コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2018年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799323144
感想・レビュー・書評
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ー 一般的な会社は、腹が出た中年を思わせる“凸レンズ”、型になっている。つまり、中期計画を主軸とした経営だ。 短期の計画はおろそか、長期計画
はもっとおろそかにする「中期計画症候群」。近年おかしくなってしまった東芝は、まさにこの状況だった。そもそも計画は、先が見える時代には効果的だが、非連続な時代には向かない。三年前に考えたことを実行しても、時代からずれていくだけだ。ではどうするか、というと、「ローリング」と称して、毎年計画を変更しているわけだ。結局、中期計画は守られないが、それは環境変化のせいになってしまう。
いい会社の場合“凹レンズ”になっている。毎週、毎月といった超短期の計画と、たとえば2050年の展望のような超長期計画を立てる。企業として大切な視点は、この短期と長期の視点なのだ。大前さんのように先を見る目はとても大切だ。が、それと同時に、KPIを定めて短期をしっかりやり切ることも大切なのである。 ー
基本から応用まで、理論から実践(実際のコンサル体験話)まで、内容が詰まっていて良かった。
ボスコンかマッキンゼーか、の議論が面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて、コンサルティングの本を読んだが非常に奥が深い内容だった。
コルサルする上で大事なこと!それは、課題設定であり、本質と構造を見極める必要がある。
では、具体的にどうする?
本質を見極めるのは、チョークポイントという問題の根っこを探る。この方法として、「イシューから始める」これは、闇雲に色々試すのではなく仮説を立てながら検討していくことが1番の近道である。
問題解決は4段論法を用いる。ここでは、
1.何が問題なのか?
2.なぜ、それが問題なのか?
3.なぜまだそれが出来ないのか?
4.それができるようになるためにはどうすればいいか?
筆者は特に3.の要素が重要だと述べていた。
次に構造化については、色々述べられていたが、重要なのはマトリックスを作る2軸の設定だと述べられていた。ここでは、縦軸にマーケットのシェア率、横軸にマーケットのシェア率を設定にしていた。コンサルは、このマトリックスの右上に行くように戦略を立てていく
そして、未来のコンサルにとって必要なのはJQと呼ばれる判断力である。データから真実を読み解くのはゆくゆくはAIにとって変わられるが、社会や経済、環境的な観点も考慮して判断できるのは人間だけであると述べている。これを養うには、トライアンドラーン、すなわち、挑戦して学んでいくことである。
そして最後に、これからは問題解決だけでなく価値創造ができる人を目指して挑戦していって下さいと述べられていました。
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問題解決については、いきなり読むと内容がたくさんすぎて少し困惑するかもしれない。
シンプルなものを読んだ後に、さらにスキルアップするにはとてもよかった。
・ファクトベースと心理ベース
・so whatとwhy soとwhy not yet
・仮説を立て、通説を疑い、20:80を見極める
・インパクトと速度の二軸評価と優先順位
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◾️概要
自信と納得感を持って仕事を進められるようにするため、読みました。最も印象的だったのは「21世紀のバリューを作るのは何が価値なのか判断できる、つまり磨き上げたJQを持っている人。重要なのは、自分だけが本当に生み出せる価値は何か考え続けること。」です。
◾️所感
上記を実践に移し、新たな場所で新たな学びを継続していくことでこそ、新結合・異結合が生めるのだと思います。一歩踏み出し、学び、次に生かせるかどうかが重要であって、IQやEQの重要性は相対的に下がっていると感じました。 -
単なるフレームワークの解説でなく、それを今の時代にどう活用するとよいかという視点で書かれており、事例もあるため読みやすく、興味深い。
フレームワークは知っているだけでは意味がないがこれらの活用を意識しつつ使うと新たな視点で問題解決ができる可能性もある。 -
私はコンサルタントではありませんが,コンサルタントがよく用いるであろうフレームワークの良し悪しについて,分かりやすく書かれています.また,定番と思っていたフレームワークが,実はあまり使われていないと言うようなことも書かれており,とても参考になります.タイトル通りの良書です.
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『#コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』
ほぼ日書評 Day733
Day720の著者が10年前に書いた本。
近著の方は、正直ピンと来なかったが、本書の前半部分は、いわゆるフレームワークの基礎を確認しつつ、その限界を探るという観点では意味のある内容。(評者もその類だが)G...ビジネススクール等に通って、その気になってしまった向きには、自己を戒める意味で読む価値があるだろう(ただ、著者のポーター嫌いは筋金入りなので、多少割り引きながら読む必要はありそうだが)。
また第二部冒頭の、大前研一氏のクリエイティブさを支える思考法と具体的なHowは大変興味深い(もしかすると他でも色々紹介されている内容かもしれないが、筆者が直接大前氏に "仕えた" 時代の話はライブ感がある)。
とはいえ、著者の悪いところが出る(別の書評でも同じ意見を見かけた)後半は、正直、蛇足である。
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