- Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800253422
作品紹介・あらすじ
日本から約一万二千キロ、アフリカ大陸。国際連合南スーダン派遣団の第五次派遣施設隊内では盗難が相次いでいた。定年間近の自衛官・亀尾准陸尉と部下の杉村陸士長が調査に乗り出すが、さらに不可解な事件が連続して発生する。果たして相次ぐ事件は何を意味するのか。日本から特別派遣されてきたオネエの警務官・植木一等陸尉も調査に加わり、事件の謎に挑む。『このミス』大賞優秀賞受賞作!
感想・レビュー・書評
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ジリジリ感。アフリカ大陸の気候というジリジリ感に、人間の想いと行動のギャップを埋められないときのジリジリ感が同調して、人の想いが何倍にも増幅して伝わってくるような気がした。最前線の重み、武器を持つ重みが、良く分かった。
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南スーダンへ派遣されている自衛隊。定年間近の亀尾と若い杉村が、自衛隊営舎での紛失騒動を調査する事に。一般人が知る由も無い過酷な生活環境や、官品の取り扱いの厳重さなど、厳しい状況に置かれながらも日々を過ごしている。そして、小銃弾が盗まれた。
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世の中は、ほんの一握りのヒーローと
大多数のクズからできている。
そのことをまざまざと見せつけられる本(- -
前半部分、ストーリー的にはあまり進展がなく、
正直やや冗長な印象を受けた。
が、そこで細かく描写される「自衛隊員の日常」、
=一般人にとっての「非日常」が、
あとからじわじわと効いてくる。
一応は「犯罪捜査」の話であるが、
犯罪を「犯す側」の気持ちも嫌と言うほど分かる。
...気がする(- -
誰が悪いのかというと...「現場の目」で見ると
「事情を真に理解せず勝手なことを言ってる奴ら」
ということになろう。
が、それは防衛省の制服組や政治家だけではなく、
「現場」を理解していない大多数の国民を含む。
私もあなたも含まれる(- -
...そんな「悪い奴ら」ですら、
いざという時には命がけで守り、助ける。
それが自衛官というものである(- -
東日本大震災やら、南スーダンのPKOやら、
現実に起きたことを絡めて話が進むので、
誰でもが多かれ少なかれ共感できるものがあろう。
いつ北朝鮮のミサイルが飛んでくるか分からない今こそ、
多くの人に読んでいただきたい一冊である(- - -
日本から約一万二千キロ、アフリカ大陸。国際連合南スーダン派遣団の第五次派遣施設隊内では盗難が相次いでいた。定年間近の自衛官・亀尾准陸尉と部下の杉村陸士長が調査に乗り出すが、さらに不可解な事件が連続して発生する。果たして相次ぐ事件は何を意味するのか。日本から特別派遣されてきたオネエの警務官・植木一等陸尉も調査に加わり、事件の謎に挑む。『このミス』大賞優秀賞受賞作!
ようやく読むことができた。いろいろな要素が含まれ、しかもグッとくる結末。今さらながらおすすめ。 -
前半と読み終えた時の印象がガラッと変わった作品。
前半は登場人物の多さ、慣れない言葉につまずいて、読み進めるのが少し苦痛だった。ミステリー好きとしては、物足りなさもあったし、自分とあまりにもかけ離れた世界に感情移入が出来ないという点も大きかった。
でも後半は吸い込まれるように、読むスピードがどんどん加速して、あっという間に読み終えてしまった。社会的な問題も多く盛り込まれていることもあり色々考えさせられたし、はじめは感情移入出来なかった登場人物一人一人に好感すら覚えた。
ミステリーの賞をとっている事もあり、自分のようにそこが入り口だと、読み進めることに苦痛に感じる方もいると思う。ただ読み終わった時の読了感と印象の違いは清々しいと感想に記しておきたい。 -
神家正成『深山の桜』宝島社文庫。
『七四』が文庫化されたのを機会に初作である本作から読んでみようと手にした。
自衛隊の国連南スーダン共和国派遣を舞台に描かれるミステリー。自衛隊の特殊な世界はやたら詳しく描かれるものの、やたら説明的で、ストーリーのテンポが悪く、今一つ乗り切れなかった。 -
南スーダン派遣施設隊で起こる事件を題材にしている。
どうしても、個人的に「ミステリーが苦手(おもしろさがわからない)」性質のせいか、この作品についても謎解き部分に関しては「すごい!」とか、「おもしろい!」といった感想はあまり持てず・・・。
著者自身が元自衛官ということで、かなり細かい部分がリアルに描かれていると思う。
ただ、登場人物はちょっとカッコよすぎるかもしれない(笑)
海外に出ていく自衛隊の「矛盾」をついたストーリーになっている。 -
植木一等陸尉が登場するまでと登場してから、そして終盤の畳み込むような流れと、息をつくのも忘れて読んでしまいました。そして終盤は泣けて泣けて…
リアルの中に現れる植木一等陸尉の場面転換力に惚れました。
映像にするのは難しそうですが、できることなら植木をまったくイメージとかけ離れた玉木宏で見てみたい。