【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】ブラック・ヴィーナス 投資の女神
- 宝島社 (2016年1月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800250339
作品紹介・あらすじ
依頼人のもっとも大切なものを報酬に、大金をもたらす株取引の天才「黒女神」。助手を務めるのはメガバンクに失望した元銀行員。やがて二人は壮絶な経済バトルに巻き込まれていく。2016年第14回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。株取引の天才が人の心理を読み解く、新たな経済サスペンス。
感想・レビュー・書評
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伝説の投資家ブラックビーナスこと茜と百瀬のコンビが投資の手腕で依頼人の人生を救う。
数話の短編集の続きもので読みやすく、
スカッとする作風が楽しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このミス受賞作で、ずっと積読してた本。お金を準備する代わりに、その人が払えるギリギリの対価を要求するって設定はすごく面白かったけど、それが生かされてなかった感がある。面白かったけど、もうちょっとなぁって感じ
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経済サスペンス。天才的な株取引を行う黒女神、二礼茜。さすがにリアリティには欠けたけど、老舗企業の立て直しから政治や官僚まで絡んでエンタメとして楽しんだ。
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ドキドキした。なんとなく先は読める
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ミステリーではないんじゃないかと思うけど面白かった。
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黒ずくめの服に白金色の髪が揺れる。
フィギュアのような風貌の「黒女神」。
そんな彼女が 株取引で人や社会を動かす経済サスペンス。
第14回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
美術ミステリーの『神の値段』(一条さゆり)と決着がつかず、
この作品と2作同時受賞となったそうです。
メガバンクに就職した百瀬良太。
地域経済を銀行の融資で活性化させたいと意欲に燃えていました。
ところが、現実は理想とは遠く、失意のまま辞めてしまい
県の組織の臨時職員として金融関係の相談員となります。
そんな中、会社を経営する兄が窮地に陥り
株取引の天才「黒女神」との面談に同席することに。
「なんで銀行を辞めたの?」
「雨の日に傘を貸さない人間にはなりたくなかったんです」
「ふうん。じゃあ、あなたをもらってもいいかしら」
これは、良太の兄が仕事の報酬について尋ねた時のやりとり。
これ以降、良太は相談員を続けながら、黒女神の助手を務めます。
この作品には、殺人や犯人探しという要素はありません。
「黒女神」の正体が明らかになっていく過程がミステリー。
物語の舞台は、石川県金沢市から東京 霞が関へと移っていきます。
金沢の街でほっこり始まる物語は、途中で暴力団がらみになり
やがては大物政治家へとつながり、日本産業の危機にまで発展。
胸が熱くなる怒涛のクライマックスへと、一気にページが進みます。
ミステリアスな黒女神と、賢いけれど押しの弱い百瀬良太。
最高のコンビでした。 -
株取引がメインに書かれているお話だが、非常に読みやすく、主人公良太のそばで一緒にハラハラドキドキしながら黒女神の神捌きを眺めているかのような気持ちに。世の中そんなに簡単にお金増やすことができれば苦労しないと、ツッコミを入れたくもなるけれど、解りやすい悪者退治、起死回生の組み立てがクセになっていまいそうになる。ラストに向けて、伏線回収も納得できて個人的にはかなり大満足のお話。
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依頼人のもっとも大切なものを報酬に、大金をもたらす株取引の天才「黒女神」。助手を務めるのはメガバンクに失望した元銀行員。やがて二人は壮絶な経済バトルに巻き込まれていく、第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作です。
最初を見ておりますと、株取引の天才がいろんな人物の依頼を受けているだけで、ミステリー?と思いますが、最後まで読むとミステリーであることがよくわかります。投資とミステリーを絡めていて読みやすかったです。 -
金融のことに関しては無知なのでわからない単語も出てきたがそれでも最初から最後まで楽しめた。
主に前半後半に物語が分かれていたが
ブラック・ヴィーナスの素性も明らかになり、また舞台や人も国家にまで事件が広がり常に臨場感のある展開となっていた。
半沢直樹が銀行員として頑張ってるけど、こういう弱者救済の仕方もあるのかーと思った。金融は奥が深い。
読後感はとてもすっきりです。