移動力

著者 :
  • すばる舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799108123

感想・レビュー・書評

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  • 割と引っ越しは多い方だ。その中で、色々な気づきがある。定住は思考の停止につながる可能性もあるよなと、ちょっとだけ思いました。

  • この本を読んでから移動や引っ越しに抵抗がなくなった。
    本当に、アホみたいに沢山移動するようになった。
    し、それは決して悪くないと思えるようになった。

  • ずっと感じていた漠然とした常識への違和感を言語化してくれた本だと感じます。
    自分自身実家からは飛び出す様に出て、以来1年に一度は引越しをしていますが、なんとなくこのままここにいたら駄目な気がするという勘に基づいた行動でした。
    本作を読んで、その勘が間違っていないことがわかりとても嬉しい気持ちになりました。
    ただし、著者の話す移動とはアップデートのこと、上に行くためのステップ。
    果たしてそこまで考えているか、自分に戦略が足りないことを痛感し、今後のことを考えるきっかけになりました。

  • 「移動力」によって人生で一番重要な選択肢を増やすことができる。著者が本書で述べている「知識と経験のアップデートには初体験のことをしつづける」を実践するには環境から変えること、すなわち「移動力」が不可欠であると思いました。

  • 462

    長倉 顕太(ながくら・けんた)
    プロデューサー、作家、編集者としてあらゆるコンテンツの企画やプロモーションに携わるほか、インターナショナルスクール、人財育成会社を経営。学校などの講演活動も。現在は、サンフランシスコ在住。1973年東京生まれ。大学卒業後、アルバイトなど職を転々とするも、28歳のときに出版社に拾われ、編集者としてベストセラーを連発。現在は独立し、サンフランシスコに住みながら、ハワイにコンドミニアムを持ち、東京、大阪、福岡を拠点とし、コンテンツ(書籍、電子書籍、オウンドメディア)のプロデュースおよび、これらを活用したマーケティングを個人や企業にコンサルティングのほか、教育事業(若者コミュニティ運営、インターナショナルスクール事業、人財育成会社経営)に携わる。



    そんな私が独立してからは毎週のように東京、大阪、福岡と飛び回り、毎月ハワイとの往復をするようになっていく。さらに、2年前にはハワイからサンフランシスコに拠点を増やしたり、コミュニティを主宰するようになって、海外もいろんな場所が加わり、毎週の国内出張、月2回の海外往復のような生活に変わっていった。そんな生活をしていくうちに、年収はどんどん上がっていき、本を出版するなど、会社員時代では考えられないような生き方になっていった。

    つまり、「移動距離」が尋常じゃないくらい変わったわけだ。その結果、自分の才能というか能力がどんどん覚醒していったと言ってもいい。とにかく、会社員時代の「定住」「安定」という環境から飛び出してみたら、まったく違う世界が目の前にあったことに気づいたわけだ。

    「定住」「安定」の外にいくことで、環境そのものが流動的になるのでキャラクターも流動的になる可能性が出てくる。流動化するということは変化の可能性が大きくなることだから、人生も変わるし、能力も変わっていく。  逆を言えば「定住」「安定」は私たちの能力を制限し、人生を徹底的につまらないものにしていくだけだ。

    ここまでは移動が能力を開花させることについて書いてきた。しかし、移動が能力だけでなく、健康面でも良いことがわかっている。さきほども引用した『サピエンス全史』に次のように書いてある。

    もちろん、医学博士でもない私が言うのもおかしいが、実際、転地療法という治療法があるのは事実。転地療法とは、住んでいる土地を離れて治療する方法で、かつては、治療方法が解明されていない病気なんかで採用されていて、そのために裕福な患者を収容するためのサナトリウムや別荘地が各地にできていた。  現代でも精神的なものが原因の症状などに対して、転地療法は認められていたりする。とくに、うつ病なんかは環境が変われば治ったりするのはよく聞く話だ。

    だから、そんな安定を洗脳させられてきた脳に「移動」という刺激を与えることで、自分の人生を取り戻してもらいたい。

    そして、その対価として給料というエサを与えられる。これが「安定」「定住」の結果なわけだ。それなのに日本人の大半が会社員をやり、学生たちもそれを目指すという不思議。いい加減、目覚めたほうがいい。その第一歩が「移動」だ。しかも、「移動」がこれほど容易になった時代はかつてないから、私はしつこく「移動」を勧めているわけだ。まずは「移動」なんだ。目的なんてどうでもいい。まずは「移動」だ。

