LEADER's KPT

著者 :
  • すばる舎
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799107515

感想・レビュー・書評

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  • 最近よく「ふりかえりが〜〜」みたいな事を考えているので読んだ。「アジャイルなチームをつくるふりかえりガイドブック」の巻末で、参考書籍として挙げられていたので手にとった本。

    KPT自体は元々知っているし何度も使った手法なので、その方法について教科書的におさらいできた点でまず嬉しい。
    書籍タイトルに「LEADER'S」と冠している通り、単なる「やり方の紹介」よりも「目的」「活用方法や効果」といった側面で、少し高めの視座から紹介されている。そうした話こそ自分が期待した内容だったので、有り難い。

    「自律的なチームを作る」「そのためにはメンバー自身のリーダシップ、オーナーシップが必要」「そうした土壌づくり・練習としてKPTが効く」というような論調。
    KPTの中で「発言させる」、「自分たち自身でやること・取り組むべき課題を選定させる」といった流れを作れること、あとは副次的であれ「自分の意見を話しやすい場」において「他人に批判的・否定的なことが如何にマズいか」というのも実感できるから〜・・という効果もありそうかな。

    「リーダーの振る舞い」についても触れており、「何でもやりすぎるのはよくない」「そこから脱却するためにKPTを・カイゼンを」というような話もあって、ふむふむと言いながら読んだ。「GROWモデル」「強いチームを育てる」というキーワードも出てくる。

    KPTというアクティビティだけにとどまらず、「継続的(反復的)に行うこと」も重視すべきだ、という。「挙げたTryがしっかりと実行されているかをトラッキングせよ」という話。そこまでやることで、単なる「心理的に安全な状態で課題や強みに目を向けられる」だけでなく「小さい改善を積み重ねる」ことができ、そうして「カイゼン体質なチーム」ができるとの話。(本書では「改善」と「カイゼン」の両方の表記を使い分けている) これは、自分が少し見落としがちな視点だったので「そうか!!」と思った。

    その他に、

    * KPTの簡易版として「表明じゃんけん」を用いた代替的な振り返りを導入してみる
    * KPTをより効果的にするためにKPTAという派生フレームワークがある
    * KPTで上がったカードからチームの状況を定量化・可視化できる(例: 「新規P / 総意見数」の公式で、チームの問題意識について測る)

    といった箇所が、個人的に心に残った

    この1冊でも十分に学ぶべきことがある・実践的ではありつつ、もしかしたら先行して「そもそも振り返りとはどういうものか?」を扱った書籍等を読んでおくことで、より深い納得感を持ちながら楽しむことができそう

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著者プロフィール

株式会社永和システムマネジメント コンサルティングセンター センター長。OKR Japanマスターファシリテータ第一号。

総合電機メーカーの情報システム部を経て、2002年より現職。オブジェクト指向をはじめとするソフトウェア開発技術および、アジャイルソフトウェア開発手法の導入に関するコンサルタントとして活躍。ソフトウェア開発現場を楽しいものとするため、アジャイルソフトウェア開発の実践・コンサルティングから得られた知見をもとに体系化した、チームファシリテーションの普及に注力している。アジャイル開発コーチ業務でかかわった顧客は、キヤノン、富士通、オリンパス、本田技研工業、ヤフー、ビッグローブ、NTTデータCCSなど。

著書に『これだけ! KPT』(すばる舎リンケージ)がある。また、『リーン開発の本質 ソフトウエア開発に活かす7つの原則』(日経BP社)などの翻訳のほか、日経ソフトウエアなどに雑誌記事を多数寄稿。

「2019年 『最短最速で目標を達成するOKRマネジメント入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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