世界一うつくしい昆虫図鑑

  • 宝島社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800222299

作品紹介・あらすじ

全米で話題となったベストセラー、待望の日本語版登場!著者が世界各地で採集した色とりどりの昆虫たちを、自然のままの色で紹介。日本語版では、それぞれの昆虫に関する説明を加筆!

感想・レビュー・書評

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  • 読む前は半信半疑だった。美しい物を誰が並べたって、美しいに決まっている。自然の素材をそのまま自分のアートだと言うなんて、ずるいじゃないか。と、言う気持ちがあったが、大きな誤解だった。

    昆虫1つ1つの色合い、一番美しく見える配置が完璧に計算されている。正しくアーティストの所業。これまでにこれらの昆虫たちが、これ程までに美しく表現されたことがあっただろうか。自然は美しい。それに挑み、それを越えられた物がアートなのだ、という事を改めて思い知る。
    そう、標本箱の虫は、生息地毎や分類毎に並べなくてもいいのだ。うっとり眺めるための物に、そんなルールはいらない。
    私は昆虫が大嫌いでありながら、昆虫の美しさを無視できずにいた。あの目が眩むメタリック。宝石の色合い。
    もっと美しい昆虫が見たい。でもその欲求を満たしてくれる本は皆無だった。どの本も必ず不気味な昆虫も載っていて、美しい昆虫にまでもそれらと共通の事項を見出だし、不気味に思えてしまうのだった。
    この本に感謝している。虫嫌いも、虫を美しいと思っていいのだ。

    著者の前書きや後書きが面白い。なんと著者も大の虫嫌いだったにもかかわらず、ある時突然昆虫の美しさに取り付かれてしまったという。その後のはまり方がすごく、まるで昆虫学者のように虫を集めまくったそう。

    また、自分の展覧会に来た人の話をこっそり聞き、人が虫のどの部分を嫌うのか、それをどうしたら除けるかを研究したそうだ。その結果、人は触角や脚に恐れを抱くという結論を出し、触角や脚を極力使わないようにしたらしい。
    確かに、この作品に触角があったら、アートとして不恰好になり、昆虫そのものの美しさも薄れてしまうと思った。

    この本の昆虫に触角や脚が無い事を批判している人を見たが、普通の昆虫標本と何が違うのだろう。
    「虫好き」と言う人だって、昆虫を磔にした標本箱を嬉しそうに眺めているではないか。
    この作品は普通の標本箱よりずっと美しい。要は、死んだ虫をただ並べた人が、美しく並べた人を批判するのはどういう事なのか理解しかねる。
    標本は学術的興味を感じなければいけないと言うだろうか?私はこの本のある虫が気に入り、名前を検索してみたが、ほとんど画像がヒットしなかった。こんな美しい虫が、ネット上でもちっとも話題になっていないのだ。虫嫌いな私でさえも、ネットでは探せない、美しい虫に出会う事ができた。やっと私は昆虫という生物に興味を持ち始めたのだ。

    昆虫採集は昆虫を取りつくしてしまう事はない、という話も初めて読んだ。例外もあると思うけど、少し安心できた。

  • 子どもの頃に繰り返しめくっていた昆虫図鑑を思い出しながら、宝石の広告写真でも見ているような気分になった。その意味で、たしかに「キレイ」ではあった。同時に、こんなんじゃなかったのに、という思いもあった。

    著者は最初、昆虫が苦手だったらしい。それが次第に、昆虫の魅力にとりつかれていった。
    本書にはじつは、その過程がありありと現れている。

    というのも、本書に収められている美しすぎる写真たちはいわば、かつての昆虫に対する憎悪の裏返しなのだから。

    そのことを了解した上で、タイトルにある「美しい」という文言をあえて「うつくしい」とひらがなで開いているのだとしたら、ある種の批評的な視点もあったのかもしれない。

    ひどく倒錯的な書物だというのが一読した率直な感想。

  • 昆虫に嫌悪感を抱くのに、それを抑えてでも観たくなる美しさを魅せてくれる一冊。

    気持ち悪い感情は完全には拭えないけれど、ただ嫌悪の対象として見てきた昆虫を自然界のアートとして、著者のデザインとして別の角度から見られるのがおもしろかった。

    命の美しさと不思議に触れられる図鑑でした。

  • 昆虫曼荼羅

  • 自然の造形に神秘的なものを感じる。
    子供と眺めた。

  • うつくしい。

  • ふむ

  • 請求記号 486.087/Ma 52

  • 自然が創り出す美を最大限感じることが出来る作品。
    昆虫好きにはたまらない!

  • 9歳息子と読了。
    この本を読むまでは、昆虫とうつくしいというキーワードが結びつかなかったけれど、なるほど昆虫はうつくしいのだ、と思えた。
    でもこの本は図鑑というよりはアート作品集といった側面のほうが大きいように感じた。
    使用している素材自体が美しいので、そりゃ美しくもなるわけだけど、それにしても美しい作品集だ。
    でもこの本の著者はもともと昆虫嫌いだったというのが意外。どこかの時点で急激に惹きつけられるようになったんだろうなぁ。そうすると却ってどハマリするような気もする。
    全部で200ページくらいあるこの本、パラパラめくってキレイだな〜、と眺めるには良いけど、さすがに後半はちょっと飽きてくる。よっぽどの昆虫好きでないと、最後までちゃんと読むのは厳しいかも。

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