    ただ勘違いしないでもらいたい。私はよくありがちな〈海外=自由〉みたいなインチキインスタグラマーみたいになれというわけではなく、移動しまくれと言いたいだけ。極論、観光すらしなくてもいいと思っている。  一部の日本人に多い〈海外=自由〉みたいな概念は、それ自体が陳腐であり、そんなものに憧れている時点で視野の狭さを露呈しているわけだ。少ないとはいえ私のように海外に住んでいる日本人はいるわけで、そういう人にとっての海外渡航なんて日常風景だ。〈海外=自由〉と思っている時点でどれだけ移動していないかの証拠とも言える。

    私がやたらとインプットを重視するにはいくつか理由がある。これは拙著『モテる読書術』にも書いたことだが、私たちは人生を生きる上での地図が必要なのにもかかわらず、生まれたときから「教育」という名の洗脳により、偽物の地図を持った状態にされていると言っていい。持たされたのは限られた狭い世界の地図であり、ぼやけた曖昧な地図だ。

    そして、アウトプットでいえばもう一つ。私は基本、デスクワークをせずに移動中に何もかも考える。動きながら考えたほうが良いアイデアが出るからだ。編集者時代はタイトルを考えるときは、基本的に街中を歩きながら考えた。机で一生懸命タイトルとか企画を考えている部下を見るたびに「外に出てこい」「パチンコでも行ってこい」とよく言ったものだ。アイデアというアウトプットも移動中のほうがいいものが出ると思うので、どんどん外に出て行こう。

    と質問を受けることがある。私が答えるのは「それが、なにか?」だ。ここでも問題になるのが選択肢の少なさだ。私は日本の教育の問題点の一つが選択肢が極端に少ないことだと思っている。父親が銀行員だったため、私も転校したことがあるが、そこまで困ったことはない(もちろん、私はたまたまだったかもだが)。

    という懸念があるだろう。でも、彼は『まだ東京で消耗してるの?』を書いている時点で収入は東京にいたころの3倍になったという(おそらくいまではもっと上がっているだろう)。これはまさに目から鱗だ。  たしかに彼のようにプロブロガーとして情報コンテンツでビジネスをしている人にとってはどこに住んでいても関係ないし、彼の言うように東京に住んでいる人では入手できない情報や感覚を得ることができるというのも頷ける。

    たしかに、選択式のテストならよく考えたほうがいいかもしれないが、人生において時間の無駄なだけだ。なぜなら、選択時には正解は決まっていないわけだし、何を選ぼうが正解にすればいいわけだからだ。私の好きな言葉に、 「最善の選択ではなく、選択を最善にしよう」  というものがあるが、人生はこのように考えるのがいい。悩んでいる時間はもったいない。まずは「決める」こと。だから、まずは独立起業すると宣言しよう。  脳は「決める」ことではじめて、目標に向かって起動すると考えていい。よく言われることだけど、「目を閉じてください。いまいる場所で青色のものがいくつありますか」と聞かれてもなかなか思いつかない。ところが、目を開けた瞬間に青色のものが目に入ってくるようになる。こういうのを「カラーバス効果」といって、脳は意識した情報に目がいくようになる。だから、「一年以内に独立する」と宣言することが重要なんだ。

    アメリカのREMOTE YEARというサービスは1年間にわたって毎月世界各地を転々としながら生活をするというもの。毎月2000ドルの負担でみんなで世界を移動しながら仕事をするという。家賃だと思えば2000ドルは高くない。住む場所、働き場所を提供され、大勢で移動しながら生活していく。このサービスが話題になったということは、世界ではそれだけリモートワークしている人が増えているということであり、それがどんどん可能になってきているということ。本書で再三書いているように、移動しながら生きることが簡単になってきている。だからこそ、ぜひ、あなたにも挑戦してもらいたい。

    このように「移動ありきの人生」がいまの時代は簡単に実現可能だ。そして、「移動」こそあなたの能力を開花させ、人生を変えることになる。移動しまくることで、今までの当たり前が当たり前じゃないことに気づくことになる。だから、今まで見てきた世界と違う世界があることに気づくわけだ。

