- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799322161
感想・レビュー・書評
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テーマは抜群におもしろい。「権力」を善悪という価値判断とは切り離してひとつの「機能」として捉えてみれば「権力」から「利権」を派生させるか、「やるべき変革」を導けるかは本人の倫理観や意志の強さに拠るのだろう。
著者は前者を「悪い独裁者」と呼び、後者を「良い独裁者」と呼ぶ。組織を活性化し、日本社会を良い方向に導くべきなのは「良い独裁者」であり、読者にそうであることを要請する、という内容。
なるほど参考になる。自分は派閥とか苦手なんだけど、あれはあれで意味あるんだなぁ(おおよそ社内のやつは「悪い独裁者」の派閥にしか見えないんだけど。。。)
悪い点は残念ながらテーマの掘り下げのところで、「AI」とか「中小企業の後継者問題」などが「権力」というメインテーマの副題として出てくるんだけど、ぜんぜん話に一貫性がなく、突然出てくるので読んでいる方からすると「えっ?全然脈絡ないじゃん」となる。
これはたぶん編集者があれこれいろいろ注文つけて「流行りのテーマを盛り込まないと売れませんよ」などと言った結果、生真面目だと思われる著者が「急に言うなよ。」という感じでどんどん付け足していったのではないかなぁ。
著者は大学の先生であり、研究論文でこういうこと(主題に対する副題が拡散する)をやるとまず評価されないので、論文の構成など百も承知されているだろうから、これは編集者が無能だと思う。
せっかくテーマは良いので、君主論シリーズとしてベンチャー企業や大企業の「良い独裁者」のケーススタディを交えて深堀りすると売れると思う。それこそどこかの経営大学院の講義テーマでも成立するのではないかなぁ。
テーマは★5つ。構成でマイナス★2でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
研修課題図書としては刺激が強いですが、会社が動く力学を教えてくれます。
会社という組織を生々しく解説してくれ、なるほど!と腹落ちしまくる。。。
会社は、理想論だけで動くわけではい。
リーダーシップの一部である「権力」に対する正しい考え方を教えてくれる貴重な一冊です。