- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800245533
作品紹介・あらすじ
「地方財政の悪化」と「人口減少」の間に直接の因果関係はない!人口減少でも未来は明るい。地方消滅は「嘘」だ!増田レポートが触れていない「地方の底力」と地方疲弊の「本当の原因」。「儲かる地方」「儲からない地方」の決定的差。「人口が減ったから○○になった」のウソほか、「経済」でわかる「地方」の真実。
感想・レビュー・書評
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地方財政の悪化と人口減少の間に直接の因果関係はない、
人口減少は既得権を温存するための口実、
補助金で衰退する地方経済、儲ける地方が生き残る、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかく、簡潔で分かりやすいのがいいです。「人口減少で地方自治体が無くなってしまう」などといった俗説を強く否定する一冊です。具体例を挙げて地方に於いての活性化策の失敗や成功例を示していることで、わかりやすさが増しています。納得の一冊でした。
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人口減少が地方消滅につながるのではない、ということをデータを元に論じている。そして、地域活性化のプロジェクトを補助金ありきで行う危険性を述べ、最初は補助金を利用したとしても、そのあとは利益を生むビジネスモデルを考えることで上手くいく。民間に任せて上手くいった事例をあげながら、地方を活性化させるとはどういうことなのか?を示している。
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いわゆる増田レポートへの反論という形で書かれており、少し偏っていないかなあ、という印象。
増田氏の『地方消滅』については、いろいろなところで、批評されていますが、消滅可能性都市の定義を示した中で、人口動態というデータで表したものであるため、普通に読めば批判している方々が言うような内容ではないと思っているのですが、マスコミに踊らされたような論調を展開されているのは残念です。また、人口問題と経済の関係を、戦前の日本の状況と比較して論じているのも、違和感を覚えました。
今の高齢化の問題は、そのスピードと偏重にあると思っていますので、あまり過去や他国との比較では解決策は見えてこないような気がするのです。
藻谷氏の『デフレの正体』への批判も書かれていましたが、藻谷氏の主張は、人口の動きがデフレを生んでいるということではなく、現在デフレと呼んでいる状況は、人口の推移で説明できる、ということですので、個人的には少しズレがあると感じました。
木下斉氏が協力をしているということで、地方活性化策の主張については、氏の主張を反映し、分かりやすく書かれていると思います。特に3章以降は、主張が明確です。であるならば、前半部分とのつながりがもったいないなあという印象です。
願うならば、もう少し具体策にまで踏み込んでいただき、どうすれば地方活性化に導けるような人材を育成できるのか、また、補助金依存からの脱却が重要なのは理解できるものの、好事例として紹介されたオガールにしても当初は、行政からの補助が入っているわけですので、プロジェクトの立ち上げ時点での行政の関与の仕方などを示していただけるとよかったな、という感想です。
▼「墓標」が生まれる理由
①誤った政策目標
②真面目という名の無責任
③補助金依存
▼墓標の見方、商店街の衰退の兆し
・本来ならば、民間に投資させて固定資産税収入などを取らなくてはならない地域の中心部、いわば営業部のような場所に豪華図書館があるとか、駅前に滑走路のような立派な道路がある等
→地域の稼ぐ力を削ぎ、延々と税金を食い続け、真の地方活性化を阻む
▼地方再生に必要なのは、儲けも損も含めて利害をともにする、本当にやる気のある人こそが求められる。主観に基づく決断と実行、現場でのトライ&エラーの繰り返しことが必要
▼地方経済を再生するような人材が地方で育たない理由:「地方蔑視」と「民業蔑視」という2つの差別意識
▼「悲観的なことを言い続ける人が現実的」という悪い思い込みが日本人にはある
▼地方経済の再生のために政府や地方自治体がやるべきことは、あらかじめ正解を想定して人々をその正解に寄せるのではなく、人々が自由な発想でいろいろなアイデアを実践することを邪魔しないこと
<目次>
第1章 増田レポートへの違和感
第2章 人口問題の真実
第3章 補助金で衰退する地方経済
第4章 増田レポートが触れていない「地方の底力」
第5章 儲ける地方は生き残る -
「補助金に頼らない」地方自治体が成功する、という地方行政のあり方を主張する一冊。ジャブとしてベストセラーになった『地方消滅』に真っ向からけんかを売る。要旨はまぁ納得できるし、事例も読んでいておもしろいのだが、いただけないのはアベノミクスを論じる部分。著者がアベノミクス肯定派なのは重々承知しているが、「アベノミクスで成功していない人、企業は努力が足りない」という流れはやはり腹落ち感がない。企業の事業選択とマクロな政策では違うのかもしれないが、どっちも「やってみなけりゃわかん」のではないかと思ってしまう。