    さきほど弾丸海外旅行を提案したが、あえて最初のうちはノルマを決めるのもいい。移動体質ができるまでは強制力も必要だ。だから、最低でも年間4回くらいは海外に行くように決めてしまおう。  もしあなたが東京近辺に住んでいるのなら、お金も時間もそこまでかけずに行けるところを選んでもいいだろう。たとえば、台湾、韓国、タイとか。あとはハワイとかでもいい。まずはハードルが低いところからはじめてみるのを勧める。  とはいえ、年4回では少ないので、それ以外は国内も年4回くらいは行きたいところ(できれば、年6回ずつで毎月を勧める)。国内だとしたら、なるべく遠くがいいし、日帰りがいい。私の場合は仕事で福岡、大阪はよく行くが、あえて北海道に日帰りで飯を食いに行ったりもする。

     移動しなくても移動感覚を味わえる方法も紹介する。それは、ロードムービーと言われる映画をたくさん観ることだ。ロードムービーとは、主人公たちが旅をしていくものを指す。人は映画にもリアリティを感じることができる生き物だ。つまり、仮想空間にもリアリティを感じることができるということ。

    1日1冊読書する!

    映画の話をしたので、本の話もしておこう。映画と同じように、小説でもリアリティを感じることが可能だ。そして、拙著『モテる読書術』にも書いたように、読書量と年収は比例することからも、豊かな人生のためには重要だ。結局、5章でも書いたように、 「人生は出会いで決まる」  からだ。そして、残念なことに良い出会いが欲しいなら、自分の教養レベルを上げないことには無理だ。自分のレベルと同等レベルの人としか出会えないのが私たちの生きている世界だからだ。

     よく詐欺話に騙される人は、「すごい人に出会った」みたいなことを言う。当然、そんな人はすごい人には会えないし、本当にすごい人は会わないだろう。たとえば、マーケティングについて知らない人は、目の前にマーケティングの専門家がいても気づけない。知識がないから見えないわけだ。  出会いは自分のレベルによって決まるわけだ。そのためにも読書は必須だし、1日1冊読めるくらいになるべきだ。

    星友啓さん×長倉顕太  特別対談の一人目は星友啓さんです。星さんは全米上位校の一校としても有名なスタンフォードオンラインハイスクールの校長先生です。星さん自身は東大を卒業後、渡米し、スタンフォード大学のPhDを取得し、同大学で教鞭をとりつつ、スタンフォードオンラインハイスクールの立ち上げに参加し、現在は校長をなさっています。オンラインハイスクールということもあり、移動しながら学ぶこともでき、それでいてトップクラスの学力も維持できる。そんな星さんに未来の教育などについて聞いてみました。

    自分ができるのもあるし、あとはみんなが行っている大学に行って、その人生の何が面白いのと考える子ですね。うちの学校にもそんな多くはないですが、1%ぐらいはそういう子たちがいます。うちの学校に来たら大体いいアメリカの大学に行きたいという子が多いですが、うちの高校でもトップクラスの子たちほど大学なんていいやなんて思っていたりします。結局、そういう生徒も親のプレッシャーもあり、一人の生徒は移動を前提としたようなカリキュラムを提供しているミネルバ大学に進学しました。僕たちもやっぱり今のオンライン教育はオンラインだけでは解決しないっていうのも信じているので、オンラインをベースにしつつも実際に会う機会が増えるなと思っています。僕たちの学校でも、スタンフォード大学のキャンパスでイベントをやったり、年に1回はMIT(マサチューセッツ工科大学)のほうでやったり。あとは各地域のミートアップみたいなのを作っています。

    泰一フォックスさん×長倉顕太  特別対談二人目は泰一フォックスさんです。中学までは日本で育ち、その後、アメリカの高校に進学し、大学在学中から起業していて、これまでに5~600のビジネスを立ち上げたという。最近ではニウエという国を作ることに協力したり。そんな彼は地球を年間 40 周もするという移動のプロでもあるので、その思考法などについて聞いてみました。 ※この対談は私が運営しているオンライン内で公開した対談をもとに編集したものになっています

    長倉 たしかにそうですね。なにが当たるかなんてわからないし、今、成功している人も多くの場合がたまたまだけど、「たまたまうまくいきました」なんて言えないから後付けで原因を語っているだけだったり。

  • 移動できるというのは選択肢を増やすということ。選択肢を失った時に生きる希望を失う。選択肢がないからイライラする。
    どんなにお金があっても牢獄に繋ぎ止められていては絶望しかない。
    雇われる仕事のストレスは、誰とどこでいつ働くか選べないから。確かにそうだ。ロシアンルーレットでしかない。うまくいく人もいるけど、私の場合そうではなかった。

