点を変える。。。
    マイルールをつくるー言葉、五感を使った感覚など
    ⭐︎自分ができることにフォーカス

    5.傷つかない自分になる
    性格は自分の思考の癖ーつまり自分で変えられる。
    人と比較してマイナスになるのではなく、あくまで昨日の自分と比べるのみ。。でもつらいけも。。。
    なりたい人を見つける
    夢中になれる魂が動くことを見つけるー色々動くのみだね!

    世界で1番大切なわたしー日々を丁寧に生き、好きと思える自分を育てましょう
    →人のため世のために。笑顔で。そらゆことだ!
    辛いときは根を貼るーじっとその場にとどまる!ー強くなれる根っこの部分で。

    表面ではよわくてもいい、でも根をはることで着実に表面も強くなる。

  • 著者はよくこれだけの困難を乗り越えてきたなあ、というのは感心しました。

    ただ本の中身は捉え方を変えれば人生は変わるという点を繰り返し言っているだけ。

    わかりやすくする為にシンプルに書いたのかもしれませんが、ちょっと物足りないかな。

  • トラウマを克服するには、事実と気持ちを客観的にみて「解釈」を変えること。
    どんなにつらくても、忘れようとする必要はない。
    だって忘れられないんだもん。
    それよりも、「大切なことだったから思いだしちゃうんだな」って受け止めて、上手に付き合っていくのが正解。

    文章全体から筆者の優しい気持ちが伝わってきて、とても励まされると同時に温かい気持ちに包まれました。

  • 里親の夜逃げ。巨額の借金。統合失調症、パニック障害、強迫性障害の発症など、多数の困難を乗り越え復活した奇跡のカウンセラー・中島輝。常時200人待ちのカリスマカウンセラーの著者がトラウマを消すためのオリジナルメソッドを伝授。心の傷を癒すのにまず必要なのは、「その出来事を忘れること」ではなく、「その出来事は私にとって大事なことなんだと気づくこと」。
    本書は実際のカウンセリングの現場で高い効果があった、オリジナル心理療法、フラッシュバッシュの消し方、問題との向き合い方をまとめています。自分の心との向き合い方がわかれば、何が起こっても大丈夫な自分自身になれます。人生に何度もやってくる荒波。その荒波を起こさないことではなく、起きたときにどういう自分であればいいのか、それを教えてくれる1冊です。

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著者プロフィール

心理カウンセラー。「自己肯定感アカデミー」代表、「トリエ」代表理事。心理学、脳科学、NLPなどの手法を用い、独自のコーチングメソッドを開発。Jリーガー、上場企業の経営者などのメンターを務める。おもな著書に『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』『自己肯定感365日BOOK』(すべてSBクリエイティブ)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)、『うつ感情のトリセツ』(きずな出版)などがある。

「2022年 『「知らんがな」の心のつくり方 あいまいさを身に付けるレッスン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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