    会社員で得をする人は給料以下の働きをする人。笑それもそうだ。

    情報資産、特に教育コンテンツ、電子書籍の出版。
    日本語のコンテンツビジネスは永遠のバブル。なぜなら日本人は英語を話せない人が多いから。翻訳ビジネスで儲かる。

    反省は物事がうまくいかなかった時にするものだけど、うまくいかなかった理由は明確だし、明確じゃない場合は運が悪かったのだ。笑この考え方いいね。

  • 単純に今を変えたかったら環境を変えることっていう事に終始貫徹した本。事例等を用いて、環境を変える重要さを述べていた。
    また、著書の中で「最善な選択ではなく、選択を最善にしよう」っていうのが心に残った。

    この手の本は中々読んでこなかったが、環境を変えてみようと思え、実践に移せているので、個人的には高評価。

    この本の趣旨とはズレるが、この本をきっかけに本のレビューを書こうと思って書き始めた最初の本でもある。

  • 人生変えたければ、あらゆる場面で移動しろ!というメッセージの詰まった本。キャンペーンで無料でいただきました。
    こういう風にマーケティングするのか!と一連が勉強になりました。

    この方の本は何冊か読んでるんですが、ロックを聴いているような感覚です。直球というか、訴えかけられる感じです。

    人は定住したがる。特に日本は安定を良しとする。また移動できないシステムになっている。
    なぜなら、権力者が管理しやすくしているから。

    だから、意識して動かないと人生は変わらない。
    だから、移動する。人間は意思で変化することは難しいから、移動して自分の居場所を変えるのが効果的。

    環境の移動、人間関係の移動、働く場所の移動。

    移動することで初体験が生まれ、人間として成長する。
    そして、選択肢を増やす。

    会社員は最悪。なぜなら、働く人、場所、内容が選べないから。
    選択肢を増やすには、会社員を辞めることをすすめる。

    移動したくなったら、以下を試して、移動体質を作る。
    ・通勤ルートを変える。
    ・毎月ホテルに泊まる。
    ・定期的に国内外に旅行する。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    確かに移動した時こそ、学びが多かったような気がします。
    大学の研究室を変更したとき、海外ボランティアに行った時、引っ越した時、学生から社会人になった時。

    最近は新しい体験ないなぁと思ってたけど、移動してないからか。と気づかされました。

    入社して6年の会社員、今の住居で5年の私には刺さる内容の本でした。

    1年以内にまずは引っ越し、数カ月に1回はホテルで宿泊して移動体質を作りたいと思いました。

  • 極論!みたいなところはあるけれど、著者の言いたいことは分かる。
    情報資産を作るっていうのは面白いし、今の時代にもあっているなあと思った。

  • 定住のデメリット。
    定住生活は諸悪の根源であることが示されている。 そこで筆者は移動することの重要性を説き、具体的なアクションプランも示している。 たしかに、人生の選択肢を増やし、豊かな生活を送るという点では、移動によって様々な人に会い、多くの場所を訪れ、価値観を広げ、可能性を見つけることが重要になるだろう。

    現在公開されている映画「ノマドランド」でも広大なアメリカ大陸を移動しながら生活する女性の姿が描かれているが、彼女の人間としての強さに心を打たれた。 

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著者プロフィール

作家・プロデューサー・編集者。1973年、東京生まれ。
学習院大学卒業後、職を転々とした後、28歳の時に出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。今までに企画・編集した本の累計は1100万部を超える。
独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在はコンテンツのプロデュースやこれらを活用したマーケティング、二拠点生活の経験を活かしたビジネスのオンライン化/テレワーク化のコンサルティング、海外での子育ての経験(とくにギフテッド教育に詳しい)から教育事業などに携わっている。
2015年からは若者に向けたコミュニティ運営も開始。グループコンサルティングや読書会を通じ、知識と経験の重要性を伝えている。
主な著書に『親は100%間違っている』『「絶望の国」でズルく賢く生きのびる』(光文社)、『「やりたいこと」が見つかる時間編集術』(あさ出版)、『超一流の二流をめざせ! 』(サンマーク出版)、『常識の1ミリ先を考える。』(サンクチュアリ出版)、『移動力』『モテる読書術』『GIG WORK』(すばる舎)などがある。

「2022年 『人生は28歳までに決まる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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